540~543日目【アルゼンチン】Bariloche (バリロチェ)へ 草原を越え、Back to Andes

2015年12月1日~4日
アンデスへ帰る。バリロチェへの終盤戦。アルゼンチン最大の観光地へ。


 結果からいえば予定通りにバリロチェに着きました。リオクアルトから15日間、1356km (グーグルマップ計算)。休養日を除けば13日間なので1日平均100kmオーバー。素晴らしい。滞在が楽しい所なら、この結果は素晴らしくなかったろう。

 今回はネウケンからバリロチェへの終盤戦4日間です。

【1日: 草原野宿】

「むっ、風めっちゃ強いな…」

 街路樹がひん曲がりながらザワザワ騒いでいます。一瞬、今日走るのやめようか考えました。でものんびりしたってここには何もありませんからね。スーパーで野宿用の食材を買って出発。

パンとコーラを買っていく。最近はチョコクッキーを食べてない。アメリカ以降チャンクモンスターになっていたのが懐かしい。Albertsonsの自家製チャンクが美味かったなぁ

「追い風だし。予想外だ」

 こりゃグングン進むだろうと余裕…な割にあまり距離が延びない。

「地図を見れば、ネウケン出発直後は西に向かうから東北東の風に背中を押してもらえる。でもバリロチェ方面の南西に進路を変えると横風になる。これが厄介で、以前書いた通り対向車が生む風は塊となってぶつかってくる」

垂れ目でニッコリの送電線


 でも向かい風にならないだけいい。日は長いのでその分走れる時間も長い。114km走って終了。標高は低いものの星空がすごく綺麗だった。日本で見るヘラクルス座は、ここパンパではとても大きい。

「野宿の醍醐味のひとつは間違いなく星空だ。夜景の美しい、いろんな都市があるが、星空にかなう所があるだろうか?」

走行距離: 114km
積算走行距離: 20346km


【2日: Piedra del Aguila (アギラ)へ】


 この日はずっと追い風でした。走り続けて115km、アギラに到着。今思えばスーパーで買い出し後にもっと走って良かったかもしれない。


頑張れ!あと少し。という応援看板。自動車に頑張れっておかしいから、たぶんチャリダー向けの一言と思う

アギラ到着

 ここまで来るのを楽しみにしていました。なぜなら、パンパはここで終わります。以降は山岳コースで、本格前のプレ・アンデスと言った具合。

「Hosteriaというまた新しい呼び名の宿泊施設があるな。ホテルマニアとしては泊まらんわけにはいくまい」

 今旅で知った宿泊施設の名称もたくさんあるものです。

  • Hotel
  • Hostal
  • Hostel
  • Hospedaje
  • Hosteria
  • Residencial
  • Motel
  • Cabaña (キッチン付きコテージ)

 モーテルとコテージは性質として違いがあります。ホステルはドミトリーがメイン。でも他はただ呼び名が違うだけで同じです。統一したらいいのに。

 現金が宿泊代金ギリギリなのでカード払いにしましたが、15%の手数料が掛かり、300ペソが345ペソに。ところが後になって隠しマネーが見つかる。持っていたことを忘れていたおかげで45ペソ無駄にしました。(-_-;)

「45ペソあればチーズとハムの詰め合わせのフィアンブレだけでなく、パン500gも買えたのだ!」

 食事を大切にしたい。私は食事から世界を感じるチャリダーです。

 そういえば、フィアンブレって中米では死者の日のご馳走で野菜サラダみたいなものなのですが、アルゼンチンではなぜかチーズ&ハム。

 でも辞書を引くと冷肉とある。形態としてはアルゼンチンのほうが正しい。では死者の日のフィアンブレとは一体何なのか。由来が気になる。

走行距離: 115km
積算走行距離: 20461km


【3日: Alicula (アリクラ)貯水池へ 野宿】

 アルゼンチン人は朝の食堂で知らない人に対しても「Buen día (おはよう)」と挨拶をします。日本人はしない。「おはようございます」というのは、知っている・これから関係を持つ人に対して使われる。朝食を食べにカフェに入った人が、近くの席の人におはようございますと言うだろうか?

