577~578日目【アルゼンチン】El Chaltén (エルチャルテン)へ トレッキング後半戦
2016 年1月6日~7日
ハードワークなトレッキング道を越えてエルチャルテンまで。
ハードワークなトレッキング道を越えてエルチャルテンまで。
チリのアウストラル街道終点の町オイヒンス。そこからフェリーで湖を渡り、トレッキング道が始まりました。チリ側を越えてアルゼンチンとの国境に到着したところ。
さて、アルゼンチン側トレッキングは本格的。入り口からして獣道の様です。チリ側はまだ自転車に乗れる区間が多かった。ゴールのデシエルト湖まで、どうなることやら…
随分端折ってますが、川、泥、沼、池、倒木、クレイジーフライなど困難多数。自転車に乗れるところもあるにはある。ただしフルサスMTBで走るような道。
川は深いところあります。泥はタイヤやブレーキ、靴にねっとりくっつくタイプ。クレイジーフライはいつまでも追ってくるしつこさ。この道は諦めを持って臨むしかなさそうです。
数々の困難を越えて見えてきたデシエルト湖とフィッツロイ。クレイジーダウンヒルで下って行き、アルゼンチンイミグレに着く。17時。
11時半からチリ側含めてのトレッキングを開始したので5時間半掛かりました。この区間をなるべく早く越えるには、自転車で走るということを諦めないこと。
フェリーの最終便 (17時半)に間に合ったのは幸運。イミグレでスタンプ貰って、乗り込む。料金は480ペソ。年々値上がりしているみたい。
と言っても、最近のアルゼンチンペソは暴落しているので大差無い。1月少し前は1ペソ12円だったのが今は8.5円。原因はおそらくUSドルの闇レートが無くなったことかと。実質公定レートと同じになった時から暴落が始まりましたから。
フェリーに乗り込むとチャリダー多数。私と同じく今日トレッキング道に挑んだアメリカ人サイクリストから「突破おめでとう!」「やればできるもんだね!」とワイワイしました。
フェリーで対岸へ渡りました。キャンプ場も良いですがワイルドキャンピングの機会が多いので、せっかくのパタゴニアですから野宿場所を探して先へ。
船着場から10kmくらい先と思います。良さそうな広場を見つけたので端にテントを張って本日終了。川で自転車の泥を落とし、ウッドガスストーブで焚き火調理をすると、長かった苦労も過去のこと…
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マリアさん、今日もよろしくお願い致します |
治安は問題ないみたい。この広場にはマリアさん居ますし。キリスト教はともかく、私はマリアさんのファンです。マリアベアっていうテディベア作ろうかな。受胎告知バージョンとかで、ガブリエルベアと共に。
走行距離: 10km
(トレッキング道は距離不明のため加算せず)
積算走行距離: 21995km
(トレッキング道は距離不明のため加算せず)
積算走行距離: 21995km
【7日: El Chaltén (エルチャルテン)へ Casa de Ciclistas泊】
今日は野宿場所から28km先のエルチャルテンまでだからのんびり朝飯食ってから出発する。10時撤収。
エルチャルテン以降はウスアイアまで舗装路になるし、オーストラリアも舗装路しか走らないし、今日でおそらく今旅の未舗装路が終わる…ことを祈る。
この最後の未舗装路を「もう今日で終わりなんだなぁ…」などと一切噛みしめることなく、早く終えたい一心で走る。
サクッとはいかなかったけれどエルチャルテンに到着し、インフォメーションでCasa de Ciclistasの場所を聞きました。受付の兄ちゃんが慣れた様子で場所を示したということは、聞きに来るチャリダーが多いのだと思います。
ここのCasa de Ciclistasは無料です。ですからネットは当然ありません。シャワーとキッチン使えるだけでもとても有り難い。テント泊でした。
オーナーのFlorさんによくしてもらえました。到着早々、紅茶とパンとハムをご馳走させていただき、Torta Fritaという手作りおやつも貰いました。
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テントに猫が入ってきた |
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うつろうつろして、寝てしまった |
