ボリビア南部の宝石の道を自転車で走ることとは

ボリビア南部、宝石の道

宝石の道を突破しました。ウユニの町からチリのサン・ペドロ・デ・アタカマまで12日間掛かりました。以降長文となりますが、後続のサイクリストのために私が得た経験を書き記しておこうと思います。

【走行記事リンク】

【道程】
ウユニの道から、アロタ西45kmの宝石の道入り口までは未舗装だが走れなくはない。宝石の道に入ると深砂・がれ場・コルゲーション (Wash board road: 洗濯板のように波打った道)の3重苦の中走行することになる。道後半のSol de Mañana以降は比較的走りやすくなる。道前半では1日1回必ずコケた。大抵は深砂にタイヤを取られたのが原因。

【風】
主に西風で、吹くと強烈。朝は無風、午前10時頃から日没まで吹く。砂埃や砂嵐をよく起こす。

【走行距離】
上記の道と風の影響により、1日20~30km前後が限界。午後2時には走行不可となり、テントを張って終了という日も度々あった。また、空気が薄いために力が出ない。体力の回復も遅い。標高は常に4300~4900mの間にいる。

Day1: 40km (内25kmは宝石の道前)
Day2: 28km
Day3: 20km
Day4: 32km
Day5: 19km
Day6: 31km
Day7: 43km
Day8: 33km
Day9: 58km (San Pedro ゴール: 43km2200mダウンヒル)

【野宿場所】
先達のサイクリストたちが作った防風のための石組みや、廃墟が道中に見られるのでそれらを使う。あるいは大きな岩の陰でも良い。西風対応でテントを張るが、ペグダウンできないので張り縄絶対。設営や撤収時に風が強い時は、インナーテントに重めの荷物を放り込んでからポールを張ると、テントが飛ばされることを防げる。ちなみに車道から丸見えでも全く問題無い。ここに強盗はいない。

【食料と水】
湖は全て塩湖なのでその水は飲めない。水はホテルの洗面や屋外の水道からただで入手可能。ストアの食べ物は高額だが、辺境なので仕方ない。売っているものはお菓子やジュース、酒、缶詰で、米やパスタは無い。Laguna Coloradaのtienda (ストア)は、ツアー客の来る夕方頃に開店するようだ。その他の時間は人が居ないようで閉まっている。ツアーのジープが走り回っているが、話しかけられて水とお菓子を貰う機会が何度かあった。手持ちの食料はこれでもかというほど過剰が丁度よい。

【ホテル】
道前半のHotel tayka del Desiertoというtaykaグループのやっているホテルがある。建物を風除けにテントを張らせてもらおうとしたら、関係客用と思われるドミトリーのベッドを使わせてもらえた。交渉相手は女性で、一泊幾らか聞いたら「サイクリストからお金は貰わない。よく休んでね」との太っ腹な優しさ。ホテル奥の食堂ではコーラと酒を売っている。コーラとセットでスープ・パン・肉じゃがみたいなプレートが付いて20ボリで食べられた。夕食は分からないが、朝食は10ドル (70ボリ)と高額だったので、電熱コイルでパスタを茹でて自炊した。

【その他注意事項】
ガソリンはウユニの町以降補給不可能のため、そこいらに落ちている薪や、ホテル泊まりの際に電熱コイルを使って調理するなど、ガソリンの温存に努めたほうが良い。ただし薪は道後半になると全く落ちておらず皆無。ホテルにも部屋にコンセントが無かったりなどすることもある。

順路は基本的に車の轍に沿って走っていれば迷うことは無いが、時折GPSで位置を確認したほうが良い。

深夜にとてつもなく冷えるため、凍死しないように防寒対策必須。寝袋の中に毛布を入れたり、手袋をしたり、靴下は2重にし、あとはとにかく着増す。ちなみにこれでも寒かった。

重たい物、食べ物や水はリアラック上に置くと重心が高くなってペダリングが楽になる。サイドバックを重くしてはならない。特に宝石の道の悪路では、サイドバックが重いとバッグとラックが壊れる。

【近況報告】1級時計修理技能士になっています【仕事・趣味・旅行】

もう自転車旅行から帰ってきて8年半も経つとは驚きで早すぎると思うし、一方で旅の記憶は少しずつ薄らいできており、この点で年月の経過を感じる。 だからこうしてブログとか、Youtubeに旅の様子を残してきて良かったなと思う。苦しいことばかりだったと思うが、今ではいい思い出。 さて現在...