 Buen díaあるいはBuenos díasはおはようございますと訳されるが、日本語とはニュアンスに違いがあることを知らなければいけない。よりオープンなのはおはようございますよりBuen díaのほう。なるほど、人の繋がりという点ではラテン系のほうが密であるのは、挨拶にも現れている。

 こういう言葉の使いどころにも文化・習慣の違いが見えるものですね。上記の挨拶はどちらがいいというものでもなく、文化・習慣なのだと理解するのが良いでしょう。


最近はパンにDulce de lecheというクリームを塗って食べている。甘い濃厚ミルクといった感じ

 この日は向かい風が強いうえに、走行60kmまでに1000m2つ、1100m1つの峠越えを含んだ行程で、これらを越えた時は15時半でした。60km走るのに7時間。アギラから100km先の貯水池を目標にしていたので、辿り着ける気がしませんでした。

湖のど真ん中を突っ切る

 どうせ日は長いし、走ろうと思えば21時まででも走れるじゃないか、心配要らないぞ。というように、自らを鼓舞する考えが自然と浮かんできました。燃えてます、心が。

アリクラ貯水池。なかなか綺麗だ

 貯水池に着いて適当な場所でブッシュキャンプ。張れる隙が少なくて困りましたが、若干まる見えでも問題ないでしょう。

走行距離: 98km
積算走行距離: 20559km


【4日: Bariloche (バリロチェ)へ】

 快晴で風が少ない最高の条件。でも湖や貯水池沿いの道というのはアップダウン激しいものです。

 お昼ごはんにオートミールをココアで味付けしたものを大量に作りました。オートミールは米の代用品として優秀です。甘い味付けだけでなく塩味でもいけるし、スープに入れてもいい。

景色が凄くなってきた。川の色とかめっちゃ綺麗で透明度が高い


Patagoniaという文字を見ると「おぉ~来たなぁ」って思う


 次第に西風が吹いて向かい風あるいは横風になったものの、そんなものは問題ではない。今日はバリロチェ。それしか頭になく走り続けて到着。

 アルゼンチン最大の観光地と聞いてやってきたものの、?な感じ。綺麗な街ではある。けれども普通の綺麗な街です。カナダのバンフっぽいですが、バンフのほうがもっと綺麗です。

「たぶんトレッキングツアーとかが充実しているのだろう。湖のクルージングとか、周辺地域に見所満載のようだな」

 バンフは街中に見所があって、街ブラするだけで楽しかった。バリロチェも楽しいけれど、まぁ着いたばかりなので明日以降どうなるかな。

 ツアーに興味は無いので博物館と食事と、アウトドアショップを観てみようと思います。

バリロチェでオススメの宿

腹が空いているので宿に到着早々にスーパーへ行って肉を買ってきた

素晴らしいキッチン

日本語他、各国語で注意書きがある

走行距離: 108km
積算走行距離: 20667km


【今後の予定、バリロチェという目標を終えて】
 アルゼンチン中部、コルドバから南にあるリオクアルト。この町で心に火が点いて15日間でバリロチェまで走ってきました。その目標を達成して火が消えて、ひとまずは落ち着きました。

 走行距離の平均が、走行日から計算すると1日100km超。頑張りましたね。やればできるもんですね。気になったのは108kmで走行終了することが多かったこと。煩悩だろうか…何かの兆しなのか。

 心に火が点いて、しばらく見えなかったものも見えるようになっていた気がします。何が見えていたのかというのは言い表しにくいのですが、長い道の先にうんざりしないというか、前進力がありました。

 道中応援されることが多かった。差し入れもたくさん貰えた。自転車旅行というのは人の優しさを感じる旅。私はここに、この旅行形態の真髄を思います。

 バリロチェで3泊した後に、チリのプエルトモントへ向かって走り始めます。4日間で到着予定です。

 アウストラル街道が近いというのは、プエルトモントまでのモチベーションになります。新たに火が点くことになるでしょう。

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