49日目【アメリカ】マーブルキャニオンへ 疲れちまったよ俺は2

2014年7月28日

岩壁のすぐ脇を走る。迫力大だ

 グランドキャニオンのノースリムへは行きません。天候不順だからです。昨晩も雷雨で未明まで雷が落ちていました。加えて私自身の疲労もあるため、更に登るノースリムへ行ける状況に無い。

 もし朝起きた時に雨天ならここ、ノースリム入り口にあるKaibab Campgroundで連泊すると決め込みました。そして朝。晴れているので先へ進みます。マーブルキャニオンという所に政府系のキャンプ場があるのでそこで連泊することを目指します。

自炊をしてさぁ出発と時計を見ると10時半。結構ゆっくりしていたんですね。

 結論から言えばマーブルキャニオンまでの道はほぼ下りです。4000フィート以下まで下ります。ちなみにKaibab Campgroundは7900フィートです。1000m以上降りるというイージーなコースです。


深さ20mほどのミニグランドキャニオン。これだけでも形成に何年掛かるのか


 始めは森の中を進みますが、視界が開けるとそこはグランドキャニオンの世界です。地層が露わになった岩山の迫力。起伏も緩やかでフロントアウターで回せますが、私はインナーでしか回せません。ですが、3時間弱でマーブルキャニオンまでの70㎞を走ってしまいました。

 さて目的のキャンプ場、Lees Ferry Campgroundへ向かいましたが、Fee Boxが機械で、クレジットカード払いのみです。カードが通らず、まぁとりあえずキャンプ場へ行って払えと言われたらキャッシュで払おうと考えて先へ。

 下っていく。それもキャンプ場まで何キロあるのか。長い。長過ぎる。途中で行くのを諦めました。と言うのも、私はマーブルキャニオンで連泊後にキャメロンというところまでの120㎞走行を予定しており、その出だしがこの道を引き返すところから始まるというのは、酷だからです。

 一度下った道を引き返すのは苦しい。シールは貼るのは簡単だけど、剥がすのは難しいのと同じようなもんです。結構な傾斜の道を引き返し、汗だくで89A号線に戻りました。

 マーブルキャニオンにはLodgeがあってここで連泊するかとレジスターへ向かい雰囲気を伺いましたが、泊まれそうにない。それにこういう所は一泊100ドルは取るでしょうな。観光地料金というものです。

 さてどうするかねぇ…。キャンプ場無理、ロッジ無理となると泊まるところは無いな。いや、待て。4マイル戻ったところのVermilion Cliffsという小さい町にMotelの看板を見たような。戻ってみるか。

 登りのアップダウンを戻り、モーテル発見。ここで2泊と決め込んでチェックイン。1泊62ドル。テレビ無し、WiFi無し、電話の電波無し。何も無い宿ですがこういう所もたまにはいい。

ソーセージとジャガイモのスープパスタと、ナポレターナコーヒー

 部屋の前は広場になっているため、ストーブをおいて自炊。ここからキャメロンまでのおよそ120㎞は全力をかけねば到達不可能。荒野の一本道で休憩所はガス屋が一軒あるのみの日陰無し炎天下。水はサイクルボトルとあと他2リットルのみにして、持っている食材は自炊で極力減らす。軽量化して、尚かつ連泊による体力回復を組み合わせないと乗り切れない。

 明日はマーブルキャニオンのストアへの買い出しの他は何もしない。引きこもって食う寝るのみ。

積算走行距離: 3768㎞

48日目【アメリカ】カイバキャンプ場へ グランドキャニオン ノースリム入り口

2014年7月27日

ユタ脱出、アリゾナへ

 今日はKanab (カナーブ)のHitch-N-Post Campgroundから、グランドキャニオンのノースリム入り口にあるキャンプ場を目指します。89A号線を行きます。

