80~81日目【メキシコ】エル・ロサリオ、そしてアカポネタへ 高速道路を走る 長距離無補給区間での暑さとの戦い

2014年8月28日
マサトランからエル・ロサリオ

 Walmartで水と朝飯・行動食・晩飯用のパンを買いました。ここで警備のオッサン2人に声をかけられ、どこへ行くのか、旅の期間は、タイヤは何度交換したかなど色々話しました。

 カナダ・アメリカもそうですが、道の路肩にタイヤの残骸が転がっています。制限速度100㎞なんて普通で、おまけに道も綺麗ではないですから、タイヤがぶっ壊れます。だからオッサンはタイヤの交換頻度を聞いてきたのだと思います。

78~79日目【メキシコ】マサトランへ 静かな休日

2014年8月26日
エル・エスピナルからマサトラン


 エル・エスピナルのある家の客間に泊めてもらいましたが、この家に主人はいません。別の所に住んでいるようで、一晩貸切状態になっていました。鍵は部屋に置いて門から出ればいい。門はオートロックになっているのです。

 延々とアップダウンです。上った分下りてすぐまた上る。このアップダウンはエル・エスピナルから109㎞ (!)続きました。しかもこの109㎞の間ストアは一軒もありません。汗だくで水はどんどん減るし、身体は熱くなるし、腹も減る。

76~77日目【メキシコ】クリアカン、そしてエル・エスピナルへ 助力を得て難を逃れる 感謝

2014年8月24日
グアムチルからクリアカン

雨上がりのグアムチル

 グアムチルのホテル。朝起きると雨が降っていました。今日はクリアカンを目指す日です。

「雨天の100㎞か…ハードになりそうだ」

 リンゴと牛乳を朝食に出発しようとしたら、雨は止んでいました。ただ、路面が泥で厄介です。

74~75日目【メキシコ】ロスモチス、そしてグアムチルへ 視点を変えて楽しむ 

2014年8月22日
エルカリソ・リクグスターボディアスオルダスからロスモチス

菓子パン4つで19ペソ。プレーンパンは1個1.1ペソだった

 ロスモチスまでは57㎞程度とイージーな道のりですが、暑い。ちょっとした山越えをしたものの、OXXOで休憩して楽々ロスモチスに着きました。

73日目【メキシコ】シナロアへ エクストリーム野宿未遂

2014年8月21日
ナボホアからエルカリソ・リクグスターボディアスオルダス

ソノラからシナロアへ

 ナボホアのHotel Sonora。朝飯を自炊しました。米を炊いて調味料で味付けしたものです。自炊向け食材を買い足していないため、大したものは作れません。

 現金が少ないため (所持金220ペソ)、ナボホアのATMで降ろそうと思いましたが、よく声をかけられ目立っているようなので、やめました。現金引き出しは危険なので、コッソリやるものです。

71~72日目【メキシコ】オブレゴン、そしてナボホアへ イージーな2日間

2014年8月19~20日

オブレゴンからナボホアまでは綺麗な舗装路で路側帯も広いので楽勝

 起きる走る食べる寝る。ただこれだけの毎日です。今はタコスの他は楽しみがありません。景色も道も淡々としています。つまらない。何一つイベントがない。

70日目【メキシコ】ビカムへ セキュリティを強化

2014年8月18日

 見るべきもののない淡々とした道のりのため、写真が少ないです。「起きる・走る・食べる・寝る」という、ただ進むだけの毎日です。メキシコシティーまではこんな具合だろうと思いますので、ご了承ください。

 グアイマスのラブホを早めに出発。受付のオバちゃんと妙な雰囲気。やっぱりここは…ともかく忘れたい。行こう。今日はビカムという小さな町を目指し、ホテル無しなら先のオブレゴンまで足を延ばす予定で臨みました。

69日目【メキシコ】グアイマスへ 恐怖! まさかのラブホ宿泊

2014年8月17日

海来たぜ〜

 寝不足の重たい脚を動かし、サンカルロスのRVパークを出て海を見に行く…前に、近くのストアで冷えた飲み物を買いました。今日も暑い。

67~68日目【メキシコ】エルモシージョ、そしてサンカルロスへ 激走2日間307㎞

2014年8月15日
サンタ・アナからエルモシージョ

エルモシージョの誰だか分からんが誰かの銅像

 以前、力抜いて適当に走ると言っておきながら、今日は167㎞走りました。脚の調子がすこぶる良く、行けるところまで行ってやると走りまくったら、サンタ・アナからエルモシージョへ着いてしまいました。平均速度も20㎞ジャストという私の自転車旅行歴では最速でした。

