自転車旅行のやり方 旅後


旅後の話だから自転車旅行の本筋とはズレた話になるし、一部ダンディアイテムの紹介も兼ねているのでどうかと思うが、チャリダーはダンディズムに疎いので、とにかくそれじゃダメなので、大事なことなので書いておく。

【仕事を探す】
旅後に何をするかといえば仕事探しなさいよということ一点に限る。どんな仕事にすべきかというのは人それぞれしたいことをしたらいい。

普通のサラリーマンになるか、旅の間に人脈ができてそれが仕事につながることもあるし、分らんね。自分で仕事を作るよりも、他人が作った仕事に乗っかる(雇用される)のが無難だろう。長いものには巻かれるということ。だからとりあえず巻かれておく。しかし大事なのはそこじゃないってことをチャリダーは知っているはずなので、巻かれることは大したことではない。

さて自転車旅行ってやってる本人にとってはすごいことではあるけれども、こういう旅行形態を知らない一般人から見れば「まぁすごいっちゃすごいけどだから何なの?」という疑問があるので、「だから何?」というところを答えられるようにしないと、仕事の面接時に困ると思うし最大のウィークポイントになるだろう。

この旅を通して何が体験できてそれがどんな学びにつながり、どんな教訓を得られたのか、そしてこの学びを仕事のどんな部分に活かせるのかを説明する。あとは上を目指す気があるのか、技術・資格習得を求められる職なら”聞かれる前に”自分から「○○の資格に興味があるので取得を目指してます」とでも言えばいい。聞かれる前に自分から言うと、積極性のある印象を与える。もちろん嘘はつけないので、言ったからには取得を目指す必要はある。

で、自転車旅行者というのは大抵ダサい服装しかしていないので、社会復帰するときには「シャツとジャケット着ときゃそれなりに見えるだろう」と安易に考える。だぶん…

そこで一応、面接官に対して「この人デキそうだな」と思わせるための見た目のポイントを書いておく。これは第一印象にかなりの影響を与えるので言葉と同様に大事。

髪型

人によって似合う似合わないがあるからコレッということは書けないが、単に切りそろえたり短くするよりも、ある程度の髪の長さでジェルを使って「濡れ感」のある髪の流れをくしで作って整えたほうがカッコいい。

私の今の髪型は、床屋でサイドと後ろを短く刈りあげてもらって、トップは長さをもって切りそろえてもらう。夜のふろ上がりに髪を乾かすときにブローで七三に癖をつけておき、朝の整髪時に軽く髪を濡らしてブロー、本格的に髪型を作っていく。ある程度ボリュームを付けてブローし終わったら、ハードジェルを適量手に取って髪に馴染ませ、くしで梳いて整髪して完成。

「おしゃれ七三」ってやつ。まずブローで髪型を作り、ジェルで固める。ジェルで髪型を作ることはしない。髪型はあくまでブローで作る。これポイントね。おしゃれ七三は清潔感があってかつカッコいい。男女関わらず受けがいい。

ちなみにおすすめジェルはコレ。宣伝しておく。




フレグランスを着る
香水のこと。日本語では香水を着るという表現はするのかしないのか。英語ではWear a fragranceと言う。

面接なので香水は基本的に使わずにデオドラントスプレー(体と足)で済ませても良いが、石鹸の清涼感のある香りなら両腕と首に各1プッシュ、自分でも香るかどうかわからないぐらいで着てもいい。

仕事に就いたら両膝裏、両腕、左右首筋に1プッシュを出勤前に。帰宅時に首筋1プッシュくらいしてもいい。

これもおすすめを言えば、フェラガモのインカントシャインあるいはインカントチャームが良い。甘いフローラル系の香りで女性向と言われるが、男女に好まれる魅惑的な香りなので男性が使ってもいい。

ブルガリのマンインブラックは現時点で一番のお気に入り。スパイシーで甘い、大人の色気のある香り。




スリムフィットのスーツを着る
レギュラーフィットよりもスリムフィットのほうが若々しさが出る。スラックスを今はやりのアンクル丈のものにしてもいい。スラックスは靴にかかるほどの長さで履く時代はもう古いらしく、ファッションな最先端のイタリアではアンクル丈にして裾を細く、美脚に見せるのがスマートと言われている。ユニクロのアンクルパンツが結構いい。

