2014年8月13日
入国を終えてすぐ、銀行の前で |
下手な因縁は残さず綺麗さっぱりとしないと、後々に支障をきたすことになるわけで、これが人生の難しいところですね。「まぁ良いか」という名の怠惰にはくれぐれも注意すべきです。一度生じた因縁は結果を見るまでは消えないそうですから。一期一会が勝負というわけです。
ここからですよ。ボーダーへ向かって道なりに進んだらカスタムのゲートをくぐりました。手招きで呼ばれたので行くとメキシコの管理官。ゲートで荷物検査をされて、別室でツーリストカードを書きました。支払い用のレシートを受け取り指示された窓口で手数料を払い、別室に戻るとツーリストスタンプを押されました。180日有効で、手数料は25ドルでした。外に出るとそこはメキシコ。
「…え?アメリカの出国審査は?あれ?どういうこと?アメリカのツーリストカードの半券を返さないといけないんだけど…」
メキシコの管理官にツーリストカードの半券を返さないといけないんだがと伝えても、アメリカに聞けとそれだけ。まぁそりゃそうだ。でも俺もうメキシコに居るけど。どうやってアメリカに行くのよ。
ツーリストカードの半券にはこう書いてある。
「アメリカを出国する際にはこの半券をアメリカの管理官に返すこと。これを怠ると将来アメリカ入国の遅延の原因になる可能性があります」
当初はこう考えた。「あくまで可能性だからな。まぁ後のことはともかく先へ進もう。半券は保管しておいて、取り敢えず忘れよう」
ノガレスセントロを離れると路面は綺麗 |
銀行でメキシコペソを降ろし、先へ進みます。ノガレスの街の路面はデコボコです。皆さんが想像する以上にデコボコです。人も車も入り乱れて動いていて、道も狭い。よくもまぁ事故が起こらないもんだ。街並みを見る余裕なく、自動車と路面ばかりが目に入ります。
今日の予定は行けるところまで行って適当なモーテルに泊まるということ。ノガレス郊外に出ると綺麗な路面。グングン進んでいきます。しかしやはりツーリストカードの半券のことが気になる…。このままでいいやとも考えましたが、
「半券を返していないということは、アメリカにすれば俺はまだアメリカにいると思うということか。このまま妙な因縁を残すのは気持ちが悪いし、アメリカも出入国の手続き上うまくあるまい。戻ろう」
ノガレスから27㎞走ってきました。でも今ならまだ戻れる。「まぁいいか」と「いやダメだろう」の葛藤の中走ってきましたが、怠惰の罠に気がついたのが幸運でした。危なかった。
途中でパンクしながらも何とかノガレスのメキシコ側カスタムに戻ってきました。そこでまたメキシコの管理官にツーリストカードのことを聞くと当然、アメリカに聞けと。そこでアメリカ側のオフィスへはどう行くのかと聞いたところ、手数料支払い窓口の右奥の先がそうであると教えられました。初めから向こうのアメリカのオフィスに行けと言ってくれたら良かったのに。聞かなかった俺も悪かろう。
そこでついに会いたかったアメリカの管理官に会えました。
「俺はそこのゲートを通ったがツーリストカードを返していない。俺はツーリストカードを返さなきゃならない (I'd like to return this.I through the gate, but I don't return the green card to usa.)」
正しい英文かどうかは分かりませんがちゃんと通じ、パスポートから半券が取られました。( ´ー`)フゥー...目の上のたんこぶが取れたとはこの事。これで心置きなくメキシコを楽しめるぞ。
自転車はガレージに。このすぐ横に部屋がある |
国が変わるごとにお金の種類を覚えなくてはならない |
再びノガレス市街のデコボコ道を走り、この日はノガレスから20㎞先に見つけたモーテルに泊まりました。建物からして高級そうでしたがまさにそうでした。570ペソ。日本円にして4500円くらい (2014年8月現在)。メキシコでは標準的な、安宿とは言えない所ですがここしかないので仕方ありませんね。スペイン語の本片手に宿泊交渉しました。WiFi無し。
ツーリストカードの半券の返却という制度と怠惰の心に振り回された一日でした。今思い返してもアメリカの出国審査はどこにあったのだろうか?何とも緩いボーダーだ。アメリカの出国審査無しでメキシコに入った自転車旅行者は私が初ではないでしょうか?
治安上の不安は特に感じませんでしたが、物乞い風の連中はうろついていて、私も何か言われましたがスペイン語さっぱりなので無視しました。バンクーバーにも居ましたね。こういうの。
今日はタコスを食べる余裕がありませんでした。メキシコは美味そうな匂いだらけなので、明日は必ず食べたいですね。
積算走行距離: 4929㎞
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