66日目【メキシコ】サンタ・アナへ 安定快適走行 初ブリトー初タコス

2014年8月14日

水道水はそのままでは飲めないので、MSR MIOXで浄化。紅茶の水出しを作った

ハードワークの日々でカサカサになったチペワのブーツにオイルを塗った

 あまり長居していても仕方ないため、リンゴ2個を朝食に出発しました。町に着いたら何か食べようという考えです。今日はサンタ・アナという町へ向かいます。適当なホテルに泊まります。

65日目【メキシコ】ノガレス アメリカとの因縁を断ち切る! メキシコの始まり

2014年8月13日

入国を終えてすぐ、銀行の前で

 下手な因縁は残さず綺麗さっぱりとしないと、後々に支障をきたすことになるわけで、これが人生の難しいところですね。「まぁ良いか」という名の怠惰にはくれぐれも注意すべきです。一度生じた因縁は結果を見るまでは消えないそうですから。一期一会が勝負というわけです。

64日目【アメリカ】ノガレスヘ アメリカ最後の町 雷雨のち晴れ、そしてまた雷雨、時々パンク

2014年8月12日

10~15㎞先では雷雨

 アメリカは一筋縄ではいかない。最後の最後で (正確には最後から二番目だが後の話)ぶっ込んできました。これまでの旅で最もキツイ走行となりました。

 天候は曇り。無料の朝食ではトースト8枚、ヨーグルト、オートミール、コーンフレーク、マフィン、フルーツジュース4杯を腹に詰め込み、行動食にとマフィンを2つ頂戴しました。

 インターステートハイウェイの側道を進みますが道がガタガタでストレスフルです。路面が横割れして隆起していてこれが一定間隔で延々続いています。定期的にガタンガタンします。しかもノガレスまでは上っていく。

マイルじゃない。㎞になっている

雷落ちまくってるなぁ、ハードになりそうだなぁ、などと思っている

 先の雲行きが怪しく、遠くの方で雷が落ちまくってます。「降るだろうなぁ。この雰囲気は。降らないわけないんだよ」その通り。雷雨に突入しました。

 「道はガタガタ、そして雷雨、上り道延々で、向かい風。アメリカの野朗ぶっ込んできたか」

 側道走行はアグアリンダというところのラスチバスウォッシュで断たれています。この2㎞の短い区間を越えるためにインターステートハイウェイを走ります。この区間は走行可となっています。表示はハイウェイ入り口には無くてハイウェイに乗ってしばらくすると見えてきます。「Bicycles use shoulder only」私がこの区間を走れると知ったのはグーグルマップで自転車走行表示に切り替えて見たからであります。ハイウェイ入り口に自転車走行可の表示が無いのは不親切ですね。

 その内に雷雨が止んで晴れました。レインスーツを脱ぎました。都合上、ペンドルトンドライブウェイを走ることになりますが、この道を越えればノガレスはもうそこです。しかし雷雨の影響で道が水没。通行不可。

 他の道を探してあちこち走り回されて、ようやく予定していた道に戻れたと思いきや、パンク。パンク修理中に雲行きが怪しく雷鳴が。湿度が高く日照りも無いので、ゴムのりの乾燥が不十分なままパッチを貼ることになりましたが、空気漏れせずにどうにか保ってくれました。

 さぁ行くか。走り始めて100mで雷雨が。停車して一度仕舞ったレインスーツを再びバッグから取り出して着ることに。「あー、進まねぇなぁ…進まねぇなぁ…」ノガレスはもうすぐそこなのに、遠い。

 雷雨の中モーテルに着いて、近くのストアまでカッパ姿で晩飯と朝飯を買いに行きました。この日の走行がこれまでの旅で最もキツイ走行だったかもしれません。

 「しかし大事な事は、この苦しさはともかく受け流してしまうことだ」

 受け止めず、逃げず、受け流す。シャワーを浴びながら心身の疲労が気になりましたが、「まぁそれはともかく」と自分に言い聞かせて何事も無かったように食事をし、寝ました。

 これでアメリカは終わった。もう俺とアメリカは関係ない。この時はそう思いました。しかしボーダー越えで面倒なことになるとは。

積算走行距離: 4857㎞

62~63日目【アメリカ】ツーソンで休日を ホテルに缶詰 情報収集とスペイン語の勉強

 出来事が少ないのでツーソン関係はひとつにまとめました。

2014年8月10日

ピカチョマウンテンとかいう間抜けな名前だが存在感のある山

 フェニックスとツーソンの中間地点にある町、エロイ。そこからはインターステートハイウェイの側道を中心に進んでいきます。

 この側道は曲者で、デッドエンド (行き止まり)の標識が無かったり、あちこち行かされたり結構走行距離を食います。道の導入表示が不十分なところもあって危うくインターステートハイウェイに乗りそうになります。

