海外自転車旅行にお金はどのくらいかかるのか

正直考えたくない話題。でも考えなきゃいけません。それが旅の予算。

以下は自転車で世界を旅する場合の仮定の概算です。



準備にいくら掛かるのか

  • 自転車 15万円 (パーツ交換代含む)
  • 装備 20万円 (キャリア/テント/パニアバッグなど)
  • 海外旅行保険 年間10万円
  • 予防接種 8万円
  • パスポート発行手数料 1万1千〜1万6千円
合計55万円 (海外旅行保険期間1年の場合)

自転車の車体は完成車で10万円を想定。海外旅行保険は旅の期間によります。予防接種は何を接種するかによりますが8万円前後が妥当。パスポート発行手数料は5年有効と10年有効の2種類があります。

準備だけでこれだけ掛かります。私の場合、海外通販などを利用して数年かけて様々なメーカーのパーツや道具を試して厳選したため、現在の車体と装備を完成させるのに上記合計額より高くつきました。



旅行中はいくら掛かるのか

一年間の旅行と仮定して、
  • 食費 36万5千円(1日1000円)
  • ホテル滞在費 24万円(一週間のうち3日滞在、安宿素泊まり一泊15ドル)
  • 移動費 16万円(飛行機代、日本と海外の往復2回分)
  • その他雑費 10万円以上(消耗パーツ代、キャンプ場代、治療費、通信費、ビザ取得費用、出入国税、観光費)
合計86万円



旅をする地域の物価の影響をもろに受けるのが自転車旅行

例えばユーロ北米周遊の場合、物価が高いために食費やホテル滞在費が上乗せされます。逆に南米やアフリカのように物価が安い地域を走ると、食費は5ドルで十分ですし、ホテル滞在費は10ドル前後に抑えることができます。

ただし、軽犯罪率の高い地域で安宿に泊まるということは、施錠のセキュリティの点から要注意です。

食費を抑えるには現地の安い食材を利用して自炊することです。必ず米でなくてはいけないとか食材へのこだわりは捨てて、安いものを食べましょう。

ホテル滞在費は一週間のうち3日滞在を仮定しています。つまり残り4日は野宿をするということです。アウトドア中心の考え方のため、ホテル滞在を主流にする人はもう少しかかります。トラブル回避のために計画的な野宿が必要なのは言うまでもありませんが、野宿ができるなら積極的に行うと安くなるでしょう。

飛行機等移動費は、移動距離の他に荷物超過の+α分の代金を考えねばなりません。LCC (Low Cost Carrier)のような低価格航空会社を利用すれば移動距離分の料金は安くできます。が、安いだけに別途自転車代を請求されることも多い。

荷物重量を安くするには、飛行機に乗る時には水を積まない、食べ物も積まない。また荷物自体の軽量化として、最低限必要な工具だけにし、テントや寝袋は軽いものにする、衣類は春夏用だけにして寒ければ現地調達にするなど工夫しましょう。

最後の雑費については実際のところいくら掛かるか分かりません。雨天が増えればブレーキシュー代が掛かります。長距離走ればチェーン交換が要ります。病気になれば保険でおりるとはいえ一時的に治療費が要ります。

ビザや出入国に掛かる料金は国によりまちまちです。お土産を買えば日本へ送る国際宅配料金、観光費も訪れる観光地次第。通信費も現地シムを利用しない場合は国際ローミングのため高額になります。



自転車旅行は安くない

安いイメージのある自転車旅行は、実際のところ高いです。そのため思いつきでやると痛い目に遭います。準備はできたけれどスッカラカンでは旅立てません。少なくとも一年以上前から計画的な貯蓄が必要です。



旅行中に収入を得る

スポンサーが付いていれば装備は随時支給されるでしょうからその分安くなります。

また、自転車旅行者の中には株や為替の取引をしている人もいますが、元本割れやストップロスを起こせば旅行資金を圧迫する危険があることを知るべきです。

収入のアイデアとしては、自宅を借家にして家賃収入を得るとか、投資による利息収入、金やプラチナのように紙くずにならない投資スタイルによる貯蓄。日本円とオーストラリアドルの金利差を利用したスワップ収入、アフィリエイトサイト運営などがあります。

これらの収益は微々たるものですが、無いよりマシです。ただし、いずれも価値がゼロになることはまずありませんが、投資は元本割れリスクはあるため、長期運用が前提です。

つまり旅行資金は旅前の貯蓄が基本であると知るべきです。お金が尽きれば帰国せねばなりません。旅の期間に応じた計画的な貯蓄。これが大事です。

道志箱根周遊自転車旅行 4日間240km

自転車旅行フル装備

【きっかけ】
横浜草津伊香保温泉間自転車旅行から3ヶ月後。現在の愛車HEAD610を手に入れたため、また暫くキャンプツーリングをしていなかったため行うことにしました。世界ツーリングへ向けてのノウハウを作れればと思います。

