15日目【カナダ】カルガリーへ① 1Aボウバレートレイルでゴーストレイクのキャンプ場泊

2014年6月24日

バンクーバー以来の大都市カルガリーへの2日間前編。バンフからゴーストレイク


バンフの朝。閑静で美しい
バンフからカルガリーへ向かいますが、距離が微妙に長いので2日に分けて走ります。今日は1A沿いのゴーストレイクキャンプ場に泊まります。

トランスカナダハイウェイ (TCH)で向かうのがフラットで効率的ですが、騒音が嫌なのと、バンフで一日フリーの日を作って脚が鈍っているため、ウォーミングアップの意味から少し起伏のある方が良いので、1Aのボウバレートレイルを使いました。

ホテルから出発後しばらくして「あっ!カメラの充電器を忘れた…」と気付きましたが、戻るのも面倒ですし、カメラ本体で充電してやれば良いので「まぁ良いか」と。そのまま先へ進みました。
スイスイ走れるサイクリングロード
バンフから隣町のキャンモアまでは20㎞程ありますが、TCH沿いにサイクリングロードが併設されているので悠々と走れます。
キャンモアに着くと私のお気に入りスーパーであるSave on foodsで食料の買い出しをしました。買い物を終えて外に出ると、赤いオルトリーブパニアを装着した旅行車がありました。この車体の持ち主も買い出しをしているようです。サイコンがCATEYEまたはShimanoでないところを見ると、日本人ではないようですね。

走り始めて信号で止まっていると先ほどの車体の持ち主が私の隣に来て「Hi.」と挨拶してきました。どこから来たのか聞いたらカムループスだそうで、この人もロッキーを越えてきたわけです。彼はTCHで、私は1Aでカルガリーということで別れてしまいましたが、こういうちょっとした出会いが嬉しいものです。

キャンモアから1Aを走っていると対向から自転車旅行者が続々と走ってきました。手を挙げて挨拶して終わりですが、思わずニンマリしてしまいます。

「会話は無くても、お互い姿を見かけるだけでとても嬉しい」

ボウバレートレイルは時折キツイ起伏はあるものの総じて緩やかで、ロッキー越えをした人にはイージーな道です。道沿いに鹿がいるので注意して下さい。
目の前から山が消えた
目の前に山が無くなったので、後ろを振り返るとロッキー山脈が。ロッキー終わってしまいました。
ロッキーでは降っている
風も強いし一部雲が降りてきている。竜巻の予兆か?幸い何事も無かった。
キャンプ場まであと少しというところで天候が悪化し、雨雲が追ってきました。ロッキー山脈は白く霞んでいるので、あの辺りは降っているのでしょう。

ゴーストレイクキャンプ場に着いた頃には本格的に降り出して、雨中のテント設営となりました。

ここのキャンプ場は変わっていて、チェックインはオフィスに行く必要がありません。キャンプサイト入り口に無人のレジスターボックスなる物があり、そこに名前や住所などを書き込む封筒が置いてあります (注: ペンは置いてありません)。諸々書き込んだらキャンピング代20ドルを封筒に入れて、レジスターボックスに投函するシステムです。投函する前に封筒の封の所 (ミシン目がある)を切り取っておきます。つまりこれが支払いの証明になります。
後ろの茂みから動物の糞のにおいが微かにする
雨中のテント設営を乗り切り、一段落して落ち着いたあと食事をして寝ました。WiFiは無し、電話の電波も無し。やる事がありません。

朝方まで強風と雷雨でした。轟音で幾度も目が覚める質の悪い睡眠でしたが、自転車旅行ってこういうもんです。

走行距離: 78km
積算走行距離: 1138㎞

14日目【カナダ】Banff(バンフ)で観光 自転車を忘れた日 美しいボウリバーとヴァーミリオン湖

2014年6月23日

自転車に嫌気が差してきたので、今日一日忘れたい。思いっきりバンフ観光

例えばギタリストでもギターが嫌になることがあります。

自転車旅行者も同じ。自転車が嫌になることがあります。こういう時はすっかり忘れて気分転換です。また好きになって嫌いになる。これの繰り返しで愛は深まるのでしょうね。ともかく今は嫌いです。

というか、旅立ちからたった2週間で自転車に嫌気が差すって、これから走り続けていけるのか?不安。

朝飯は食べずに備え付けの紅茶だけ飲んでホテルを出ました。ボウリバーの滝はマリリン・モンローの映画のロケ地になったそうな。先ずそこへ行ってみました。

ボウフォールは落ちる滝ではなく、急峻な坂道を流れていく滝です。そのため長い距離の間轟音が響いて下っていきます。今6月の時季は雪解けで水量がとても多いようで、圧巻の迫力。(写真忘れました。動画はあるので後ほど)