 加えて道もデコボコ、微妙な上り坂でスピードに乗らずストレスフルです。ツーソン市街についた頃には結構な疲労度で参りました。標高はエロイが1500、ツーソンが2300くらいです。

 ツーソンについた頃は夕刻で、住宅街はそのせいか人気少なく静かでした。家々の形や色使いがメキシコっぽくなりました。

 Days Innというホテルで2泊します。近くにストアが無いので2日分の食べ物を買ってからチェックインしました。これでもう明日は一歩もホテルから出ませんよ。

積算走行距離: 4744㎞


2014年8月11日

服の量が多いと思う

石鹸水に浸け置き洗い

 朝食を食べてのんびり。洗面台で洗濯をして、浴槽でジーンズを洗い、メキシコ入国の情報収集、大まかな走行スケジュール、荷物の整理、スペイン語の勉強、セキュリティ関連の考察、昼寝、音楽鑑賞などをしました。

 明日でアメリカ最後の走行です。アメリカに対する思い入れは中途半端です。ルート66を走って完成します。でもそれはいつか先の話。

61日目【アメリカ】エロイへ メキシコは案外遠い

2014年8月9日

スペイン語の学習本です。ポケットサイズで用例多数。フレーズを丸暗記し、あとは単語を置き換えてやれば応用が効く。

 今日は現在地のフェニックスから南へ、Eloy (エロイ)という町へ向かいます。大きなスケジュールとしてはTucson (ツーソン)へ向かうのですが、200㎞弱…もう少しありますか、そこでエロイを経由地としました。

 この炎天下の200㎞弱を2日で走ることは普通はしません。3日はかけたい。ただ、私はツーソンで連泊したい。メキシコ入国の下調べと、防犯準備 (パニアバッグの荷物の場所を変える・隠しポケットを使う)、そして何よりもスペイン語の勉強に集中したい。部屋にこもって黙々と勉強したいのです。そのための時間を作るために2日間で強行し、1日空きを作ります。

 ノガレスから入国しますが、メキシコ入り後はしばらく安宿暮らしで様子をみるでしょうし、空気に慣れたら少しずつ野宿を増やしていきます。カナダ・アメリカでは2回しかやれてません。あえて野宿が必要な区間を探してやろうと思っています。警察署の敷地内とか、野宿交渉にもチャレンジしてみたいですね。私は野宿では排便排尿を絶対に野に垂れないというポリシーがあるので、小便用のペットボトルを用意しないといけませんね。

 こうして長々と書いているのは、フェニックスからエロイへは特にこれといった出来事が無く、ただ122㎞走っただけだからです。暑いだの日差しがキツイだの当たり前。見渡す一面の荒野で写真に撮るもの無し。書くことが無いので雑談しているんです。

 道中いつも通りです。体が熱く、汗が吹き出るようになったらストアで冷えた飲み物を飲む。荒野の無補給区間ではお腹が空かないようにリンゴを食べる。

 エロイで滞在したホテルはDays Innです。初めて利用したチェーンホテルですが、モーテル形式で自転車ごと仕舞えますし、WiFiは強度高く、クーラーもよく冷えます。朝食は何処のチェーンホテルでも同じ。食パン、シリアル、オートミール、マフィン、フルーツジュース、コーヒー。

 何も無く終わった一日でした。こういう日も珍しいな。

積算走行距離: 4618㎞

59~60日目【アメリカ】フェニックスで休日を

 フェニックス行きと滞在の2日間をひとつの記事にまとめました。思い入れのある景色が全くなかったので写真は撮りませんでした。

2014年8月7日

 ロサンゼルス行きを諦めてメキシコ入国を目指します。堅実です。ロサンゼルス行きにこだわる勝負を私はしません。潔く負けて、さっさと先へ行きます。何に負けたか。陽射しと気温です。

 アリゾナ州ウィッケンバーグからフェニックスまではほぼ平地の高速コースで、走行距離は79㎞です。これはキツイですよ、今日も。平地の高速コースだからって単純に距離だけで判断できないのが辛い。

 経験の少ない自転車旅行者は1日の走行距離を100㎞で見ることが多い。この100㎞というのはキリのいい数字だというだけで、特に意味はありません。気温、天候、傾斜、獲得標高、補給地点、情勢、そして自身の体力、精神力。1日の走行距離に目安なんてものはありません。当日ないし前日にこれだけ走れるだろうと分かります。目安なんて意識は走行スケジュール上の妨げにしかなりません。

