自転車旅行のバッグの選び方


キャリアに取り付けるパニアバッグまたはパニエバッグ、ハンドルバーバッグもあるし、リアラック上に設置するラックバッグもある。これらバッグ類は自転車旅行では欠かせないアイテム。

今回はツーリングで使うバッグの選び方について考えてみた。


【バッグの種類】
  • パニアバッグ 
  • ハンドルバーバッグ 
  • ラックバッグ 
  • フレームバッグ 

自転車旅行に使うバッグはざっと4種類ある。全部使う必要はない。荷物の量に応じて選んだら良い。さらに、荷物は必ずしもバッグの中に入れなければならないものでもない。

例えば水タンクは雨で濡れようが害は無いわけだ。こういう視点を持ったうえで、必要なバッグはどれか、そしてその数を考えたらいい。

とはいえ、経験がない人にとってはどの程度の容量のバッグがいくつ必要かは想像しがたい。だから先人の装備をよく観察すること。どんな風に積んでいるのかを、ブログなりの連絡フォームから質問してみてもいい。


【どういう機能が必要か?】
防水性があれば、雨天での走行や突然の雨でバッグの中身が濡れる憂いがない。防水性のないバッグでも、レインカバーをかぶせることで70%程度の防水性は得られると言われる。雨天走行が少ないことを考えるとレインカバーでも十分に思えるが、晴れている日でも水たまりや泥道を走ることもある。

耐摩耗性があると、長持ちして使い続けられる。パニアバッグは特にガードレールや岩と擦れる機会が多い。車幅の狭い道で端に寄って行ったときにふいに擦れてしまったり、自転車を立てかけるときに擦れたり。

仕舞いやすく、取り出しやすいこと。ロールクロージャ―だと素早い。ジッパータイプだと壊れたらどうしようもないのと、防水性に劣る。

旅行バッグの他の機能があること。自転車を降りて街歩きをする際に使えること、使いやすいこと。


【メーカー】

  • オルトリーブ
  • モンベル
  • トピーク
  • オーストリッチ


自転車旅行で使われるバッグメーカーはこの4つ。このほかは通勤や日常使いのものであって、自転車旅行に使えなくはないが、まぁ上記4つの中から選べば間違いはないと思う。


【オルトリーブ】
ここの社長はかつて自転車旅行をしていた人。それだけにどんな機能や性能が必要なのかよく分かっているし、おそらくリサーチを続けているのだろう。近年のバッグには創業時にはない機能が追加されているし、年々改良されてもいる。

自転車旅行者の間でシェアナンバー1。おそらく7~8割かそれ以上を占めているのではないか。圧倒的シェア率。

バッグの防水性を高めるための圧着技術は他メーカーでも似たようなことをし始めていて、防水性能の点では差は無い。オルトリーブが他メーカーより1歩も2歩も抜きん出ていると言えるのは機能面。

例えば最近のパニアバッグはキャリアへの取り付けが昔のフック式(QL1あるいはQL2)ではないものがでている。QL3というのだが、バッグの裏側をフラットにできる。フラットにできると何が良いかというと、フックの突起がない分体に接したときに邪魔にならない。これを利用してパニアをバックパックとしても使えるようにしている。

このバックパックとしても使えるというのはかなりの利点で、一所に長く滞在して2泊3日で山に登ってこようとか、街歩き用のバッグとして使おうというときにすごく便利。

それに普通のフック式のパニアはほぼ自転車旅行限定使用なのだが、背負える機能があると日常使用もできる。旅行から帰ってきてもバッグの使い道がある。押し入れで眠らせずに済む。

キャリアへの引っかけ方やバッグの用途などの点で常に改良進化を続けていて、他メーカーを圧倒して利便性を高めている。この点で抜きん出ていると言える。

だた、注意しなければならない事は、QL3採用バッグは左右ペアではなく単体ということ。自転車旅行用のペア売りパニアバッグだとまだQL3の恩恵を受けられない。たぶん自転車旅行用途と考えると、フック式のほうが振動や衝撃、耐荷重の点で有利なのだろうと思う。

オルトリーブのことだからそのうちに技術は改良されて上から下へ降りてくるだろう。シマノのデュラエースの開発で培われた技術が下のグレードに受け継がれていくようなもの。

このように自転車旅行用のパニアでは無理だが、しかしラックパックは背負えるように出来ているので、こちらの使用をおすすめしたい。リアラックに乗せる都合上、Mサイズくらいが適当だと思う。オルトリーブのパニアを使えばストラップで互いを接続できるし固定が簡単。



オルトリーブ公式サイト


【モンベル】
登山・アウトドアギアだけでなく自転車旅行用の自転車やバッグなども作っている。

防水でドライバッグという名前で売っている。変な物は作らないメーカーだから信頼できるし、市場価格はオルトリーブより少し安いから手を出しやすい。

完全防水ではなく高い防水性能と控え目にうたっているが、雨天走行では完全防水と言っていいだろう。たぶん水中に沈めるとかで完全に防水できるかどうかの問題で完全防水と言わないのかもしれない。

パニアはモンベルにしてラックパックだけオルトリーブでもいい。オルトリーブのパニアと遜色は無いように思う。ただ、フックが壊れたときにそれだけ注文して取り寄せることができるのだろうか?オルトリーブではフックだけでも売っているので購入後のケアも万全なのだが。

防水機能のあるもので、オルトリーブより少し安く揃えたいならモンベルだろう。



モンベル公式サイト


【トピーク】
様々なサイクリング用品を作っているメーカー。ここも半端な物は作らない信頼できるブランド。

パニアバッグも1種類しかないが一応作っている。ドライバッグDXというもの。

防水性能は問題ないだろうが、片方で1万円以上するし、フックが金属でできているようで、これは走行したときの振動でカチャカチャうるさいんじゃないかな?一枚板を加工して折り曲げて作ってあるようなフックで、壊れにくいだろうし、曲がってもペンチで修正してやれそうな手軽さはあるように思うが、フックは樹脂のほうが良い気がする。

もっとこう、もう一歩進んだ開発をしたほうが良いんじゃないかとも思える商品。使えなくはないからとりあえず候補として選んでおく。

ただしバックローダーとフロントローダーは短期の自転車旅行では結構使える気はする。私自身、購入を検討している。



トピーク公式サイト


【オーストリッチ】
創業約50年ほどになる老舗。昔の日本人自転車旅行者のバッグと言ったらオーストリッチだった。

防水バッグもあるにはあるがあまり力は入れていない様子。多くは防水性能のない普通のバッグ。雨天は走行しないとか、走行中に降られたらレインカバーで対応とか、それでも十分走っていけるから装備を安く済ませるならオーストリッチのバッグ+レインカバーで良い。

オーストリッチのバッグは旅行バッグとしての昔ながらの見た目が魅力的かもしれない。ランドナーで旅行するなら、防水性よりも見た目のカッコよさで選んでもいい。

なにせ雨の日は必ずしも走らなくてもいいから。むしろ雨天走行は危なかったりする。じゃあ雨天走行しない!と決めて自転車旅行を楽しんでもいい。そうすると、防水バッグなんて必要なくなる。レインカバーがあればいい。



オーストリッチ公式サイト

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