ヴァーミリオン湖が美しいので (バンフに来る途中で見た)、もう一度見ようと行きかけましたが、さすがに腹が減ったのでバンフアベニューを北上して、目当てにしていたレストラン、Chili'sへ向かいました。
チーズホッパー
熱々のチーズが詰まっている
レモネードとテキサスチーズホッパー、そしてここの目玉であるビッグマウスバーガー (Old Timer add chiese, add bacon)を頼みました。受付のお姉さんが気さくでとても気分良く注文できました。
いやいや、バーガーデカ過ぎ。かぶりつけないのでナイフとフォークを使って食べました。
食後にコーヒーでも飲むかと思ってアイリッシュコーヒーを追加注文したら、酒入りのコーヒーでした。アイリッシュコーヒーってこういう物なのかと初めて知りました。

チリズおすすめですよ。値はちょっと張りますけどおいしいです。チーズホッパーが良かったかな。バーガーのパティもマクドナルドの比じゃなく良いですね。
こういうのが道のあちこちにいる
ヴァーミリオン湖に行きましたが徒歩では遠い。気晴らしに草地にいる可愛いネズミ共を撮りながら向かいました。キューキュー鳴いてるのですぐ見つけられますが、それは逆に天敵に見つかりやすいのではないか。

ヴァーミリオン湖は水面が揺れずに鏡のようでした。
バンフはよく整えられていて観光には向いている
馬というものは間近で見ると怖いくらいデカイ
バンフはどこも美しいです。街中もよく考えられていて、ガス屋の看板が街路樹の高さ以下になるように低めになっていました。定期的に道路清掃の車も走っていて、観光地としてのプライドが高いようです。

ホテルへ戻る前にSafe wayというスーパーで晩飯と翌日の朝飯を買いました。レストランで食べるよりも50ドルは節約できます。
晩飯はbentoという名の寿司詰め。カリフォルニアロールを主にしたもので、唐辛子をまぶしてあったり、日本の寿司とは違います。味は悪くないのですが、米が日本米ではないので、粘りが無く少しパサツキがあります。日本のスーパーの寿司の方が明らかにレベルが高いです。

少し歩いて疲れましたが、気分転換にとても良い一日になりました。バンフは良い所です。

「観光にはもってこいの街。でも住みたいとは思わない。生活感のない街は、一方で長期滞在の柔らかな心を作ることがない。どこか常に緊張感を生むだろうな」

13日目【カナダ】To Banff(バンフ)へ② キッキングホースパス越え レイクルイーズ、そしてバンフ

2014年6月22日

早朝のキッキングホースパス越えで熊出現。レイクルイーズと、そしてバンフ


カナダってなんて美しいのか
キッキングホースパスという1630mの峠越えを控えているため朝早く撤収して出発しました。朝のフィールズは美しい。また自動車も少なくて走りやすい。
日差しが強い。空気が冷たい
ここから急傾斜登坂が6㎞続きます。時速6.5㎞でジリジリ登っていきます。




登っている途中で対向から来た自動車のオッサンに「Bear ahead!!!」と警告されました。進んでいくと、あ、居ました、熊が。子熊ですぐ居なくなってしまいましたが、親熊も近くにいるでしょうから、熊出没エリアを静かにサァっとシレっと通過。しばらくは後ろを振り返るなどして警戒しながら走りました。朝方は熊が出やすいのかも知れません。
ここが頂点。下っていく
キッキングホースパスという明確な表記はありませんが、ヨーホー国立公園とバンフ国立公園の境が峠の一番上です。つまりバンフエリアに入ったということで、キッキングホースパス (1630m)を越えたことになります。

以降はバンフまで多少のアップダウンを挟みつつ基本平地か、下っていきます。私は途中で離脱してレイクルイーズ方面へ向かいました。
寄る予定は無かったが、見てみることにしたレイクルイーズ
ところがレイクルイーズって山の上なんですね。ロジャーズパスやキッキングホースパスに匹敵する急傾斜登坂5㎞をやらされました。前述2つのパスでは自転車を押して登ることがなかったのに。レイクルイーズへの登坂は半端ないです。