 さて、真っ直ぐな道を延々走るだけでフェニックスに着きます。しかし暑い。適宜ガス屋やコンビニで冷えた飲み物を摂らないと危険です。

 休憩中にメキシコ人らしき男女二人組に話しかけられました。自転車でメキシコに行くと言うと嬉しそうでしたね。しかし二人共陽気だ。私の顔の日焼けを気にしてくれたようで、日焼け止めをくれました。ありがてぇなぁ。では早速。顔や首など日の当たるところに塗りました。ありがたや。仏はいるね。

 自転車旅行をしていると多くの助力を得る。その助けは私の糧となり、私自身もまた親切を行い返していく。このように助力が流転し相続していく世の中なら平和だろうになぁ。上手く行くも行かぬも世の道理。ただ、一切を尊重するのみ。

 そんなこと考えつつホテルに着いたらクーラーガンガンでダラダラ食うもん食い、いつの間にやら寝てしまって23時。シャワーは水音の騒音があるので近所迷惑になります。翌朝浴びようと諦めて、歯磨きだけしてまた寝ました。

積算走行距離: 4462㎞


2014年8月8日

 朝食会場は何人いただろうか?いや、そんなにいないのだが大声で話しているので騒がしい。この後も続々と朝飯食いにやってくる。いつの間にやら大勢になって居心地が悪いため、ある程度食べたら席を譲り、後は自室に持ち込んで食べました。スペイン語、イタリア語、フランス語、ドイツ語、英語。色々な言語の大声が耳に入ってくると意味わからん。しかしなかなか無い機会だったな。

 実は今日は休みです。でもゆっくりはできません。タイヤが限界を迎えまして、砂利を踏むだけでもパンクするような具合です。以前、植物のトゲでパンクしたとお伝えしましたが、あのトゲたちがタイヤを酷く傷めつけたのです。空いた穴の隙間から砂利が入ります。その中に尖った砂利があるとパンク。

 フェニックスにはREIがあるので、限界なタイヤで恐る恐る走って新しいタイヤを買ってきました。行きの道中、案の定パンク。REIのそばに着いてからで良かった。

 買ったのはContinentalのTown Country 2.1インチです。一本30ドルの安いやつです。本当はシュワルベのマラソンが欲しかったのですがありませんでした。メキシコシティまで保ってくれれば良いです。コンパウンドは硬めなので削れ難いとは思います。

 パンクを直し、買ったタイヤをハンドルに引っ掛けてホテルへ帰ります。またパンクしました。もうダメですね。こんなタイヤにパンクパッチを使うのは勿体無いので、幸いホテルまで歩ける距離に来たし、このまま歩いていきましょう。汗だくで帰り着き、タイヤ交換。古いタイヤはホテルのゴミ箱には捨てられないので、頃合いを見て捨てます。

 タイヤを買うついでに、近くの古本屋でスペイン語学習の本も買いました。当然、英語で解説されたスペイン語学習本です。日本人の私には一石二鳥で勉強できます。

積算走行距離: 4496㎞

58日目【アメリカ】ウィッケンバーグへ 久し振りの標高1000m以下 空気が重い

2014年8月6日

 この日は重要な決定を行いました。当初はロサンゼルスまで行ってそこで太平洋を見ながら三連泊だなどと考えていました。今日行くウィッケンバーグという町からロサンゼルスのある西方へは荒野が続いていますが、補給はできなくはない。野宿の区間も必要ですがこれもどうにかできる。

 一番のネックはこの暑さです。今までは標高1500~2000mくらいの所にいて、今日のウィッケンバーグは600mです。ロサンゼルス行きは高原の避暑地の頭が考えたことであって、ウィッケンバーグまで降りてご覧なさい。もっと暑くなりました。この熱地獄の中をロサンゼルスまで走れません。非常に危険です。ガス屋のオッサンにも警告されました。「自転車で?やめとけ」

 もうこのまま南下してメキシコ行きます。適度に大きな街を経由していけるので「一番安全」と思います。連日の40度超えと直射日光の中にあっては、よく気を付けて走行スケジュールを立てねばなりません。

疲れてきた。散髪はどうしようか?海外の床屋はハードルが高い

 フラッグスタッフから南西にある町プレスコット。その森のキャンプ場 White Spar Campgroundを9時半に出発しました。ここはちょうどRoad Workの途中にあるので、いきなり工事区間を走ります。それも登り道の。

 工事車両との片側通行で道を共有して走ることになるので、トラックの音が聞こえたら路肩によって停止、やり過ごします。

 プレスコットが5300、ここから6000フィートまで登って下りです。以降暫くは緩やかに下ります。この下りはとても心地の良い下りで、遊覧船に乗ってのんびりクルーズと言った感じ。その内に登りを挟んでくるようになったことが少し残念だ。でも今日も1セント拾いましたぜ。この金運はどういう事だ。金額は小さいがよく拾うな。

 あちぃ。ようやく見つけた町のガス屋で冷えた飲み物を飲みましたが、走り出してすぐ暑くなったので町の少し先の自販機でコーラを飲もうとしましたが、だ、ダズントワーク (doesn't work : 故障)!?そんな…そんなっ!