ジャケットの袖丈は、ワイシャツの袖丈よりも10mm短く、ワイシャツの袖をチラ見せするといい。前ボタンの一番下は閉めない。


腕時計

時間はスマホを見ればわかるし腕時計は使わないという者もいると思うが、腕時計は時間を確認するためのものだけではなく、フォーマルまで通用するアクセサリーとステータスという位置づけになるので、腕時計はかならずすること。およそ成功者はみな時計をしているということをよく知ることだ。

面接では腕時計の中でもドレスウォッチと言われるシンプルな3針タイプが良い。文字盤は白あるいは流行りの青で、ケースとメタルバンドの色はシルバー、革ベルトの場合は黒か茶色。

SEIKOで定価1万~3万、シチズンのレグノでもやはりこのくらいの価格で出ている。カシオのGショックのうちでもG-STEELは「スーツに合うGショック」として作られたが、面接時にはちょっと攻めすぎている。就職してからがいい。オリエントも手ごろな時計を出している。


靴を磨く
足元を見られるというのは本当で、ここが汚いと全てダメになるというくらい靴は大事。ポリッシャーでピカピカに磨いておく。靴自体は安物で良い。良い靴は稼ぎ始めてから買ったらいい。

何にせよ一番大事なことは「綺麗な靴を履け!」ということ。そして基本的にスニーカーはスポーツをするときのほかには履いてはいけない。平常時は革靴にせよ。

銀座のクラブのママは男を見るときには、履いている靴の価格やブランドではなく、靴のケアをきちんとしているかどうかを見る。新品の革靴を履くとどうしてもシワが出るが、このシワにクリームを塗ったり、シューキーパーで伸ばしたりしている靴とそうでない靴では雲泥の差が出る。


爪を切る
女性は爪の伸びた男が嫌い。これは間違いない。面接でも身だしなみの基本として見られるだろう。


ネクタイ
ネクタイの結び方はプレーン・ハーフウィンザー・フルウィンザーの3種類のうちから選ぶ。このほかの結び方は少しドレッシーで華美になるから面接では避ける。

タイピンをするとネクタイだけの寂しい感じにワンポイント追加できる。

働き始めたら結び目でオシャレを表現しても良い。



カラーステイを使う

カラーステイというのはワイシャツの襟裏に仕込む、プラスチックか金属製の板棒。デキる男はこれを仕込んで、彼の襟はいつだってピシッとしている。

日本人の中にはワイシャツを買ったときについてくるカラーステイを捨てろなどという者もあるが、欧米ではカラーステイは使って当然のものとして位置づけられている。もちろんゴミみたいなカラーステイが付いてきたならそれは捨てて、新しいものを買ったほうが良いわけだが。

このカラーステイは実店舗ではあまり売ってなくて、私はブルックスブラザーズで「すいません、カラーステイってありますか?」と聞き、バルクではあったがどうにか手に入れた。ネット通販だと手に入れやすい。


シャツステイを使う

シャツステイとはいろんな形があるが、基本的にはシャツと靴下をゴムでつなぐものが一般的。日本ではあまり普及していないが、欧米のデキるサラリーマンたちのスラックスの内側には、このシャツステイが仕込まれている。デキる男は見えないところにも気を使うらしい。


このシャツステイを使うと何が良いかというと、スラックスからシャツがだらしなく飛び出ることがなくなる。腕を上にあげたり屈んだりすると、シャツは引っ張られてスラックスから出てきてしまうが、出てきたままにしているとだらしない。そこでシャツステイを使うと、シャツがゴムで引っ張られているので、だらしなく飛び出たままにならない。


スキンケア・デオドラントケアをする
まず肌がキレイだとどんな人に対しても好印象を与える。だからスキンケアは必ずすること。

通常の毎日の洗顔のほかに、ピーリングソープをつかって2日に一回洗顔する。洗顔後や髭剃り後は化粧水や乳液でうるおい補給をする。洗顔ブラシを使うとキレイに洗い上げられる。電動の超音波洗顔ブラシを使うのも良い。



体臭のケアも大事だ。いわゆる「男脂臭(だんししゅう)」は女性が最も嫌がるものであり、女性に限らずどんな人でも、臭い人は嫌いなのである。デオドラントスプレーを体に吹いておく。それから口臭の予防のために歯磨きをするか、お手軽には洗口液を外出時に携帯して昼飯後などに使う。ブレスケアを飲むのもいいし、フリスクのクリーンブレスも良い。

