564日目【チリ】Villa Cerro Castillo (セロカスティージョ)にて 風の壁に押し戻される

2015年12月25日
チャリダーにはクリスマス関係ありませんので走ります。でも押し戻され、酒をあおられる。へスースがクリスマス休暇を強要。


 晴れてる!行くしかないじゃない。

「しかしめっちゃ風強いな。取り敢えずトライしてみるか」

 セロカスティージョ山の頂で雪が飛ばされているほどの風です。周囲の木々を見ても折れそうなほど曲がって騒いでいます。普通、こういう時は走らない。

「クリスマスだし、ここまでの中南米の旅ではへスースの加護もあって無事に走って来れたから休んでもいいけど、少しでも先に進みたい」


セロカスティージョ。もうもうと雪煙立ってます

テディベアの住むキャンプ場だった

 強烈な向かい風の未舗装路を頑張って進みました。押して歩いて坂道を上る。3, 4km進んでさらに強くなり、しばし呆然とした後…


「こりゃ今日無理だわ」

 という結論に至る。風で小石舞い、顔に当たってめっちゃ痛い。今旅最強の向かい風。立ち止まって倒れないように耐えるのが精一杯。次の一歩が出ない。

 あと7kmくらい先にキャンプ場があるみたいです。そこまで頑張っても良い。でも本当にあるのか確実ではないし、ストアのある所と無い所ではある方が良い。ということでセロカスティージョに戻ることにしました。

 戻る道中カップルのサイクリストに遭遇しました。

「Hace mucho viento. Muy fuerte. (風めっちゃ強いよ)」

「No pude correr. Regreso a cerro castillo. (俺走れなかったわ。今日はセロカスティージョ戻って様子見る)」

 と言いました。カップルは、

「Vamos a probar. (俺達はトライしてみるよ)」

 と言いますので私は「Cuidate mucho. (よく気を付けてね)」と握手して見送りました。

 欧米人はタフですからね。たぶん突破するでしょう。私はこういう日は進まない。脱ストイックしたいし、さすがに今日の風は様子見したい。

 西風ですね。それが山間に沿って吹いている。流体力学では、同じエネルギーを持っている流体 (今回では風)でも、広いところを流れるのと狭いところのでは、狭いところのほうが速く流れることが分かっています。イメージとしては、狭いほうが単位体積あたりのエネルギー密度が高いから、流体の速度も速くなるということ。狭い山間に吹く風は速く、強烈なわけです。

セロカスティージョの町へ


さて、どうしようかな

 ということで追い風を受けてセロカスティージョに戻ってきました。この時にも2組ほど欧米人と見られるサイクリストが先へ進んで行きました。彼らはどこに泊まっていたのでしょうか?

 彼らが来たと思われる方向へ進んでみるとキャンプ場がありましたので、今日はそこに泊まることに。1泊4000ペソです。場所は町の一番奥です。

この看板が目印。世界のいろんな都市までの距離が書いてある。Tokyoありますね


 風除けになる場所にテントを張って、コーヒー飲んでのんびりして買い出し後、キッチンへコーヒー器具を洗いに行くと、別のお客さん達10人くらいに食事を勧められました。サーモンとジャガ芋煮とサラダと、鶏の焼き肉です。クリスマス祝いをしているみたい。Gracias!ありがたい。

 食べているとワインを勧められ、食べ終わるとウイスキー。それを飲み終わるとさらにもう一杯。飲め飲め〜という勧めかた。

「何このウイスキー半端ない。度数何度?クラクラする…」

 お酒は普段飲みませんが強い方なんです。ウイスキー2杯目を飲み終わると「Quieres más?!!! (もっとか?!)」とさらにもう一杯、ハイテンションで勧めてくる。

「あの兄ちゃん危険だわ。俺の酒の減り具合を逐一チェックしておる」

 「こりゃヤバイ」という直感。酔っ払い共を相手にするのは危険です。眠いからという理由でワイワイ盛り上がっている会場からどうにか逃げ出し、テントへ避難する。

きっついわ…

 フラフラと小便へ行くと自分の息子を掴んでいる感覚がない。あのウイスキー、飲んでいる間舌が痺れてたし、息子にまで影響するなんて思わなかった。メタノールじゃないだろうな…(エタノールは飲んでも酔うぐらいで済みますが、メタノールは失明などとても危険です。戦時中に酒の代わりに飲まれていたそうな)

 トイレがちょうど飲み会の近くにありまして、酒飲んで小便が近いのでトイレに行く回数が増えるんですけど、行くたびに誘われます。飲もうぜ、歌おうぜ、踊ろうぜ〜。ギター弾きながらのダンスパーティーやってます。

 テンション高い人達苦手です。逃げる一択。これにて本日終了。

 今日へスースはクリスマスを理由に私を風で押し戻し、キャンプ場でご機嫌な連中をぶっ込み、強制お祝いをさせました。つまりゆっくりしろということでしょう。でもまぁ、ありがとうございました。これからクリスマスはゆっくりします。アーメン (-_-)

コメント

人気の投稿