 うおおおぉぉん…orz。心の中で狼狽しているとオッサンがひとり声をかけてきました。「ワンブロック向こうにもアナザーワンがあるよ」

 しかし喜びも束の間。「向こう」とは引き返すことになるではないか。登り道を、つまり引き返すときは下りだが、戻るときは登り道だ。先へ進んでガス屋に期待するしかない。あるかどうか分からないが。


 マップ上でも分かるグニャ道。コングレスまで下りです。標高2000フィート (600m)まで下がります。今までは日差しが暑くても空気は冷たい方でした。標高1000mを割ると空気も暑くなり、どうしようもない。過酷だ。予めガス屋のオッサンに言われていたが、半端ねぇな。

 幸い今日の目的地のウィッケンバーグまではアップダウン皆無の高速コース。ホテルでクーラーガンガンにしてグッタリ。もう嫌。あちぃ…

積算走行距離: 4383㎞

57日目【アメリカ】ホワイトスパーキャンプ場へ 3700フィート 峠越えの最高獲得標高更新

2014年8月5日

晴れてるよなぁ。何で晴れるんだろうなぁ。晴れ男って何なんだよ

 ローローマイキャンプ場を9時半に出発してコットンウッド方面へ向かいました。「天気は快晴だが空気は冷たいな」3350フィートまで下っていきます。最近は身辺が怪しいため、警戒しています。

 今日はコットンウッドから西のプレスコットにあるキャンプ場を目指します。途中に峠越えがありますが、これがまた難所でした。





 コットンウッドが3350で、この峠越えの難所の最高地点が7023で、標高差3673フィート (1120m)です。かなりキツイですよ。一気には絶対上れません。峠越えの途中で行動食等で昼飯を食べるなどしないとハンガーノック起こします。私はリンゴ3個を食べました。結構腹一杯になります。

 昼飯の途中、上の方からロードのおじさんが颯爽と下って行きました。見た目は岩城滉一さんのようなダンディなおじさんでした。

 「まだか…まだ上るか…クソだな」

 峠越えの時は頭に血が上っています。俺vs峠の勝負ですから、少し汚い言葉が出やすいんですね。

少し走ってGPS確認という繰り返し。気持ちが切れている証拠だ

 7023まで登り切ると疲労困憊。プレスコットバレーという町まで下りますが、明日以降の走行を考えるとこの町で走行終了とはいきません。プレスコットのキャンプ場まで粘る。

 「あちぃあちぃあちぃあちぃあちぃ…」

 かき氷食いてぇーーーーー!!!自動車の騒音の中で叫んでみました。誰にも聞こえてないでしょう。もうキツイわ〜などと暑さにだれて下を向きながら走っていたら、地面に茶色い光る物が。1セント拾いました。なんだか急に元気が出始め、地面を見ながらグングン走っていきます。地面しか見えてません。光るものを見るたびにムッと反応します。


 ガス屋に飛び込んで1リットル炭酸とサンドイッチで放心休憩をして体を冷やします。ただこういう休憩をした後は脚が動かなくなります。ペダルを踏む脚が一層重くなりましたが、鞭打って進みます。

 ロ、Road Work…。あと少しでキャンプ場だというのに。しかも何だと。ちょうど今日から始まった工事だって?ツイてねぇなぁ。もう立ってるだけでキツいっす。はよ、はよ休ませてくれい。

 片側一車線のため交互通行です。待っている間に二人組のロードバイカーに話しかけられましたが、覚えてません。それにもう声が出ません。

 プレスコットから少し山奥に進んだ先にある政府系キャンプ場、White Spar Campgroundに到着しました。Feeは14ドルですので、小銭を作っておくことです。ATMでは何故か20ドル単位でしか引き出せないため、小銭を作るためには20ドル札で何か買い物をする必要があります。お金を使わせようという巧みな仕組みですねぇ。


 トイレとゴミ箱、ドリンキングウォーターがあります。ドリンキングウォーターがあるのでお茶を飲みたいだけ煎れて飲みまくり、暗くなる前に自炊して就寝です。寝る時は下着姿で寝袋に入らず寝始め、寒くなっても少し我慢してから寝袋へ入ります。体を冷やそうということです。

積算走行距離: 4294㎞

56日目【アメリカ】ローローマイキャンプ場へ 要警戒 怪しいパンと怪しい身辺

2014年8月4日

 どうも最近は身辺が怪しい。例えば私が道に止まって休憩していると対向に車が止まる。休憩を終えて走り始めてその車の横を過ぎると、動き出す。時にUターンして私を追い越す。その追い越しの速度も他の車より気持ち遅い。一度ならず、ここ最近は1日1台、2台こういう怪しい挙動の車を見かける。見られている…?

