524~527日目【アルゼンチン】Rio Cuarto (リオクアルト)へ スケジュールが押している プラン見直し

2015年11月15日~18日
今回は走行記録はともかく、スケジュール変更。ががばば

退屈な道。眠くなるが、路側帯の無い道で居眠り運転は100%死ぬ。たぶんひたすら真っ直ぐなのは単に最短で町を結ぶためと、有事の際に滑走路としての使用を考えているのでは

 15日はAlta Gracia (アルタグラシア)からTancacha (タンカチャ)へ、その翌16日はGeneral Cabrera (ヘネラルカブレラ)。さらに翌17日はRio Cuarto (リオクアルト)。

15日: 94km
16日: 93km
17日: 55km
18日: 休養日
積算走行距離: 19273km



広大な土地に広大な畑。その割に野菜や小麦、米の価格は安くない。これだけ広ければ収穫量も多いだろうになぁ

 写真が少ないのはつまらん道だからです。 今走っている通称「パンパ」と呼ばれる平原は、走る意味が無い。こんな所で時間を使うのはくだらない。延々と農場の続く代わり映えの無い真っ直ぐな景色は「景色は心象次第」という考えの通用しない所です。風も強いし陽射しもあるし、日陰は無い。とにかく意味が無い。探してみたけれど何処にも無い。本当に無い。全くつまらない。今旅最悪につまらない道です。おかげで心が折れかかっています。

 正直辛い。山道を走っている時は平野に憧れて、平野を走っている時は山道に憧れる。今はパタゴニアの山道を想うことがとても多く、かつて天国と考えていた平野が地獄になっています。人間というのは何てわがままなのか。

 ただ、こういう中にあって唯一の光明はサイクルコンピューターが壊れたということ。たぶん配線内部での断線が原因か、受信しなくなりました。でも今自分が何km走ったかが分からないというのは案外捗ります。当日の大まかな目標を決めて走りたいだけ走り続けて、休みたいときに休む。距離が分かると10km毎に休憩していこうと、走行をシステム化しますが、キツくなってきても何km毎に休憩という意識があるので、走り止めることに抵抗を感じやすいのです。この点でサイクルコンピューター無しというのは楽です。

 それはともかくスケジュールが押しています。

 オーストラリアでの約束の日時が決まったので、以前話した「ウシュアイアで今旅終了」は撤回。ブエノスアイレスへ行く予定を変更して、パタゴニアへ急ぎます。ウシュアイア着はカツカツの日程。行けるとは思っていますが。

 ヘネラルカブレラにいる時に、リオクアルトという大き目の街に着くのでバスターミナルでバリロチェ行きを探し、当日の夜便か明日出発便で早々にこのエリアを脱し、夢のパタゴニアへ向かおうと考えていました。

 ところがリオクアルトのバスターミナルで聞き回ってもどの会社も「No. (無理です)」とのこと。やはり基本Equipaje (バッグ類)でないと無理みたい。前回のトゥクマン・コルドバ間では運が良かったのですね。自転車持っていることを言わずにチケット買って、荷物載せる時に載せろとグイ押ししてもいいのですがね、私のポリシーに反する。

 散々聞き回って駄目で、しかもアルゼンチン人というのは結構真面目で規則通りに仕事をする、融通の効かない冷たさ。どうにか載せられないかの努力を一切してくれない点で、同じく融通が聞かないと言われる日本人より冷たいかもしれません。南米人はまず疑う。付き合いを重ねて疑いの意識を薄くしていき、信頼を思う。この時初めて人を想う。対して日本人はまず信じる。だから初めから人を想う。

 キリスト教の愛は特定のものに向かいます。対して仏教の慈悲は全てのものに向かいます。と言っても、ヘススやその他聖人の愛は全てのものに向かうのですが、凡夫の愛は親類のように特定されている点で、同じ愛と言えども性質は異なりますね。一方慈悲の観念は聖人・凡夫関係無しに等しいと言えるので、愛と慈悲に共通する「想いの性質」は慈悲のほうが完成されていると言えるのではないでしょうか?キリスト教の道徳教育がされている地域と、仏教の道徳教育がされている地域とでは、凡夫の想いの向かう先に違いがあるので、これが社会性として疑いか信頼かの選択に反映されているように思います。

 さて、チャリダーは自走せよという、バスターミナルでの孤立感の強い場違いな雰囲気…

「何か心に火がついたな。つまらん道だがそんなもの跳ね除けて、バリロチェまで行ってやる。火を消すには走りまくるしかない」

 バリロチェまで1400kmあります。14, 15日間の連続走行で走り切りたい。この日程は私にとってキツい。なにせ明らかに体がオッサン化まっしぐらで、若い時のように1日150kmとかもうあり得ない。でも今は燃えています、心が。何時振りでしょうか、頑張ります。

 頑張ります、と言っておきながら18日は休養します。この先ネウケンくらいしか大きな街が無い上、胃腸の調子が悪い。しっかり固まった便がサルタ以降出ていないんですね。腹痛は無いものの、兆しは良くない。

 パンパは道の両側に柵があってブッシュキャンプの隙が少なく難易度は高いのですが、隙が無いわけではない。南部は治安が良くなるし、真っ暗にもなるということで、最悪丸見えテント泊でもどうにか一晩といった感じか。ホテルの無い区間ではキャンプをします。町にホテルがあっても、キャンプ場があればキャンプをします。キャンプのほうが絶対に食事が充実するんですよね。

 バリロチェでは2泊して1日フリーの日を作り、そこからプエルトモンまで4日。国境の峠は1300mくらいなので難易度は低いでしょう。プエルトモンからはフェリーでチャイテンという町までショートカット。

 とにかく約束のために急ぎます。のんびりしている暇は無い。


 最近知った事ですが、ヤフー検索で「ががばば」と検索すると奇妙なことが起こります。期間限定でしょうか。

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