 ここで少し脱線して、私のキャンプ飯ノウハウが確立されてきたので紹介します。

  • 食事後に鍋に残ったソースなどはパンで拭き取っとやればいい。洗う必要のないくらいに綺麗になる。
  • ジャガイモやソーセージなどの茹で汁は捨てずに、パスタの茹で汁か米炊きの水として使えばいい。そのパスタの茹で汁にはブイヨンを溶かしてスープにする。こうすれば水の使用量を少なくできる。
  • パスタは3割程度の茹で加減で火から降ろして、あとは余熱で茹でる。お湯に浸かっていれば麺は水を吸うから、茹で時間分火にかける必要はなく、ガスの節約になる。
  • パスタ、米、ジャガイモと茹で炊きの物が多いなら、全部ひとつの鍋でやってしまえばいい。鍋にお湯を沸かしてジャガイモとパスタを茹で、そこに米を入れて炊く。洗い物が少なく、ブイヨンでまとめて味付けしてしまえばいい。
  • 火にかけるものは予め用意して、順次かけていく。ガソリンストーブは始動の余熱に小さじ一杯分の燃料を使う。何度も付けたり消したりせず、始動一回で全ての調理を終えるようにすると、ガスの節約になる。
  • 食料に果物は必須。おすすめはリンゴとオレンジ。両者ともに熱・振動に強く、日持ちする。リンゴは皮付きで食べると抗酸化作用を得られ、日焼けに良い。青リンゴのほうが酸味もあるし、疲れた身体が欲しがる。オレンジはジューシーで飲み物のようである他、表面の厚皮を剥いて中の薄皮は剝かずにそのまま食べる。薄皮は食物繊維になる。
  • タンパク質は肉が良いが、持つ物はソーセージかベーコン。要冷蔵品だが、常温でも3日くらいまでなら日持ちする。生肉は購入当日に食べないと、食あたりする。
  • 紅茶や緑茶のティーバッグは必ずしもお湯で入れる必要はない。寝る前に水出しでセットして一晩置けば、翌朝にはできている。ただの水を飲むより充実度が違う。行動用の水ボトルに仕込んでも良い。炎天下の走行ではサイクルボトルの水は生温かくなる他、走行の振動も相まって茶葉からの抽出が進みやすい。

 キャンプ場を出発して先ずはGlazier's Family Marketの自販機で50セント炭酸飲料を飲みました。この先10㎞にあるFreedonia (フリードニア)という町以降はストアは皆無です。しばらく飲めなくなるのでここで飲んでおきます。

アリゾナは俺に何を仕掛けてくるか…いざ!突入

 相性の良くなかったユタ州を出てアリゾナ州に入りました。The アメリカの荒野といった風景が広がっています。ここから森林公園入り口までは緩やかに登っていく様に見えてそこそこの傾斜があります。広い荒野を走る際の錯覚です。平地が登坂になっています。標高の表記が上昇していきます。


5000か。いつの間に

6000か。まぁまぁ登ったな

7000?まだ登るのか…

雷鳴轟く

 グランドキャニオン側には雲が沸き始めました。天気予報ではこれから数日間は確率40%で雷雨という状況が続くそうです。

 Kaibab Forestの入り口 (6000フィート)から10㎞で7000フィートを越えます。以降も登り続けて峠を越えると、総じて標高を変えずにアップダウンを繰り返す道に入ります。辛抱強く進んで行きました。最終的に7900フィートまで登りました。

 ようやくノースリムへの分岐である67号線が見えました。この67号線から脇道に逸れると本日の目的地、Kaibab Campgroundに到着です。が、この脇道は砂利道でキャンプ場入り口まで1㎞続きます。

ペグ打ちはしにくいが張りやすい方

張り縄をテント内のランタンリングに通せば干し縄になる

 料金は18ドルです。WiFi無し、シャワー有料。高いですね。シャワーを浴びようと裸になってノブを回すけれど水が出てこない。よく見るとコイン式で2.25ドル!25セント硬化何枚必要なのか。1ドルと5ドルが硬貨ではないなんて不便な国ですよ。

 キャンプ場のストアにはロクな物がないので、砂利道を我慢して89A号線へ出て、近くにあったガス屋へ向かいました。が、そこはストアになっておらず、自動車の修理場でした。仕方ないので再び砂利道を走ることに。

 こういう時はもう自炊をして暗くなったら寝ましょう。

積算走行距離: 3683㎞

47日目【アメリカ】カナーブへ 景色が凄いことになってきた

2014年7月26日


 Bryce Zion Campground。朝起きると空は曇天で、ポツポツと降ったり止んだり。これまでと違うのは曇天であるということです。快晴が常だったアメリカ旅で変化を感じます。パンギッチから変わりましたね。あの町は私に何らかの変化をもたらしましたね。

 キャンプ場からは23㎞下り一辺倒というイージーなスタート。寒いのでレインスーツの上着着用です。

 下りきった先にあるガス屋のストアで軽めの食べ物を腹に詰め込みました。ここから峠越え開始です。

 平均傾斜6%くらいで登ります。2㎞ほど登ると自動車のオッサンに応援されました。この坂は6.5㎞登るので、こういう応援は力になりますね。と言っても、この峠までほぼNoペダリングで来た私には疲れた体でもイージーです。

 峠の標高は6100フィート (1830m)という事でまずまず。獲得標高はおよそ300~400m程度なので、ロードバイカーにはウォームアップ程度でしょう。


岩の板が重なっている

 この峠を越えると景色が一変し、いよいよグランドキャニオンぽくなってきました。地質が変わったといいますか、岩の色が急変しました。ここ最近景色を見ても何とも思いませんでしたが、久し振りに良く見えました。