 ハイウェイ走行中に路肩に自動車を停めて、私に挨拶してくるのもいる。見かけたからといって、わざわざ路肩に停めてまで話しかけてくるだろうか?高速走行中のハイウェイなのに。人は自動車やバイク、自転車などの高速走行中には、停止することを億劫に思うものだ。だから赤信号になる直前の黄色信号の時にアクセルを踏み込んで通過していったり、もうじき青信号になると分かるとアクセルを軽く踏み始めてジリジリ前へ移動する。停止している事が耐えられない。早く走りたいという心理的作用がある。

 握手やツーショット写真を撮るのもいる。バイクレース参加中でもなし、素人の写真を?その撮った写真をどうするのだろうか?

 「通常の」反応としてはこうだ。自動車走行中に自転車旅行者を見かけても、やってるなぁとか、クレイジーだぜとか思うだけで通り過ぎる。時に車窓から声を掛けてくるのもあるが一言であって、軽い接触度である。これが通常。

 路肩に自動車を止めてまで見てきたり、ましてや降りて呼び止め、会話を求めてくる、握手をしたり写真を撮る。重い接触度である。「よっぽど」心惹かれるものが無ければこういう行動はしない。その者達の「通常ではない」心を、私は怪しいと見る。

 そして今回、更に重い接触があった。それも思い返せば怪しさ満点である。結論を言っておこう。パンは食べずに捨てた。

フラッグスタッフのホテル、Super 8。ここはワッフル焼き器の代わりに全自動のホットケーキ専門焼き器があります。ボタンひとつ押して1分待つだけ。焼けたホットケーキはコンベアで出口から出てきてお皿へポン。ハイテクなのか?ホットケーキを全自動…アメリカって…。なんかつまらんものを全自動化しているように思いますが、私だけでしょうか?

 フラッグスタッフからセドナへ向かう道中、危うくインターステートハイウェイに乗りそうになりました。側道の89A号線を行かねばなりません。

フラッグスタッフの南、セドナ方面89A号線下り道。

 マップにある通り、このグニャ道は心地良いですよ。箱根峠の下りを思い出しました。




 セドナに到着しました。綺麗な街ですねぇ。セドナは観光ツアーに組まれたりなどしていますね。グランドキャニオンへの観光拠点として最高と思います。自動車で3時間程度で日帰りも可能ですからね。

 さて、問題はここから。セドナからコットンウッド方面へ向かいました。ローローマイキャンプ場で野営するためです。その道中、道の先に自動車が停まっており、白人の痩せ型のオバサンが一人、私に手を降って呼び止めました。

 何か言っているようですがパンをあげると言っているようです。ビニール袋一杯に入ったパンです。フランスパン2本にベーグル4つくらいでしょうか。大量です。

 この後自転車旅行をしているとか、日本人だとかいつも通りの会話をして、彼女の名前やメールアドレスの書かれた名刺を貰いました。私の名前とメールアドレスを知りたいというので、教えました。まぁ名刺を貰ってますので、メルアド交換といったところです。これで別れました。

 この時点では怪しくは思っていませんでした。ただ、心の中のもう一人の私は色々なところを観察して記憶していたようです。後で私に見たものを教えてくれました (冷静になって思い返したという事)。

左上のフランスパンにカビが見える。他は問題なさそうだった

 ローローマイキャンプ場に着いて、貰ったパンを食ってみるかとカバンから出すと気が付いてしまいました。フランスパンの一本に青カビが生えていることを。

 カビている部分だけ切り落とせば食えるだろうと思いましたが、私の直感が警告を出し始めました。つまり、嫌な予感がすると。そこでもう一人の私が色々見せてきたわけです。記憶した事を。

 先ず、彼女の自動車の車内。雑然としていて整理されていなかった。心の整った人は整理整頓を心掛ける傾向にある。散らかっているということは、心が整っていない。彼女は心に悩み、苦しみほか何らかの歪んだもの、乱れたものを持っている。

 次に、大量のパン。フランスパン2本にベーグル4つ。通りすがりの見知らぬ自転車旅行者に大量のパンを与える。…解せない。「通常」ではない。カビていることから、焼かれてから数日経過している。消費期限を過ぎている。カビの生えている事は私がひと目で分かったように、彼女も知っていたはず。