【ルート】
横浜から厚木、宮ヶ瀬湖を経て道志川へ行き、山中湖方面へ進む。さらに山中湖から南下して御殿場市、芦ノ湖、箱根湯本を経て湘南、鎌倉、そして横浜着ゴール。

【一日目】
久しぶりのフル装備で早朝に横浜を出発しました。フラつきましたがすぐに慣れました。ペダリングは重いため、時速18㎞程で軽く回しながら進んでいきました。

ちょっとした登り坂がキツく、2011年の自転車旅行のときの脚力が信じられなく思いながら走ります。この重量の自転車で1000mまで登ったのかと。

厚木から宮ヶ瀬湖への土山峠は登りきれず、休憩しては登りの繰り返し。この峠は荷物を積んでいなければ休憩なしで走り切れる道なだけに、ショックが大きかったです。

自転車旅行宮ケ瀬湖

宮ヶ瀬湖を経て道志川のキャンプ場に着いた頃にはすっかり脚が売り切れていました。キャンプシーズンを過ぎていたため、私一人でキャンプ場を独占しました。

【二日目】
自転車旅行キャンプ

朝食後雨が降り出し、レインスーツ着用でテントを畳み、出発しました。道志みちを進んで山中湖のキャンプ場へ向かいますが、途中に標高1100mの山伏峠があります。

国道413号線神奈川県内最高地点

序盤から初日の疲労の影響で心身ともにヘロヘロな走行です。もう既にヤバイ、道志みち最悪な選択だわ。ネガティブな考えしか浮かんできませんでしたが、こういうのは峠さえ越えれば吹っ飛ぶということを私は知っています。

山伏峠
山伏峠最高地点。トンネルが目印

峠直前になると急傾斜になり、常に勾配12%以上はあるでしょうか、ロードバイカーでさえ悲鳴を上げる坂道を登っては止まりの繰り返しで進んでいきます。

限界です。押して登り、山伏峠を越えました。山中湖まで長く下って湖畔のキャンプ場に泊まりました。

【三日目】
自転車旅行山中湖でキャンプ

晴れて良い天気でした。ヘロヘロな脚にいきなりの難関、籠坂峠1104mがありました。山中湖が700mくらいですから400登らなければならないハードな展開。

御殿場市までの長い下り道で時速50㎞を記録しました。幅の広い道で錯覚が起こり、ここまで出ているとは思っておらず危険でした。

御殿場市から乙女峠を越えて芦ノ湖へ向かいますが、乙女峠の標高は1100m。御殿場市が450mですから650m登らねばなりません。考えてみれば、西日本一周自転車旅行の時はこんな峠坂の応酬はありませんでしたね。

乙女峠途中からの眺望

乙女峠を登るときは日が照って暑いコンディションで売り切れた脚。飲水が尽きた厳しい登りとなりましたが越え、芦ノ湖湖畔のキャンプ場に泊まりました。

【四日目】
自転車旅行芦ノ湖でキャンプ

深夜に雷の鳴る豪雨で眠れず、テントの床が雨水でタプタプになるというウォーターベッド状態の怖い一夜を過ごしました。

自転車旅行箱根峠

芦ノ湖沿岸の道を進み箱根峠に出て以降は箱根湯本まで下り一方。湘南に出るとどこからともなく力が湧き始め、疲れ切った体とは思えないほどペダルが回りました。私はこういう体の反応を「スイッチが切り替わった」と呼んでいます。

【まとめ】
道志みちは自転車乗りなら走るべきと思います。脚力を試すには良いコースです。

やはりフル装備の自転車は重いです。ストップアンドゴーの多い街中の平地メインの走行経験では、この自転車で走るのは厳しいです。ヒルクライムやサイクリングロードでのLSDトレーニングの併用で、踏み込みの力の持久力を付けるべきです。

売り切れた脚に鞭打って走るのは良くないと感じました。総走行距離でマイナスになると思います。ただし、旅の序盤に短期的に脚を作るなら、数日後の連休を予定して売り切れさせていいと思います。

上体の強化が必須だと感じました。旅前には腕と背中の筋力トレーニングはやっておいたほうがいいでしょう。走行後の疲労度に差が出ます。

西日本一周自転車旅行その1 旅のきっかけ
横浜草津・伊香保温泉間自転車旅行 7日間450km

【近況報告】1級時計修理技能士になっています【仕事・趣味・旅行】

もう自転車旅行から帰ってきて8年半も経つとは驚きで早すぎると思うし、一方で旅の記憶は少しずつ薄らいできており、この点で年月の経過を感じる。 だからこうしてブログとか、Youtubeに旅の様子を残してきて良かったなと思う。苦しいことばかりだったと思うが、今ではいい思い出。 さて現在...