ショップ入り口

トイレ

 モキ洞窟というものが道沿いにあって、何か文化遺産的なものかと思ったら、何てことはありませんでした。ギフトショップになってました。

別世界に来たような急変ぶり

 カナーブに着くと日が照って暑くなりましたが、ここで走行終了。Hitch-N-Post Campgroundにチェックインしました。20ドルです。テントサイトは木片を敷き詰めた張りやすいところで、WiFi電波強め、シャワー付きです。ランドリーに行くと20台ある洗濯機が全て埋まっていました。いやぁ、全部埋まっているというのは余程ツイてないんだな。

 近くのスーパーGlazier's Family Marketへ買い出しに行きました。ここの入り口近くに設置されている自販機は、50セントで24オンス (700mlくらい)の炭酸飲料を売っているので注目です。大抵安くても65セントで350ml缶なので、お得で有り難いスポットです。

 明日はグランドキャニオンのノースリム入り口にあるキャンプ場を目指します。

積算走行距離: 3620㎞

46日目【アメリカ】ブライスザイオンキャンプ場へ 予定外

2014年7月25日

 10日走ったら連泊するというのが私の目安。アメリカに入って連泊したのはリビングストンのキャンプ場。もうあれから2週間は経つだろうか?疲労も溜まっているため、いい加減連泊する場所を決めたい。

 現在パンギッチに居ますが、当初、この町で連泊すると決めていました。しかし検討の結果、グランドキャニオン手前の街、Kanab (カナーブ)までの100㎞を3日に分けて走ることにしました。理由は「パンギッチは違う気がする」。連泊する街は雰囲気が合わないといけません。自分を受け入れてくれる雰囲気を持っているかどうか。街というのは生き物なんですよ。

パンギッチを出るといつも通り登っていきますが、傾斜が少し急になりましたので、峠が近いかもしれません。軽い頭痛が残っているせいか、写真を撮る気になれず申し訳ありません。文章のみです。

 風が強く、雲行きも怪しいです。日差しがないことが幸運。ポツポツと降られ、遠くの方では雲の下が霞がかっています。向こうでは降っているようです。しかし私は晴れ男。上手く雨の間を抜けていきました。

 30㎞程走って今日のキャンプ場が近くなってきました。ただ、最近ツイてないのかあるはずのキャンプ場を見過ごしてしまいました。どこにあったんだろうか?地図には確かにあるのですが。

 結局、辛い体に鞭打つこととなり、峠越え1つ。越えたすぐ先のガス屋で休憩しようと近づくと、ここでオバちゃんに「Wow.」と声を掛けられて話すはめに。早く休みたい状況ですが、声を掛けられるのは嬉しいもんです。写真を撮られてサヨウナラ。

 ガス屋のストアでTruMooとサンドイッチを買ってベンチでのんびり食べ、坂を下っていきます。そして予定していたカナーブまでの3日間の内、2日目に来るはずだったBryce Zion Campgroundに初日に到着しました。

 急かされている気がする。100㎞を3日で行こうとすると2日にされる。今日ここにいるということは、明日カナーブです。イージーなスケジュールだったはずなのですが。

 以前の走行歴を見てもらえば分かりますが、予定外に走らされたりなど「日程やペースを調整させられている」気がします。急げば向かい風が強くなったり、ゆっくりすれば雨雲が追ってきたり。気のせいか…?

 さて、受付のやる気無さそうなネェちゃんを相手にチェックイン。25ドル。少し高いですが、WiFiの電波ギンギンで綺麗なトイレとシャワー付きなので悪くない方です。

 夕飯を作っていると雷雨が来ました。テントがバタつき始め、ハードな展開になるかと覚悟しましたが、すぐ止んで風も収まりました。さすが晴れ男。

積算走行距離: 3568㎞

45日目【アメリカ】パンギッチへ 閃輝暗点と強風

2014年7月24日

命の池、パイウート

 ユタ州パイウート貯水池キャンプ場。昨日の水無しピンチを乗り越えて翌朝、どうにか生きていた完犀。脚の状態で疲労度をチェックできますが、歩けないこともなく疲れやすいものの、まともな状態には戻せたようです。

 チャイティーとパン、クッキーで軽く済ませて、居心地の悪いこのキャンプ場から出たい。それに朝方の涼しい時に動きたい。今日は引き続き89号線でパンギッチという町を目指します。

44日目【アメリカ】パイウート貯水池キャンプ場へ 死神が見えた日 水が無い!どうする…

2014年7月23日

干上がった川

 先ず、死ななくて良かったということ。ひらめきが無ければ、翌朝はとても危険な状態にあり、生死を問わず今頃は病院にいたでしょう。

 ひらめきですよ。これこそ諸々の不運を払拭し、死神を遠ざけたのだと思います。そしてキャンプ場の立地も幸運だった。とても幸運だった。

サライナのバッチカシディキャンプ場を出ました。自炊で腹を満たして、水や食料を軽くして臨みました。と言うのも、連日の厳しい走行で疲弊しているため少しでも楽に走りたいということ、そして今日はモーテルに泊まると決めていたからです。