 さらに、ビニール袋。パンは普通、パッケージされていない剥き出しの状態では紙袋に入れる。それもこのビニール袋には穴が空いていた。

 穴空きのビニール袋に消費期限切れのカビの生えたパンを剥き出しで大量に詰めたものを人に譲る。加えて前述したように、わざわざハイウェイ走行を中断してまで自動車を停めて、車を降り、手を振り、呼び止め、名前とメルアドを聞き出す。まずパンを与えてから聞いてくるというのは、聞き出しやすくするテクニックか?車内は雑然としており心が整っていないことが伺える…

 怪しい。怪しすぎる。このような考えに達したため、私は貰ったパンをすべて捨てました。ゴルゴ13は他人から貰った食べ物には簡単には手を付けない。私の思いが正しければ、ゴルゴ13を読んでいて良かったということです。冗談抜きでね。

 もし食べて美味しければそれで良しでしょうが、食べなければ何事もない。美味しいも体調不良も無いのです。何も無いのが一番。自分が口にする物は自炊か、確かな物だけがいい。人にはどんなのがいるか分からないから。見知らぬ人から突然もらった大量のパンなんて、捨てるに限ります。男性タレントがバレンタインデーに何処からともなく届く大量のチョコを貰う気持ちが分かる気がする。やはり、捨てるに限る。

 ちなみに彼女に教えた私の名前は既にネット上で公開されているもの、メルアドはフリーアドレスです。今のところこれと言って迷惑メールがあるだの困ったことは起きていません。彼女は単に善意であって、私の考え過ぎか?いや、大量のパンをあげるほど思い入れが強いなら、旅行頑張ってね程度の簡単なメールが来ても良さそうなものだが、何も無い。メールが来ないということからもまた怪しい。怪しさはアクションのあることばかりではなく、アクションのないことからも感じる。

 さて話を戻して、ローローマイキャンプ場は39ドルです。高ぇ!でもここに泊まる他ないし仕方ないですね。高いだけあってトイレがかなり綺麗でした。シャワー室も4つ用意されていました。WiFiの電波が弱いことが不満でしたが。

積算走行距離: 4203㎞

55日目【アメリカ】フラッグスタッフへ 豪雨の峠越え120㎞

2014年8月3日

国立公園内のレッドマウンテン

 グランドキャニオンのサウスリムからフラッグスタッフへは1日では行けません。峠越えを挟んで130㎞程あるからです。そこで私はフラッグスタッフまでの距離をわずかでも縮めるために、サウスリムから15㎞南にあるキャンプ場に宿泊しました。これより先にはキャンプ場が見当たりません。距離を詰めるのは15㎞が限界だろうと思います。

 という事は今日向かうフラッグスタッフまでは120㎞近くあります。小雨の中、Ten-X Campgroundを朝早く出発し、しばらくは下り道を快走しました。しかし降ってきましたよ。本格的に。

54日目【アメリカ】タサヤンへ グランドキャニオン脱出

2014年8月2日
見飽きない光景。アメリカは広い

 今日はグランドキャニオンのサウスエントランスから10㎞弱の所にあるTusayan (タサヤン、ツサヤンではない)のキャンプ場を目指します。走行距離20㎞というスーパーイージーなスケジュールです。

 マザービューポイントの横にはヤバパイビューポイントというものがあります。ここを観てグランドキャニオンとお別れです。

個人的にはヤバパイビューポイントが一番良い景色と思いました。

グラサンのある部分は日焼けしない


ヤバパイビューポイントにはミュージアムがある

 タサヤンのCamper Villageというキャンプ場へ行きましたが29ドル。高いですねぇ。WiFi・シャワーありで申し分無いのですが、節約したい。そこでタサヤンからさらに3㎞行ったところにあるTen-X (テンエックス) Campgroundという政府系へ行きました。10ドルでした。ドリンキングウォーターとトイレのみです。

 今日は20㎞しか走っていませんが、これで終わり。昼寝して自炊。日が暮れれば就寝というダラダラぶり。まぁ20㎞で終えたのには理由がありまして…

積算走行距離: 4020㎞

53日目【アメリカ】グランドキャニオン② サウスリムへ

2014年8月1日
晴れてる方がイイね

 私はホテルもキャンプ場も9時半に出発することになります。朝7時に起きて、ひげ剃りやその他身繕い、そして自炊と片付け・撤収。するとちょうど9時半になります。特にこの時間を意識しているわけでもなく、思うまま行動しているだけです。

 今日はグランドキャニオンDAYです。デザートビューからサウスリムまでの間には多くのビューポイントがあります。それらを巡ろうというわけです。終わりはサウスリムにあるマザーキャンプグラウンド。走行距離46㎞のイージーなスケジュールです。

