自転車の革サドルならBROOKS(ブルックス)を使え!


【BROOKSの革サドルはどうなのか】
BROOKS (ブルックス)は英国の革サドルメーカーで、自転車業界で知らぬ者無しという老舗中の老舗です。革サドルは三角木馬に例えられたり、尻の皮が剥けて血が出たとか色々噂がありますがアテになりません。実際使ってみてどうなのかという体験のほうが信頼できる。


これは私が使っているサドル、BROOKSのB17 IMPERIALです。購入してからおよそ一年くらいで、風雨に晒されつつ私のお尻の形に変形しました。このサドルに跨る限りは、長距離走行でもお尻が痛くなることはありません。これは驚くべきことですが本当で、私のお尻に完璧にフィットしています。


【革サドルの良い点】
革サドルの良い点はお尻の形にフィットするという事です。革は成形性が良く、体や手足に馴染みやすいという性質があります。変形したサドルは言わば自分だけのエルゴノミクスサドルです。

加えて摩擦も少なく、たわみます。これらの事がお尻に痛みを起こり難くしています。また、気温の変化に強く、裂け難く、ほころび難く、この素材の強さは自転車旅行向きのサドルであると言えます。

過酷な環境に耐え、数十年保ってくれる。長く使い続けるほど快適性が増していく。


【革サドルの悪い点】
利点ばかりではありません。欠点は水に弱いということです。

雨天走行のある自転車旅行では、サドルカバーは必須です。また、濡ると熱に弱くなるため、ドライヤーで乾かしてはいけません。カビも生えやすくなるため、日陰の風通しの良い所に置き乾燥させます。ただ、多少濡れようがそんなものは問題になりませんよ。安物じゃないのでそうそう割れたりしません。

次に、一般的なサドルよりも重いということ。ロードバイク用のサドルは200~300gが普通ですが、革サドルは500g以上あります。昔のロードバイクで一般的だった革サドルも、今やただ重いだけのサドルになってしまいました。ですのでロードレースには向いていないでしょう。

さらに、長く使うことで自分のお尻との親和性が増してくるという利点がありますが、逆に短期間では慣れないということが欠点と言えるでしょう。買ったばかりの革サドルは固く、はじめのうちは辛いでしょう。これがいわゆる三角木馬などと言われているゆえんなのでしょう。

かなり強引な方法ですが、わざと水に湿らせて革を柔らかくした状態で自転車に1時間ほど乗ると、革が柔らかいのでお尻の形に変形させやすいです。推奨はできませんが、革サドルが硬くて痛くて長時間乗れないという人は、別のサドルを求める前に思い切ってやってみると良いでしょう。


【BROOKSの革サドルをおすすめする理由】
革サドルは他社製のものがある中、なぜBROOKSをおすすめするのかというと、質の良い物が、全国的に入手しやすく、ケア用品もセットでリリースされているということです。

専用のケア用品をリリースしているという事はとても大切です。末永く使ってくださいという心意気を感じるので、好感度が高いです。

入手しやすいというのは、例えサドルにトラブルを抱えても、自転車先進国に立ち寄れば必ず換えを入手できるということです。

質の良さというのは、BROOKSのサドルを手にすれば分かりますが、箱に紙で包まれて、カタログと取扱説明書とコラム記事とが丁寧に収納されています。特別なサドルであるという演出とともに、メーカーの誇りを感じます。こういうメーカーは半端なものを作りません。


【どのタイプを求めるか】
BROOKSのサドルは数種類ありますが、自転車旅行では普通、幅広のものが選ばれます。B17スタンダードが人気です。これを選んでおけば間違いないでしょう。

色は車体に合わせると間違いないですが、あえてBROOKSというブランドをもって目立たせるというのもアリでしょう。つまり、サドル単体で見れば革の風合いという点で茶色か黒色が無難なのですが、COLTというモデルの自己主張の強い青色やピンクをあえて選ぶというのもアリです。

最近BROOKSはC17 CAMBIUM (カンビウム)という、硬化天然ゴムとコットンキャンバスで作られたサドルをリリースしました。革じゃないというのは驚きですが、長期使用可というコンセプトは維持しているようですし、水に弱いという欠点やオイルケアを無くしている点で革サドルより扱いやすく、こちらの方が圧倒的に自転車旅行向きでしょう。

ただ、個人的には革のほうが経年変化という愛着、育てたという満足度を得られると思っています。

鋲の打ち方にも注目してみましょう。普通は鉄の鋲で固定されていますが、ワンランク上の高級品は銅の鋲が使われています。これがなかなかいい見た目なんですよ。



BROOKSサドル日本公式サイト


(追記:2016年5月4日)
近年の自転車旅行では、ブルックスのサドルを使うことに変わりはないのですが、サスペンション付きの革サドルを採用している旅行者が増えてきました。検討の余地ありと見えますね。




【番外:ほかの革サドルはどうなのか】
良いには良いが、少し高額。もう少し安い革サドルは無いのか。そこでブルックスじゃない革サドルで、ちょっと安いものにはどんな選択肢があるかというと、次の2つを見つけた。
  • GORIX(ゴリックス)
ゴリックスはこれといった公式サイトが見当たらないが流通はしているサドル。形はすごく良いと思う。

トラディツィオーネはあまり流通していないが日本の会社が作っていてちゃんとサイトがある。鉄の細身なフレームに合うパーツを作っているブランドで、その延長線上で革サドルも作っているようだ。1種類しかないが、悪くない。



他にこれらより安い革サドルはいくらでもある。あるが、革の張りをボルトで調整する機能が無かったりする。

この機能はサドルの鼻先裏に付いているのだが、安いものにはない。これがないと革サドルは伸び伸びになるので長期的に愛用できない。

ブルックスに匹敵するほかの高級革サドルだと、
の2つがある。

セレ・アナトミカは悪くないが、圧迫を開放するためにカットアウトされているので、ブルックスのB17インペリアル同様革の伸びは早めだろう。入手性を考えるとブルックスに分があるが、まぁどちらを使っても似たようなクオリティーで信頼できる。

ジル・べルソーはファッション的で細身。ロードバイクには良いが、自転車旅行ではあまり価値のない要素。

幅広で堅実なものがいいから、ブルックスかセレ・アナトミカ、ワンランク下のゴリックスかトラディツィオーネを選んだほうが良いだろうと思う。日本の公式サイトが見当たらないので、アマゾンのページをリンク先にした。そこそこ流通しているから入手性は良い。



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