 サライナを出る時に自転車旅行者に会いました。軽く挨拶して別れましたが、居ますねぇ。こんな何も無い所にも。

 道は89号線を行きますが、インターステートハイウェイと重なっていて通れないため、側道のローカル道を進みます。

 相変わらずの炎天下と向かい風。この日はこれに加えてRoad Workが2度続いてストレスでした。そこでリッチフィールドやモンローといった町を通過する度に炭酸飲料でリフレッシュ。

 地図を見るとSevier (サビー)という所でちょうど走行距離が60㎞程になるため、そこで走行を終えようとモーテルを探しましたが何もありません。ザビーには89号線のジャンクションしかありませんでした。名前の出る場所には大抵町があるものですが、ここには民家があるだけ。

 仕方ないのでインターステートハイウェイと離れた89号線で次の町マリーズベール (Marysvale)を目指しました。


 この街へ至る山道はほぼ平坦で、途中までサイクリングロードがあります。サイクリングロードの終わりにモーテルがあったので、ここで良いかとオフィスを探しましたが見当たらず。マリーズベールまであと少しだし、まぁいいかと先へ。

 肝心のマリーズベール。もう疲れが限界で気持ちが切れています。モーテルが2、3軒ありますが、Close。どういう事だ。泊まる所が無い。ここから10数キロの所にあるパイウート貯水池の湖畔にユタ州経営のキャンプ場がある。何とかそこを目指すしかない。

 最小ギアでしか転がせない体力の上に、向かい風は強いし、日差しもキツイし、おまけに結構なアップダウンときた。根負けしまくって度々休み、ボウっとする。意識が遠のきそうだ。

 どうにかキャンプ場 (8ドル)に着きましたが、施設はトイレのみで息をしたくないほど臭く、深砂で走れず、テントサイトは石ごろごろで最悪。少し動けば息切れする中で石をどかし、何とかテントを張って、寝転がる。もう動きたくない。こんな中を98㎞も走ってきたから。

 しかし暑く、汗が吹き出し水を飲むが、もう水が無い。日の入りまであと数時間あるし、日の入り後に気温が下がるまでにもさらに数時間かかる。

 自炊をして何か食べるにも水が要る。自炊無しで食える物はクッキーと食パンだが、乾燥した空気でカサカサで、口に入れて咀嚼しても飲み込めない。

 翌朝まで持たない。そう直感が警告している。絶体絶命。

 いや待て。落ち着け。ここは貯水池湖畔だったな。貯水池の水しかない。起きろ!水を汲んで来い。それしかない。水汲みに全力をかけるしかないぞ!

少し濁っている
別のコンテナにタオルで濾し入れる

 フラフラしながら水汲にいく。あぁ、思いの外遠い…。2.5リットル汲んできて、この水をタオルで濾して大きなゴミを取り除く。後はMSR Mioxで浄化してやれば30分で飲料水になる。

 水を得られるという事実から少し元気が出ました。この水で少しお粥状にしたコメを炊きました。疲れていて食べるのも億劫で、休みながら食べて腹に詰め込みました。チャイティーも沸かして、これにカサカサになった食パンを浸して食べ、クッキーは咀嚼後、紅茶で胃袋に流し込みました。

 一命を取り留めたと言っていいでしょう。九死に一生を得ました。寝袋に包まる頃には意識はシッカリしてきました。後は翌朝どのような身体の状態か…

積算走行距離: 3442㎞

42~43日目【アメリカ】ニーファイ、サライナへ 華氏105° (摂氏40°)

 2日分をまとめました。辛い走行が続いているため、淡白な記事です。

2014年7月21日
プロボからニーファイへ

 プロボのSuper 8で朝食を食べるが、炭水化物ばかりです。パン、シリアル、ワッフル、フルーツジュース。唯一、シリアルにかける牛乳がタンパク質と言えるでしょう。

乾燥した大地

走行はいつも通り、炎天下、向かい風と緩い登坂。毎日辛い走行です。炎天下にも慣れつつありますが、身体を冷やしたい思いはありますから、スプリンクラーを見ると浴びたくなりますね。

 空気が乾燥しまくってます。鼻の奥の粘膜が痛いのと、補給食用のクッキーがカッサカサになって、口に含むと唾液を奪い去って飲み込めません。そこい等の草1つに火を付けたらあっという間に燃え広がりそうです。山火事の危険レベルは高そうです。

