自転車旅行のタイヤの選び方


自転車旅行で使うタイヤはどう選ぶべきか。タイヤに問題が起こると途端に走れなくなるから、長持ちするしっかりしたものを選びたい。ここでは26インチ、29er、700Cあるいはそのほかのサイズに関わらず通用する考え方を書いた。


【ポイント】
  • メーカー 
  • 劣化 
  • 頑丈 
  • 長持ち 
  • 耐パンク性能 
  • 太さ 
  • スリックとブロック 

【メーカー】

信頼できるタイヤを作っているメーカー・シリーズは、
  • シュワルベ マラソンシリーズ 
  • マキシス アーバン/ハイブリッドシリーズ 
  • パナレーサー アーバン/リブモ 

の3択になるかと思う。でも、安物でも分厚いならそこそこ走る。メキシコシティで1本960円で買った分厚い中華製タイヤは4000キロ走った。

しかしメデジンで買ったKENDAのSmallBlockという薄っぺらいタイヤは、1500キロでサイドウォールがバーストして、補修してどうにか3000キロ走った。分厚いタイヤのほうが良いだろう。レース仕様のタイヤを買ってはいけない。

つまり安物タイヤでも分厚いものを選べば問題ないわけだが、となると筆頭は中国のチェンシンタイヤ。ここは確かマキシスの親会社だったと思うが、価格のわりにまぁまぁ悪くない。上記3メーカーがないならチェンシンでいい。

シュワルベはマラソンかマラソンプラスか悩むが、普通のマラソンで十分。両方使った感じでは大差はないと感じた。


【劣化】
タイヤは紫外線に弱い。そのため、タイヤの予備を運んでいる自転車旅行者を見てもらうと分かるが、予備タイヤにテープを巻くなどして陽に当たらないようにしている。

その他劣化の原因は乾燥やほこり。何にせよ屋外に裸で放置しておくと劣化が早いので、使わないタイヤは紙テープでグルグル巻きにしておく。ガムテープだと陽に当たると粘着分が溶けるかなんかして、いざ使おうと剥がすとタイヤに残ったりする。


【頑丈】

バースト箇所にパンクパッチを裏表両面に張って補修。

頑丈なタイヤだとバースト(破裂・破け)しにくい。長距離走るとタイヤはどうしても削れて薄くなるし、劣化もしてくる。そこに最後の一撃とばかりに角やとがった石に擦るとかすると破ける。

バーストする部分はタイヤの側面(サイドウォール)がほとんど。だから側面が強化されているタイヤがいい。

メーカーで呼び方が変わるが、サイドウォールの強化材はスネークスキンとかいわれている。それからバーストはサイドカットとか呼ばれている。このあたりの呼称でメーカーサイトを調べるといい。

シュワルベマラソンは案外サイドウォールが弱点だったりする。ただしシュワルベがダメなら他のタイヤもダメなので、サイドウォールの弱点は大した問題ではない。


【長持ち】

タイヤ1本で何千キロも走れるもののほうが、交換の手間が少なくていい。有名どころだとシュワルベのマラソンシリーズ。マラソンの名の通り、数千キロは普通に走れる。

マラソンは7000~15000キロ走ると言われる。これは荷物の量によって変わる。軽ければ1万キロ以上走るだろうし、重くても5000キロは確実だろう。

どんなタイヤでも長持ちさせるポイントは、耐摩擦性・耐候性のあるコンパウンド(素材)を使っているかどうかが50%。あとは単純に荷物を少なくするか自分がやせるなどして車体重量を軽くすることが50%とでも思っておけばいい。


【耐パンク性能】

バーストした自動車タイヤ。パンクの主な原因であるワイヤー片を車道にばらまく。

耐パンクベルトという厚みのある板が仕込まれていたりする。これがあればパンクしないというわけではないが、無いよりはいい。

あればそれだけタイヤ重量は増してデメリットになるわけだが、あまり速度を出さない、疲れたら休憩すればいい自転車旅行では、最高・平均速度を追求することもないし、加速性が悪くなろうがそれは大した問題ではない。


パンク修理中。

パンクすると面倒だから、少しでもパンクしにくいタイヤを使う。それから長持ちの点からしても耐パンクベルトはあったほうが良い。だから使う。ホイールという回転体の外側が重くなろうが、パンク防止の点からするとあまり重視して考えなくてもいい。

ちなみに、自転車旅行におけるパンクの多くは舗装路で起こる。破裂した自動車タイヤのワイヤーを踏み抜くことでパンクする。このワイヤーは鋭く、耐パンクベルトでも防ぎがたい。その他、植物のトゲも固く鋭い。ガラス片は何度も踏むとタイヤを浅く裂き、その裂かれた隙間に入り込むと、路面で踏み押された勢いでパンクを起こす。

ちなみにシュワルベマラソンは長距離走行を売りにしているのであって、耐パンク性能はそこそこあるが過信しないほうが良い。マラソンシリーズでも普通にパンクはするから、パンクしないタイヤなどというのは誤り。前述したとおりサイドウォールが弱点だったりする。路面との接地面よりも先にサイドがバーストする。


【太さ】
積載する荷物の量が多いなら2インチ以上を使いたい。少なければ1.75インチか1.5インチか、そのあたりでいい。でも未舗装路では太いほうが安定しやすく走りやすくもある。


【スリックとブロック】
スリックタイヤとブロックタイヤとで何か違いがあったかというと、舗装路を走る分には何もなかった。空気圧さえ高ければ、転がり抵抗に大きな違いは感じなかった。未舗装路ではブロックのほうが走りやすかった。

ではどんな時でもブロック履いて高圧に入れておけば無難かというと、ブロックタイヤの多くは耐パンクベルトが入っていないか薄いかだから、パンク防止の点からするとスリックのほうが選択肢は多い。

自転車旅行の行程の90%が舗装路だと言われている。未舗装路をスリックで走ることはできなくもないし、どのみちどんなタイヤを履こうが未舗装路は走りにくい。

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