「観光バスなどの乗客に見られているなぁ。でも嫌味はない」

バンフでツアーバスでも利用して来れば良かったと後悔しましたが、一目見て来て良かったと心変わり。
おぉ~、美しい。苦労して見た景色は格別美しい
美しさと共に。こういう写真はとても大事。離れればすぐ忘れるから
あぁ~スゲぇなぁ~等とボーッとしていると、「Could you take a picture?」とオッサン4人に声を掛けられ撮ってあげました。君のも撮ってあげるよと言うので撮ってもらいました。ただ突っ立ってるだけです。ポーズ決めろよ。

いやしかし何故オッサンばかりと縁があるのか。Girlsはどこに居るのか。自転車旅行ってモテないんだよなぁ。やはり女はロマンより現実重視なのか。
さてあまりゆっくりできません。レイクルイーズからバンフまで55㎞あります。何の変哲の無い道をひたすら55㎞。バンフが遠いし、眠くなってきました。しかし走行距離がここで1000㎞を突破。旅の予定走行距離の40分の1を達成しました。

そしてついにバンフ。
カナダ有数の観光地バンフ。先ずはビジターセンターへ行って情報収集です。

バンフには日本人宿があるらしく、その場所を調べるためです。日本人、味噌汁、米、そして日本語によるコミュニケーション。飢えています。

あれ?無い。おかしいな。取り敢えずWiFiスポットを探してネットで調べるか。地図によると向こうにマクドナルドがあるからそこで。
ここにマクドナルドは無い
あれ?無い。おかしいな。ここにマクドナルドがあるはずだが。もう散々走らされて疲れているところに飛び込んできたのは、日本食レストラン併設のホテル (Swiss Village)。しょうがない。ここで良いか。

2泊で部屋を取ってもらい、先ず3日ぶりのシャワーを浴びてスッキリした後、目当ての日本食レストラン三喜 (みつよし)へ。

おおっ、店員さんに日本語が通じる!と言うか日本人ではないか。頼んだのはサーモン親子丼と味噌汁、そして酒を飲まない人なのにキリンビールを注文。久しぶりに故郷の文化に触れて嬉しくなってしまいました。値段はまぁ海外の日本食レストランだなという感じ。

バンフの日本人宿を調べたら20㎞先の隣町のキャンモアにあるということでした。何だ、そりゃ無いわけだ。

明日は自転車を忘れてバンフ巡り。目当てのレストランがあるので、経験を積むためにも思い切って行ってみましょう。

「バンクーバーからここまで連泊せずに頑張ったご褒美を自分自身に。明日はのんびりしたい」

走行距離: 98km
積算走行距離: 1060㎞

12日目【カナダ】To Banff(バンフ)へ① キッキングホースパス手前 フィールズのカワイイ姉ちゃんのいるキャンプ場

2014年6月21日

超絶景のヨーホー国立公園。可愛い姉ちゃんが受付の高額キャンプ場に宿泊してしまった


砂地のキャンプ場で雨上がりのテント撤収は厄介だ。でも晴れて良かった
ゴールデンのダウンタウン端にはキャンプ場があります (One Night 15ドル+Tax)。

砂地に砂利が混ざったテントサイトで、さらに深夜に雨が降った影響でインナーテントの底が砂だらけになってしまいました。仕方ないのでそのまま畳んで出発しました。しかし寒い。6月といえどカナダは冷える。

ゴールデンからバンフへは距離が長いので2日に分けます。

走行序盤からいきなりの急傾斜です。この区間だけ自転車は車道を走れず、側道に専用の道路が併設されています。

以降はいつも通りのロッキー流アップダウンを繰り返しますが、路側帯に砂が多い他、アスファルトが削れていたりで走りにくいです。
時速8kmで上る
これがなだらかに見えたらあなたはロッキーで苦労するだろう

いつまで登るのか…
いくらか進むとキッキングホースレストエリアという場所がありますが、ここを過ぎると超急傾斜が4㎞続きます。私の横を抜いていったロードの兄さんも小さいギアを回して進んでいきました。

ロードのお兄さん「Hey, ケイデンス上げろよ」

私「No more…I'm so tired.」

ロードのお兄さん「Ha,ha,ha!!」
何か景色が凄くなってきたんですけど
この道を走っているときは幸せだった
川は乳白色のエメラルドグリーン
ヨーホー国立公園に入ると絶景。これぞカナディアンロッキー。キッキングホースリバーは乳白色のエメラルドグリーン。ここは天国だろうか?とても幸せだ。加えてしばらくは平坦路で久しぶりのフロントアウター。以降はフィールズまでやっぱりアップダウンを繰り返しました。
休憩中。疲れたな
ラックバッグ上にGoal Zeroを設置
途中スポーツカーの兄さんに小馬鹿にされたのだろうか?何かHey,Hey言いながら指立ててたが。残念ですが無理もない。自転車旅行はまだまだマイナーな旅行手段なのです。いや、それ以前に私の格好がすでに汚いので浮浪者風に見えるのか。バカにされてもしょうがないかもしれない。