 特にコレという事件も無く、Nephi (ニーファイ)のキャンプ場に着きました。ここのキャンプ場 (Jones High Country)は優良です。WiFi、シャワー、ランドリー (25セント4枚)、虫少なめで1泊15ドルです。トイレも綺麗で、自販機 (50セント)もあります。

 ランドリーでジーンズを洗い、シャワーを浴びてスッキリし、自炊で腹を満たして、就寝。

積算走行距離: 3255㎞


2014年7月22日
ニーファイからサライナへ


 朝飯はコメの方が良いですね。やはり腹持ちが良い物を朝に持ってくるわけです。晩飯は疲れから消化しやすい物を食べる事が基本です。

 最近分かったことは、風は気温が上がると強くなるということ。朝方と夜は強くないですね。この日は9時半頃に出発しました。風はあまり強くなく、汗が引いていく程度のちょうど良さ。昼頃になると強くなりました。

 進みにくい辛い走行はいつも通り。しかしこの日は暑い。とにかく暑い。街の温度計を見ると華氏105°。セルシウスで言うところの40.6°です。これは運動を控えるレベルであり、自転車旅行なんてハードワーク、尚更やってはいけません。

 にも関わらず本日の目的地であるSalina (サライナ)のキャンプ場 (Butch Cassidy)に到着しました。走行距離は89㎞。このような日にこんなに走ってはいけません。60㎞前後で終えるべきです。


 最近、キャンプで楽しみにしているものはコレです。Stashのチャイですね。スパイスが色々入っていて良い風味で、砂糖をコッテリ入れて飲むととても美味しいです。価格はリプトンの紅茶の倍しますが、私はキャンプ生活の充実を重視しているので、キャンプ素材の食べ物・飲み物にはお金を掛けます。

 バッチカシディにはWiFi、シャワー、ランドリー、グロサリーストアがあります。シャワーは着いてすぐと寝る前と2回浴びました。身体を冷やしたいので水シャワーです。WiFi電波はオフィス周辺でないと厳しいです。テントサイトまでは飛んでいませんでした。

積算走行距離: 3344㎞

41日目【アメリカ】プロボへ 風・太陽・登り・パンク・回り道

2014年7月20日

ソルトレイクシティの街並み。背後に大きな山がそびえる

 ソルトレイクシティのサンディ地区にある私の御用達ホテル、Super 8に宿泊しました。朝起きると脚の疲労が半端ない。明らかに前日の峠越え2連戦が原因でしょう。

 朝食会場に行くとテーブル席が埋まっていて座れない。また、ワッフルを焼く機械があってそこは常に人がいる。さすがワッフル。Super 8ではワッフルが人気なのだ。あの~、俺もワッフル食いたいのだが。結局食えず、誰も手を付けていないリンゴを2玉部屋に持ち帰って食べました。不味い…。これは恐らく数日放置されているリンゴであろう。ゴミ箱にインしました。

今日はソルトレイクシティから南にあるプロボへ向かいます。概算の走行距離は60㎞程度とイージーなスケジュール。しかしここはアメリカ。油断大敵です。


 やはりな。緩やか~に延々登っていきます。アメリカの道は基本登りです。加えていつものように炎天下で向かい風。さらに結構な頻度で遭遇するRoad Work。Detour (回り道)させられます。

 ユタレイク付近ではパンク。何か走行の感触がおかしいと思い、リアタイヤをチェックすると石が挟まっていたので取り除くとプシュー。空気が抜け始めました。直接の原因は針金でしたが、刺さったままでパンクは起こさなかったわけです。ところが石がとどめを刺しました。刺さった針金をグイッと押し、パンク。こんな事って。

 ちなみにパンクは既に3回やっていますが、全てリアタイヤで、原因は針金です。また、タイヤを見たらトレッドパターンがだいぶ削れていますので、ロサンゼルスで要交換でしょう。さらにカナダでは道路工事をConstructionと言いますが、アメリカではRoad Workです。加えて泥除けの固定ネジが1箇所無くなってました。各部の増し締めをしたら緩んでいる箇所が結構あったので要注意です。

 さて、30㎞走ってもう疲れてしまったので、コンビニで1㍑炭酸を買って一気飲み。炭酸の喉越しが疲れた精神を回復させるのです。また、炭酸飲料はエネルギーになりやすい印象。そして冷えた飲料はほてった身体を癒やしてくれます。

 向かい風に文句を思いながらプロボのSuper 8に到着しました。Walmartで晩飯を買ったので食べて終わりです。

 今日はハードな走行という印象しかありませんね。風は南から北へ、アメリカ入国以降毎日吹いてます。こんなに北ばかりに空気が移動して、南から空気が無くなるのではないだろうか?それに向かい風は360°どの方向を向いても吹いてくる不思議。ビルや山肌にぶつかって方向が変わり、南風が北風になることもあるというのか…