気休め程度かもしれないが、緑茶には口臭予防効果があるので積極的に飲んでいきたい。

自転車旅行のやり方 旅前
自転車旅行のやり方 旅中

自転車旅行のやり方 旅中


【ルートスケジュールの机上と実際】
こんな上り坂グニャ道二度と走りたくない

行きたいところへ行けばいいのが自転車旅行の基本。でも机上と実際は違う。

3ヶ月の滞在期間でギリギリのルートスケジュールを立ててあれこれ詰め込むのは日数オーバーしないか不安。2か月間でルートスケジュールをしよう。こうすれば1ヶ月余裕ができるからのんびりと走れるだろう。…ひとまず机上ではこのように考える。

ところが実際はどうかといえば当初の予定通りに走ることは不可能。なぜなら、思いのほか疲れて連泊したり、道のりがきつくて予定走破日数より長くかかったり、事前のマップで計算した距離よりも長く走ることになったり、道路工事でルート変更させられるなどということはザラにあるから。1ヶ月の余裕があったのに、走行終盤では滞在期間ギリギリになったりする。

じゃあどうするかというと、私の場合、日数ではなくて距離で考えていた。

「アメリカでは観光の滞在日数は3か月か。3ヶ月で何キロ走れるかな?1500km/月として、4500km。500kmは誤差が出るとして、4000km以内でルートスケジュールをするか」

まずひと月1500kmという基準はどこから出てくるのか?自転車旅行者の1日の平均走行距離は、玄人になるほど短くなる。だいたい平均50~60km前後くらい。経験者ほどのんびり走る傾向にあるらしい。走るときは100km前後走るのだが、休むときは数日間長めに滞在なんていうことが多いのが原因。旅行形態に慣れているので、観光や体験などをする心の余裕があるのだろうと思うし、ガッツリ走ってガッツリ休む人が多いのかも。これを勘案すると、ひと月30日として1500kmということになる。

500km誤差というのは、大陸縦横断では1国でこの程度の誤差は普通に出るから、あらかじめ差し引いておく。

だからアメリカの例では4000km前後でルートスケジュールするのがちょうどいいと思う。横断となると6000kmにはなるだろうから、毎日忙しく、休みたくても休めないし、ちょっとした寄り道も億劫になるかもしれない。やってみると分かるが、ひと月2000kmは結構きつい。

走行距離を抑え目にするということは行きたいところすべてに行けるわけではない。妥協して走るというのはネガティブなイメージはあるが、無理して走行距離を延ばせば心に余裕がなくなってひとつひとつの体験の思い出は薄らいでいく。目標を「こなす」旅になる。これだけは避けなきゃいけない。

私の場合オーストラリア走ったときがまさに「こなす」走行だったから、ちょっと後悔している。単に自分の中の目標である「世界一周」の定義を満たすためだけに走ったようなもの。

オージーでは2か月半で4350kmだから1740km/月。やっぱり月2000kmはキツイね。

【スーパーで何を買うか】
お茶漬けの素としょうゆとマヨネーズの炊き込みご飯、約1合。昼飯

国によって物価が違うのと、生ものは傷みやすいから悩みどころだ。

食材は米、オートミール、パン、缶詰(ツナ・サーディン・豆など)、卵、じゃがいも、たまねぎ、リンゴかオレンジ。調味料は塩、砂糖、しょうゆ、ブイヨン、マヨネーズ、ジャム。嗜好品はコーヒーなど好き好き。

このあたりが無難だった。

朝食はオートミールを水でふやかしたものにジャムを加えて味付けしたのと、リンゴかオレンジを食べる。昼食は出発前にコメを炊いたものにしょうゆマヨで味付けをしたものか、パンをかじる。夕食は玉ねぎを炒めたものにトマトソースに浸かっているオイルサーディンを加え、これを少し温めて、炊いた米に加えて混ぜて食べる。

しかしこれはどう考えても一日の走行の消費カロリーと栄養素を補うだけのものを自炊で食えていない。自転車旅行者は基礎代謝分を加えて一日4000kcal消費するといわれる。特に旅行の走り始めはものすごい勢いで瘦せていくから注意。

慣れてくると体が楽をしだして消費カロリーが少なくなるのか、不思議と太ってきたりする。でもたぶんコーラの飲み過ぎが問題だったかもしれない。

マルチビタミンを携帯してもいいかもしれない。自転車旅行はビタミンの消費量が半端ないはずなので。

個人的にはお茶漬けの素とドライの味噌汁がすごく役立った。

【いかに野宿するか】

野宿ってどこの国でもグレーゾーンというか、先進国では禁止だったりする。でも自転車旅行で野宿無しで走るのはかなり難しい。

どこに張るかというのが問題だ。身を隠せるところで一晩平穏に過ごせる場所が良い。林の中でも良いし、海岸や川岸でもいい。人に頼んで敷地内に張らせてもらえるよう交渉してもいい。警察署や消防署、ガススタンドとか。人に張れる場所は無いかを聞いてもいい。