さて、エルチャルテンのスーパーは青果の質が悪いし、全体的に価格も高い。パン屋は悪くなくて、チリに比べるとかなりの質向上。エンパナーダからクッキーなどのおやつ系もある。
エルチャルテンには用が無いので、1泊だけしてエルカラファテへ向かいます。
エルカラファテではいよいよウスアイアが近くなってきたということで到着予定日も定まる。
そこでシドニー行きの航空チケットとダーウィンから日本への帰国チケット、オーストラリア観光ビザのためのETAS登録、ペリトモレノ氷河の観光をします。自転車のタイヤはボロボロではありますが、状態を見て買い換えるか決めます。ウスアイアまで保たせるかもしれません。
走行距離: 28km
積算走行距離: 22023km
積算走行距離: 22023km
577日目【チリ】Lago O'Higgins (オイヒンス湖)からアルゼンチン国境 トレッキング前半戦
2016 年1月6日
長く厳しい一日が始まる。エルチャルテンへの道中、前半戦。
長く厳しい一日が始まる。エルチャルテンへの道中、前半戦。
朝6時に起床して撤収作業開始。オイヒンスから8km先のフェリー乗り場に8時までに行く必要があるからです。
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トレッキング開始の船着場 |
40分くらいで到着しました。私が一番乗りで、その後に続々とチャリダー達が集まってきました。ブラジル、フランス、チリ、ドイツ、アメリカ。多国籍です。これだけ集まるとなかなか心強い。
約3時間で対岸へ到着し、荷物をまとめてトレッキング開始。船着場からいきなり登り、1~2kmでチリイミグレ。スタンプぽんで出国完了。さて、大変なのはここからですよ。
部分的に走ることはできますが大抵は押して歩く。傾斜半端ないのは言うまでもなく、峠頂上のフィッツロイの見える場所まではタフネス。
しかもクレイジーな大きめのハエどもがウザい。刺してくるんですよ。
フィッツロイが見えると感動ものでした。頑張って登ったご褒美であり、もっと近づきたいと先へ進む力が湧いてきました。この場所からは自転車に乗れる。そして国境着。
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林道を抜け |
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不安な橋を渡り |
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国境線到着 |
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アルゼンチンへ |
アウストラル街道で実践しているのは、傾斜のキツイ坂とは勝負しないということ。歩いて登ります。いちいちこんなのを相手にしていたら体力の無駄。この実践によって道中は体力の浪費少なく、アルゼンチン側トレッキングへ進めたのでした。
走行距離不明のため、積算に加算しません。たぶん数キロですし、大した問題でもないので。
走行距離不明のため、積算に加算しません。たぶん数キロですし、大した問題でもないので。
564日目【チリ】Villa Cerro Castillo (セロカスティージョ)にて 風の壁に押し戻される
2015年12月25日
チャリダーにはクリスマス関係ありませんので走ります。でも押し戻され、酒をあおられる。へスースがクリスマス休暇を強要。
チャリダーにはクリスマス関係ありませんので走ります。でも押し戻され、酒をあおられる。へスースがクリスマス休暇を強要。
晴れてる!行くしかないじゃない。
「しかしめっちゃ風強いな。取り敢えずトライしてみるか」
セロカスティージョ山の頂で雪が飛ばされているほどの風です。周囲の木々を見ても折れそうなほど曲がって騒いでいます。普通、こういう時は走らない。
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セロカスティージョ。もうもうと雪煙立ってます |
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テディベアの住むキャンプ場だった |
強烈な向かい風の未舗装路を頑張って進みました。押して歩いて坂道を上る。3, 4km進んでさらに強くなり、しばし呆然とした後…
「こりゃ今日無理だわ」
という結論に至る。風で小石舞い、顔に当たってめっちゃ痛い。今旅最強の向かい風。立ち止まって倒れないように耐えるのが精一杯。次の一歩が出ない。