積算走行距離: 3179㎞

40日目【アメリカ】ソルトレイクシティへ 8900 & 9700フィート峠越え 2連戦

2014年7月19日

トレイルロード

 ソルトレイクシティの東50㎞にあるコールビルという町。この町のBlonquist Motelから9時半に出発しました。朝飯はWheat100%の食パンとリンゴ。この軽めの朝飯が今日の1つ目の失敗です。

 ヒストリックレールトレイルという道を行きます。未舗装の道がパークシティという街まで35㎞続きます。道はデコボコの砂利道。時速10㎞前後でガタガタ進んで行きます。

MTBのライドコースとなっている模様。29インチサスペンションのMTB集団とすれ違いました。この道はパークシティまで延々登りです。登りのオフロードの辛さったらもう…


 パークシティからはいよいよ峠越えです。ローカル190号線を行きます。ソルトレイクシティが5000フィートでパークシティが7000フィートですから、まぁ登っても8000までだろうと、パークシティから休憩無しで突入しました。補給食未購入と休憩なし。これが2つ目の失敗です。

大したことない傾斜に見えますか?貴方、苦労しますよ

 平均斜度10%超、最高15%の峠だそうです。この道造った人は鬼です。ユタ州のロードバイカーの間ではキツくて有名な峠越えだと知ったのは後の事。

 先ずは8900フィートのEmpire Pass。これを越えると少し下ってから9700フィートのGuardsman Pass。パークシティからGuardsman Passまでは10㎞ですが、突破に2時間半を要しました。

 パークシティから休憩無しで突入。直後、いやいや、登れないでしょこの傾斜。自転車から降りて押して登りました。風無しの炎天下で汗がダラダラ、車道に垂れて濡らしていきます。

下界にパークシティを望む。もう8000フィートくらいにいるはずだが

 「どうなってんのコレ。鬼だ。半端ねぇ。いつまでこの傾斜で登んのよ。8000?もう超えてるでしょ」

 自転車に乗れず押し続ける。ゼェゼェハァハァ(´Д`)。頭の中でマーヴィン・ゲイの「Stubborn kind of fellow」や「Hitch hike」を再生して楽しい気分にムリヤリもっていかないとやってられません。Empire Pass終盤には何故か北島三郎の「与作」が再生されたりと、だんだんおかしくなっていく。

 「ダッシャァァァッ!Empire越えじゃァァァァああ!!!ヤッターーーー」

 坂越えの途中、自動車の兄さんに「Are you OK?」と聞かれました。「お…OK.」と返しましたが、もうヤバイっす。頭の中で血の気が引いていくサァッとしたのを感じます。本当は「何か食い物頂戴」と言い返したかった。

 ここで地獄の囁きが。「Guardsmanあるよ」。終わった。もうダメだ。折角Empire登りきったけど、パークシティまで下ってそこで走行終了かなぁ…

 否!ソルトレイクシティに行く!絶対!だってホテル予約しちゃってるもん!

 頭は相変わらずサァッとしてますが、Guardsman Pass突入。50m歩いて休憩を繰り返していく超タフな状況。

 「Guardsman突破じゃああぁァァ……ァァァ…」

 結局自転車を転がせたのは1㎞くらいで、残り9㎞は歩き。完敗だ。呼吸法?重たい旅行車でこの傾斜では効果無いですね。ペダリングを持続できないですから。

 Guardsman Passのてっぺんは見晴台になっていて自動車がたくさん止まってます。私が登りきったウイニングウォークをしているとオジサンが呆然と私を見てました。恐らく、

 「野朗、あの自転車でここまで登ったのか?クレイジーだぜ」

 と思っていたに違いません。見晴台の写真は撮ってません。それどころではなくて、とにかくFoodを腹に入れないと倒れてしまいます。ソルトレイクシティまで27㎞下り一辺倒の間はフードストアしか探してませんでした。景色なんかどうでもいいんです。フードだよ!大事なのは。

 ソルトレイクシティ入りするとセブン-イレブンが。清涼飲料水とチョコスナックという、すぐエネルギーになるものを食べました。復活です。生き返りました。

 あとはWalmartで晩飯を買ってSuper 8 (ホテル)だな。ホテルがサンディ地区にあるため、ローカル190号線の終わりから結局15㎞走ることになりました。

 19時にチェックイン。これで長かった一日が終わりました。峠越えは情報収集して甘く見ないこと。補給食は必須。当たり前のことをおろそかにしたために地獄になりました。

積算走行距離: 3120㎞

39日目【アメリカ】コールビルへ まさかの未舗装と天気

2014年7月18日


 エヴァンストンのホテル、ハワードジョンソンで朝食をたんまり食べて出発しました。ホテル前の道はワサッチロードと言い、地図上ではこの道を行けばハイウェイの側道を走れそうです。

