2014年7月23日
干上がった川 |
先ず、死ななくて良かったということ。ひらめきが無ければ、翌朝はとても危険な状態にあり、生死を問わず今頃は病院にいたでしょう。
ひらめきですよ。これこそ諸々の不運を払拭し、死神を遠ざけたのだと思います。そしてキャンプ場の立地も幸運だった。とても幸運だった。
サライナを出る時に自転車旅行者に会いました。軽く挨拶して別れましたが、居ますねぇ。こんな何も無い所にも。
道は89号線を行きますが、インターステートハイウェイと重なっていて通れないため、側道のローカル道を進みます。
相変わらずの炎天下と向かい風。この日はこれに加えてRoad Workが2度続いてストレスでした。そこでリッチフィールドやモンローといった町を通過する度に炭酸飲料でリフレッシュ。
地図を見るとSevier (サビー)という所でちょうど走行距離が60㎞程になるため、そこで走行を終えようとモーテルを探しましたが何もありません。ザビーには89号線のジャンクションしかありませんでした。名前の出る場所には大抵町があるものですが、ここには民家があるだけ。
仕方ないのでインターステートハイウェイと離れた89号線で次の町マリーズベール (Marysvale)を目指しました。
この街へ至る山道はほぼ平坦で、途中までサイクリングロードがあります。サイクリングロードの終わりにモーテルがあったので、ここで良いかとオフィスを探しましたが見当たらず。マリーズベールまであと少しだし、まぁいいかと先へ。
肝心のマリーズベール。もう疲れが限界で気持ちが切れています。モーテルが2、3軒ありますが、Close。どういう事だ。泊まる所が無い。ここから10数キロの所にあるパイウート貯水池の湖畔にユタ州経営のキャンプ場がある。何とかそこを目指すしかない。
最小ギアでしか転がせない体力の上に、向かい風は強いし、日差しもキツイし、おまけに結構なアップダウンときた。根負けしまくって度々休み、ボウっとする。意識が遠のきそうだ。
どうにかキャンプ場 (8ドル)に着きましたが、施設はトイレのみで息をしたくないほど臭く、深砂で走れず、テントサイトは石ごろごろで最悪。少し動けば息切れする中で石をどかし、何とかテントを張って、寝転がる。もう動きたくない。こんな中を98㎞も走ってきたから。
しかし暑く、汗が吹き出し水を飲むが、もう水が無い。日の入りまであと数時間あるし、日の入り後に気温が下がるまでにもさらに数時間かかる。
自炊をして何か食べるにも水が要る。自炊無しで食える物はクッキーと食パンだが、乾燥した空気でカサカサで、口に入れて咀嚼しても飲み込めない。
翌朝まで持たない。そう直感が警告している。絶体絶命。
いや待て。落ち着け。ここは貯水池湖畔だったな。貯水池の水しかない。起きろ!水を汲んで来い。それしかない。水汲みに全力をかけるしかないぞ!
少し濁っている |
別のコンテナにタオルで濾し入れる |
フラフラしながら水汲にいく。あぁ、思いの外遠い…。2.5リットル汲んできて、この水をタオルで濾して大きなゴミを取り除く。後はMSR Mioxで浄化してやれば30分で飲料水になる。
水を得られるという事実から少し元気が出ました。この水で少しお粥状にしたコメを炊きました。疲れていて食べるのも億劫で、休みながら食べて腹に詰め込みました。チャイティーも沸かして、これにカサカサになった食パンを浸して食べ、クッキーは咀嚼後、紅茶で胃袋に流し込みました。
一命を取り留めたと言っていいでしょう。九死に一生を得ました。寝袋に包まる頃には意識はシッカリしてきました。後は翌朝どのような身体の状態か…
積算走行距離: 3442㎞