あと7kmくらい先にキャンプ場があるみたいです。そこまで頑張っても良い。でも本当にあるのか確実ではないし、ストアのある所と無い所ではある方が良い。ということでセロカスティージョに戻ることにしました。
戻る道中カップルのサイクリストに遭遇しました。
「Hace mucho viento. Muy fuerte. (風めっちゃ強いよ)」
「No pude correr. Regreso a cerro castillo. (俺走れなかったわ。今日はセロカスティージョ戻って様子見る)」
と言いました。カップルは、
「Vamos a probar. (俺達はトライしてみるよ)」
と言いますので私は「Cuidate mucho. (よく気を付けてね)」と握手して見送りました。
欧米人はタフですからね。たぶん突破するでしょう。私はこういう日は進まない。脱ストイックしたいし、さすがに今日の風は様子見したい。
西風ですね。それが山間に沿って吹いている。流体力学では、同じエネルギーを持っている流体 (今回では風)でも、広いところを流れるのと狭いところのでは、狭いところのほうが速く流れることが分かっています。イメージとしては、狭いほうが単位体積あたりのエネルギー密度が高いから、流体の速度も速くなるということ。狭い山間に吹く風は速く、強烈なわけです。
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セロカスティージョの町へ |
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さて、どうしようかな |
ということで追い風を受けてセロカスティージョに戻ってきました。この時にも2組ほど欧米人と見られるサイクリストが先へ進んで行きました。彼らはどこに泊まっていたのでしょうか?
彼らが来たと思われる方向へ進んでみるとキャンプ場がありましたので、今日はそこに泊まることに。1泊4000ペソです。場所は町の一番奥です。
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この看板が目印。世界のいろんな都市までの距離が書いてある。Tokyoありますね |
風除けになる場所にテントを張って、コーヒー飲んでのんびりして買い出し後、キッチンへコーヒー器具を洗いに行くと、別のお客さん達10人くらいに食事を勧められました。サーモンとジャガ芋煮とサラダと、鶏の焼き肉です。クリスマス祝いをしているみたい。Gracias!ありがたい。
食べているとワインを勧められ、食べ終わるとウイスキー。それを飲み終わるとさらにもう一杯。飲め飲め〜という勧めかた。
「何このウイスキー半端ない。度数何度?クラクラする…」
お酒は普段飲みませんが強い方なんです。ウイスキー2杯目を飲み終わると「Quieres más?!!! (もっとか?!)」とさらにもう一杯、ハイテンションで勧めてくる。
「あの兄ちゃん危険だわ。俺の酒の減り具合を逐一チェックしておる」
「こりゃヤバイ」という直感。酔っ払い共を相手にするのは危険です。眠いからという理由でワイワイ盛り上がっている会場からどうにか逃げ出し、テントへ避難する。
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きっついわ… |
フラフラと小便へ行くと自分の息子を掴んでいる感覚がない。あのウイスキー、飲んでいる間舌が痺れてたし、息子にまで影響するなんて思わなかった。メタノールじゃないだろうな…(エタノールは飲んでも酔うぐらいで済みますが、メタノールは失明などとても危険です。戦時中に酒の代わりに飲まれていたそうな)
トイレがちょうど飲み会の近くにありまして、酒飲んで小便が近いのでトイレに行く回数が増えるんですけど、行くたびに誘われます。飲もうぜ、歌おうぜ、踊ろうぜ〜。ギター弾きながらのダンスパーティーやってます。
テンション高い人達苦手です。逃げる一択。これにて本日終了。
今日へスースはクリスマスを理由に私を風で押し戻し、キャンプ場でご機嫌な連中をぶっ込み、強制お祝いをさせました。つまりゆっくりしろということでしょう。でもまぁ、ありがとうございました。これからクリスマスはゆっくりします。アーメン (-_-)
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