この日はフィールズのキャンプ場 (Kicking Horse Campground)に泊まりました。36ドルって、高額だ。受付の娘がめっちゃ可愛いかったからついファイヤーチップなどという使わないオプションを付けてしまったのが敗因だ。勉強代として納得しました。
危ない危ない…外れてるよ
テントを張り終えて自転車を見たらリアキャリアを支えるシートチューブ金具が外れていた。つまりいつからかは分からないが、リアエンド部の接続だけで走っていたことになる。恐ろしい。ナットとワッシャーが外れていただけで、重要パーツであるU字の金具が残っていたのは幸運でした。

明日はキッキングホースパス越え、レイクルイーズ、そしてバンフ。イベント多数だ。

走行距離: 65km
積算走行距離: 962㎞

11日目【カナダ】To Golden(ゴールデン)へ② ロッキーは長い 気持ちが切れた日

2014年6月20日

気持ちが切れた日。心の挙動は不安定

適当な場所に野宿し、山奥で、平地でない寝床。動物の無いことを常に警戒しながら半分起きて半分眠る。夜明けを待って食べ物を胃袋に入れて、サッサと後片付けして出発しました。
今日は曇っている。私の心を表しているのか
長い一本道にウンザリしてくる
あと175km。バンフでの連泊を希望に頑張る
アップダウンを越えていくのはいつもの事でも、いい加減ウンザリしてきました。時間掛かるし距離を稼げない。相変わらず脚はキツイし、一瞬が長く感じる。どれくらい進んだかサイコンの表示と、Google MapのGPSで自分の居所とゴールデンの位置関係を頻繁に見る。

「辛い。この一言が全てだな。今日は気乗りしないし、バンフが唯一の希望だ」

まだこれしか進んでない。こう思うことの繰り返し。景色は最高なんだがなぁ。写真とるけど、気乗りしない。雨も降り出してレインスーツ着用。
やる気無い中撮ったパノラマ
今日はキャンプ場を予定しているけど、やっぱりホテルに泊まろうかな。ただ、ホテルとキャンプ場では60ドルくらいの差があるし、キャンプ場の方が安く済む。中南米に行くことを考えれば、ここで60ドル節約する事はデカイ。でもこの疲労を考えると…無理しない方がいいのか?
ゴールデン到着。今日はもうここで終わりだ…
などと色々考えているうちにゴールデンに着いてしまいました。取り敢えずTCHから離脱してダウンタウン方面へ。セブン-イレブンで今食べるものを幾つか買いました。春巻きのようなものがレジ横でグルグル回転していたので「This one please.」。食べてみると中はピリ辛のピザソースにチーズが入っていました。

「いい街だ。木々山々に囲まれて、雨降り後もあって空気が澄んでいる」

この時までホテルに行こうと考えていました。昼の12時という早めのゴールデン到着であったため、チェックインまでだいぶ時間があります。近場の公園で時間を潰し、マクドナルドでビッグマックとフレンチフライを食べながらWiFiをし、Sobeysというスーパーでビッグサンドイッチ、バナナ、プロテインバーを買いました。
晩飯。まだ少しジャンクな感じだ。自炊したい
まだ時間がある。と言うかもういいか、キャンプ場で。キャンプ場 (Golden Municipal Campground)で宿泊のチェックインを済ませてテントを張り、食うもん食って寝ました。夜半は寝袋に包まっていても寒かったです。
今日は充実しない走行でした。早くバンフで連泊したいという気持ちが先行しているようです。明日からは切り替えて無駄のない走行経験にしなくてはいけません。

「走行距離の割りに長い一日だった。サイコンを頻繁に見るようになったら気持ちが切れている証拠か」

走行距離: 63km
積算走行距離: 897㎞

【近況報告】1級時計修理技能士になっています【仕事・趣味・旅行】

もう自転車旅行から帰ってきて8年半も経つとは驚きで早すぎると思うし、一方で旅の記憶は少しずつ薄らいできており、この点で年月の経過を感じる。 だからこうしてブログとか、Youtubeに旅の様子を残してきて良かったなと思う。苦しいことばかりだったと思うが、今ではいい思い出。 さて現在...