 しかし、暫く走っているとPavement Endの標識と共に未舗装の砂利道に。天気予報では嵐になりそうと言っていましたが、空は快晴。どうやら嵐はワサッチロードとそれ以降にありそうです。

砂利道が6㎞続いて苦労しました。以降は80号線ハイウェイに乗って快走しますが、嫌な予感。私の心が何か良からぬ雰囲気を察知しているようです。後で分かったことですが、このハイウェイはインターステートハイウェイであり、自転車走行できません。私は予感を信じて178番Exitで舗装の側道に降りましたが、あのまま走っていたら厄介なことになっていたでしょう。

Echo Road

 しかし、ハイウェイを走らないとなると、エヴァンストンからソルトレイクシティまではどう行くべきでしょうか。178番ExitからのEcho Rdは舗装でしたが、それまでの側道は未舗装でした。エヴァンストンの南から伸びているローカル150号線ですか。それでパークシティに出るしかないでしょう。


Echo Roadの岩肌は迫力がある

 今日の目的地であるコールビルに到着しましたが、目を付けていたBlonquist Motelのチェックイン時刻までは時間があります。そこでコールビルのシティパークで時間潰しの休憩をとりました。この公園にはパブリックWiFiがあります。

 15時にモーテルへ行くも管理人不在。買い物に行っていたようです。一泊52ドルでした。近くのフードストアで冷凍ピザを買って電子レンジで調理。下着姿でダラダラ過ごして終えたのでした。

積算走行距離: 3025㎞

38日目【アメリカ】エヴァンストンへ 早朝から峠越え

2014年7月17日

早朝の30号線。ノートラフィック

 ベアーレイク南にあるコットンウッドキャンプグラウンドは居心地が良くないため、自炊はグリーンティーを沸かすだけで、あとはそのまま食べられるパンやクッキーで済ませました。しかしどうにかしてトーストを食べたいということで、鍋にパンをちぎり入れて焼きました。

 早朝の出発です。今日は30号線で進み、途中からローカル16号線でエヴァンストンを目指します。

峠。遠くに雲海が見える

 いきなり峠越えです。傾斜7%7㎞という坂です。標高は分かりませんが、周囲にここより高い山はありませんでした。登り切ると10㎞下りです。いつものように向かい風で。

道路を横切るように補修の跡がある。通る度に車体がガタンガタンする残念な道。ストレスフル

広い広い。アメリカの荒野・草原

 ローカル16号線はだだっ広いつまらない道です。しかしWood Ruffという町を過ぎると、この広さが素晴らしい。アメリカですねぇ。

 この道ではハエにタカられました。服が臭くなっているし、ボロくなり始めています。新しい服が必要です。関係あるのか分かりませんが、リアハブのフリー音を鳴らすとハエがいなくなりました。どういう事でしょうか?私のハブサウンドはカンパニョーロ系の爆音です。

 エヴァンストンに着くとWalmartへ行ってシャツとパンツ、新しい上着と晩飯を買いました。靴下は10足パックしか無くて買いませんでした。こんなに要らないし、REIで機能性のある丈夫な靴下を買うほうが良いか。

 本日はホテル、ハワードジョンソンです。このホテル、泊まらない方がいいです。WiFiの電波弱すぎで、さらに電話の電波が無い!ここは山奥ですか?違います。町中です。朝飯があるという期待だけ持って就寝しました。

積算走行距離: 2962㎞

37日目【アメリカ】ベアーレイクへ 綺麗な色の湖

2014年7月16日

 アレッドフラットキャンプ場。昨晩来た野良猫が朝も来た。あの甘い鳴き声は同じ奴に違いない。生憎こちらは起きたばかりで自炊はまだです。あいつは昨晩と同じくテントサイトを巡っていた。

今日も晴れたか…

 今日は走行距離にして100㎞弱はあろうかというベアーレイクの南まで行きます。イエローストーンから継続して89号線を進みます。

先ずはSalt River Passの下り道が継続していきます。アメリカに入ってから下り道ではいつも向かい風が吹いています。簡単に下らせたくないようです。下りでもペダリングをしろと。Sです。北米の風はSです。