朝起きると腹の調子が良くない。どうやらキャメロンのモーテルの水を生で飲んだことが原因か。加えて昨日はクッキーばかり食べていました (朝飯と行動食)。

 今日も天気は良くないそうですが、朝の晴れ間を利用してデザートビューをもう一度見に行きました。先ず行ったのはトイレ。キャンプ場で少し腹痛の原因を出しましたが、まだ残っていて辛抱たまらんのです。個室は混雑していて我慢、我慢…

 水による腹痛は長引くんですよ。出した後も何か気持ち悪さが残っています。いや、そんなことよりデザートビューです。撮りまくりましたよ。





 その後はビューポイントの表示のあるところの多くを巡って写真撮りまくりです。動画も撮ったので、犀の角動画アメリカ編をお楽しみに。


マザービューポイントのオーバーロック

オーバーロック②

オーバーロック③

落雷によって燃えた木がちらほら

 サウスリムのマザーキャンプグラウンドに向かいましたが15時でFull、埋まっています。パンフレットにも予約必至との旨が書かれていました。どうするか…

 しかしサイクリストは無関係でしょうかね。テントサイトを取れました。料金は6ドル。トイレとドリンキングウォーターがあります。シャワーは2ドルでした。25セント硬貨8枚必要です。ドリンキングウォーターはグランドスプリングスの水なので生で飲んでも大丈夫な美味しい水でした。

 昼寝をして自炊し、日が沈んだら寝る。テント生活は規則正しい生活です。午後9時には就寝ですからね。

 ちなみにWiFiはマーケットにあります。電波強度は弱いのですが、中央入口すぐ側のベンチの辺りが安定した強度を得られました。

積算走行距離: 4000

52日目【アメリカ】グランドキャニオン① デザートビューへ

2014年7月31日

来たぜ〜

 自炊ができないと食事が充実しません。ストア系のサンドイッチでは偏ります。こちらのサンドイッチは野菜少なめ肉多め。牛乳やフルーツ、卵があれば解決できるのですが。卵…携行したいですねぇ。

 今日は遂にグランドキャニオンへ突入します!イエローストーンを超えるThe アメリカの観光地。雄大でしたよ。

グランドキャニオンの東、キャメロンという宿場町から64号線でグランドキャニオン方面へ向かいました。直前のガス屋で自炊と行動食を買い込んで、いざ!

奥の山の更に奥がグランドキャニオン

 と思いきや自動車のオッサンに呼び止められて激励されました。「この先登るぜ」「Hahaha…」ツーショット写真を撮られ、別れました。

まだグランドキャニオン前なのにすごい景色。リトルコロラド川

 グイグイひたすら登っていきます。天候は不順。雷鳴とどろき、雨ポツリ。風は四方八方から吹いてきます。が、暫くして晴れてしまいました。ここ最近のグランドキャニオンの天候はコロコロ変わっています。

 登っている最中に10セント拾いました。アメリカではよくお金を拾います。これで合計41セント拾いました。ラスベガス行こうか迷いますよね。アメリカ来てから金運があります。


 グランドキャニオンのイーストゲートに到着しました。4000フィート後半から7500フィートまで登りました。筋肉疲労は少ないながら、エネルギー不足を露呈した登坂で苦しかったです。

 ゲートでは入場料12ドルを払いました。7日間有効です。グランドキャニオンの道路地図と、英字パンフレット、それから日本語のパンフレットも貰いました。各国語のパンフレットが用意されています。やはりイエローストーンより格上か。

 以下デザートビューからの景色です。曇のため良い景色ではありませんでした。写真では表現がなかなか難しいのですが、実際目の前にするともっと迫力あります。





髪型っ(笑)。だからヘルメットって嫌なんだよ

 デザートビューのキャンプ場は先着順です。Fee Boxは機械で、クレジットカードと現金両方での支払いができます。予めテントサイトを決め、サイトナンバーを覚えます。受け付けたサイトにはサイト近くのナンバープレートにレシートが貼ってあります。何も無い所に張りましょう。自動車のライセンスナンバーの入力を求められますが、自転車は「NONE」と入力してEnter。お金を払い、レシートを受け取ります。

 風が強い上にペグダウンができませんでした。初めて張り縄による固定法をやりました。夜中は雷雨で風がありました。張り縄、やっておいて正解でしたね。

積算走行距離: 3954㎞

【近況報告】1級時計修理技能士になっています【仕事・趣味・旅行】

もう自転車旅行から帰ってきて8年半も経つとは驚きで早すぎると思うし、一方で旅の記憶は少しずつ薄らいできており、この点で年月の経過を感じる。 だからこうしてブログとか、Youtubeに旅の様子を残してきて良かったなと思う。苦しいことばかりだったと思うが、今ではいい思い出。 さて現在...