キャンプ場があれば積極的に使っていきたい。堂々と張れるし設備もあるので安眠できる。ただ、お金がかかるのが難点ではある。でもまぁこれは仕方がない。

野宿せずに「ウォームシャワー」というシステムを使っても良いし、中南米では「カサデシクリスタス」がある。

ただ、野宿には醍醐味がある。大自然との一体感。この中で飲むコーヒーが最高。

さて野宿にはどうしたってトイレは無いわけだ。小便はそこら辺にしてしまうのだが、大きいほうはどうするか。これは地面を掘って土に埋めるかした。ウユニ塩湖ではこれができないから、小便はペットボトルにして、大きいほうはビニール袋にペーパーを敷いてその中にする。ホテルに着き次第トイレにこれらを流すと。

まぁどこであろうが「ウユニ塩湖スタイル」で大小を済ませるのが理想的ではある。これは登山では当たり前のことではあるから、自転車旅行でもこのスタイルがいいだろうと思う。あくまで理想では、だが。

【外国語を勉強する】

ジェスチャーでも通用するから海外旅行は何とかなる。トイレを探すにしても、トイレマークって世界共通の感じがあるしマップで探しやすい。だから「トイレはどこにありますか?」と英語やスペイン語で言えなくても全く問題なく旅行できる。欲しいものを売っているお店だってぶらぶら歩いて探せば人に聞くまでもなく見つけられるわけだし。

ただここには何らコミュニケーションがない。街中の喧騒の中にあって孤立している感じ。それがいいならそれでもいいのだろうが、私からするとそんな人がなぜ世界を旅するのかという動機が疑わしい。サラリーマンからの現実逃避なのか、何の学びもなくただふらふらするだけならそんな自転車旅行者は立派じゃない。個人的には自転車で旅する人には立派であってほしい。

だから外国語はかならず勉強してほしい。単語を並べるだけでもいいからどうにか会話をするという姿勢を持つほうが良い。こういう努力は帰国後に活きてくると思う。コミュニケーションは積極的にとっていったほうが良い。

【ブログやSNSで旅の記録を残す】
記事の更新作業はだんだん面倒になってくる。でもしっかり残しておくとあとあと良いことがある。

帰国後に自分の旅の軌跡を振り返られるというのが一番大きい。次に仕事探しで便利になると思う。仕事を辞めて旅に出てまた仕事に就くとなれば、採用する側からすれば仕事と今の間の空白期間が気になるだろう。どんなことをしていたかの明確な説明ができるので、履歴書にURLを記載しておくと。もっとも、説明はできてもこれがプラスに働くかどうかは人事次第となるわけだが。

あと旅の記録は他人のためにもなる。良くも悪くもね。悪く働いてしまったら申し訳ないが、だからといって書かなければ良い働きもなくなる。だからひとまず書いておく。問題は悪いことは書かないということ。読み手に悪い影響を与えないような記録を書いていけば、良い働きが増長されて、悪い働きは減るはず。

ともかく書いておいて損はないということ。

【情報収集はするが半分信じない】
たとえば「コロンビアは危ない」という情報にあふれているわけですよ、ネット上には。殺人率がどうとか、この町で日本人が殺されたとか。これらは明確な数字だし事実でもあるわけなので何ら間違ってはいないが、「殺人率が高い=危険」という認識は正しくない。

コロンビアを実際に走ってみた感じでは、明らかにヤバい街は確かにあったわけだが、じゃあ何か実害を受けたかといえば何もない。大半の場所では普通に生活が営まれていて平和だったし。

何も無かったという前提には基本的な注意をもって行動しているということが大きいので、たぶんこれだろうね。注意してさえいれば、ネットで情報収集した危険事由は半分信じていればいい。過度に恐れることはない。

一応私流ではあるが、いろいろ基本的な注意を書いているので参考に。


【近況報告】1級時計修理技能士になっています【仕事・趣味・旅行】

もう自転車旅行から帰ってきて8年半も経つとは驚きで早すぎると思うし、一方で旅の記憶は少しずつ薄らいできており、この点で年月の経過を感じる。 だからこうしてブログとか、Youtubeに旅の様子を残してきて良かったなと思う。苦しいことばかりだったと思うが、今ではいい思い出。 さて現在...