 モントピリアという街までには6900フィートの峠越えがあります。一方的に登って下る。アップダウンの無いイージーな峠です。

 モントピリアでは熊二体が椅子を支えているというユニークなベンチがありまして思わず吹いてしまいました。写真撮れば良かったな。

 ベアーレイクまでは30㎞ほど緩やかに登っていく道です。追い風に吹かれつつもただ走るのは辛い。しかしその憂鬱な気持ちはベアーレイクを見たら吹っ飛びました。



 この色は何だ。綺麗すぎる。

 画面全面に湖が映る写真を撮りたかったのですが、湖畔のベストポジションには家々が並んでいて撮れません。道を走る分には遠目に見るしかないのです。

 さて、いつも暑いですねぇ。こういう時はペプシをグイッといきたいのですが、自販機って北米では流行らないようですね。北米の自販機は1ドル紙幣とコインしか使えないんですね。それも紙幣を使える自販機は稀です。飲み物の価格は1.50ドルほど。硬貨で1.50ドルはハードルが高い。そんなに小銭は持ってないですよ。25セント硬貨6枚。持ってないですね。それに北米ではクレジットカード払いが主流なので、やはり小銭は持ってないですね。

 1ドルと5ドルが紙幣であることが自販機の流行らない理由でしょう。日本では硬貨ですから手軽なんですね。

 ベアーレイク南にあるコットンウッドキャンプグラウンドに到着しました。レジスターボックススタイルのキャンプ場ですが、ボックスとキャンプ場が離れていて、長い距離を往復させられます。というのも、レジスターの封筒にサイトナンバーを書かねばならないからです。先ず遠くのキャンプ場へ行ってテントを張るナンバーを確認して、レジスターボックスへ行って投函、そしてまた遠くのキャンプ場へという具合です。

 それにFeeが17ドルという中途半端な設定。10ドル紙幣と5ドル紙幣1枚ずつと1ドル紙幣2枚。Small Bills数枚が必要な価格設定は良くないですね。ここのキャンプ場は日陰も少ないし、良いキャンプ場では無いです。仕方ないので20ドル紙幣を包みましたよ。

 深夜。北米ではポピュラーな、地面に穴を掘って住んでいる大型のネズミ (名前が分からない)がテントの前室にやって来てガサゴソやってました。どうやら食べ物の臭いにつられてやって来たようです。結構大きい奴だったので怖かったです。

積算走行距離: 2868㎞

36日目【アメリカ】アレッドフラットキャンプ場へ 7600フィート峠越え

2014年7月15日

新しいサングラス。49.99ドル

 Alpineのスーパーで買い出しをしました。朝飯にサンドイッチも買って、スーパーのベンチでのんびりと食べて、10時半頃に出発しました。今日は89号線で、ベアーレイク方面の途中にあるアレッドフラットキャンプ場を目指します。

 アメリカに来てから走行中に雨に降られたことがありません。私が晴れ男のためか、そういう時季なのか。晴れるのはいいのですが、サングラスをかけている部分だけ日焼けしていないというのは目立つもんです。

道は微妙に登っていて、町々の看板にはElevation (標高)の表記があるのですが、通過するごとに上がっていきます。Alpineが5200フィートで、峠越え前の最後の町が6900フィートということで、70㎞かけて500m登ったということになります。

 当然、登った分のアンサー (下り)もありませんし、広い土地を走るので常に風が吹いてスピードに乗らない。辛い道です。



 Bridge Forestという公園に入ると、Salt River Pass 7600フィートを越えることになります。つまりこれをもってイエローストーンからの下り分がキャンセル (帳消し)されてしまったわけです。アメリカって…

 Passから5㎞下った先に本日の目的地であるアレッドフラットキャンプ場があります。State経営のキャンプ場で、レジスターボックススタイル。10ドルです。

 こういう時って小銭が無いと不便です。ちょうど10ドル紙幣が無かったわけでして、20ドル紙幣を包んで、「Keep the change, please.(お釣りはとっておいてください)」と書いて、Fee Boxに投函しました。粋でしょ?キャンプ場はハイカー・自転車旅行者に不可欠なので、経営の足しにしたらいいですよ。イエローストーンではお世話になったので、そのお返しです。



 このキャンプ場、誰もいないです。テントの張場を選び放題です。よく吟味した場所に張っていると1台2台とチラホラ来ました。ただ賑やかになるでもなく、静かです。

 トイレとゴミ箱だけというキャンプだけをする所。花火も禁止。川もなし。何も無し。遊べない。

 夜、寝ているとテントの近くに猫が来ました。甘い鳴き声で食べ物の催促でしょうが、私からすれば怖くて仕方ないです。狂犬病等の病気は避けたいところ。Wild Lifeには近づいてはいけません。じっと静かにして去るのを待ちました。

積算走行距離: 2758㎞

【近況報告】1級時計修理技能士になっています【仕事・趣味・旅行】

もう自転車旅行から帰ってきて8年半も経つとは驚きで早すぎると思うし、一方で旅の記憶は少しずつ薄らいできており、この点で年月の経過を感じる。 だからこうしてブログとか、Youtubeに旅の様子を残してきて良かったなと思う。苦しいことばかりだったと思うが、今ではいい思い出。 さて現在...