502~503日目【チリ】Salta (サルタ)への道 Day3~Day4 アルゼンチン入国へ

2015年10月24日~25日
舗装路が終わった日。248km続く未舗装路の始まり。


 現在地は特別地名の無い場所。これから先で未舗装路になることは知っているものの、何km先かは知りません。野宿撤収を終えて6km進むと未舗装路に…

「早っ!えぇ~…」

【24日: Laguna Tuyajto近くで野宿】

「ここから遂に未舗装路か…(-_-;)ハァ。もう嫌だな。また砂埃を浴びる日々が始まるのだ。いつ終わることやら…」

これほど憂鬱なことがあるだろうか?舗装路終了

 宝石の道で散々走らされ、サンペドロに到着した時はもう走ることはあるまいと喜んだものの、情報収集で未舗装路になることを知り、そしてそれが今目の前に。いつまで続くか分からないところが恐ろしい。まぁ国境までだろう、アルゼンチン入りすれば舗装路になるだろうと、この時は甘く考えていたのでした。

 深砂・コルゲーション・がれ場の3重苦。ツアーのコースにもなっているようでジープが往来する。宝石の道に戻ってきたのだろうか?という錯覚。

「こういう道では時速10kmも出ないのだけど、その原因の90%は自動車の作るコルゲーションだ。コルゲーションさえ無ければ、そこそこのスピードで走れる。深砂エリアは走れなくなるもののそんなに長い区間継続しないし、がれ場もガタつくけど速度を奪うほどのデコボコは、深砂同様長い区間継続しないからな。コルゲーションは延々と続くから困る。フルサスMTBで旅行したいくらいだ」

 行き先の看板を見ると「Aguas Calientes」の表示。温泉か!?おぉ、浸かりたいなぁ…


個人的にはウユニ塩湖に匹敵する美しさと思う

ツアー客たくさん。車で来る人はそりゃ楽しいよね

 と思いきやSalar Aguas Calientesという、温泉という名の塩湖でした。ガッカリしましたがこれがなかなか綺麗で悪くない。こういう所でテント泊もまた良いのですが、でも今日はもっと先へ。明日ボーダーという目標があるのです。

追い風だが、こういう悪路で強風は勘弁願いたい

Laguna Tuyajto

山と塩湖のツーショットはやっぱり美しい

 Laguna Tuyajtoに到着しました。こちらも塩湖でなかなか綺麗です。ツアーもここまでなのか、自動車の通行がこの塩湖から先には少ないようで路面状況が劇的に改善。土を濡らして圧縮して固めたような、とても滑らかな道。鼻歌交じりで快走。

「ジープの通行が無くなると路面状況が良くなった。ツアー区間は最悪だな」

 ここで風が西風が凶悪になったため、岩陰にテント泊。いつも通り風除けの石組みも作って、テント内では晩飯調理で使うウッドガスストーブ用の薪をノコギリで刻む。あとは昼寝をしたり、スペイン語の辞書を読んだりして過ごす。

走行距離: 50km
積算走行距離: 18329km


【24日: アルゼンチン国境事務所泊】

 また寒い野宿でした。昨日未明はそんなに寒くありませんでした (標高3780m)。でも本日未明はとても冷えた。標高は4180mくらいです。4000越えすると万全に着込んでも寒いもんです。寝袋を-10℃くらいで使える品にしないと、着込むだけでは対応しきれません。



「辛い日々だな。疲れているし、今日は峠越えが2つ。4500と4400だ。No ストイックに自転車旅行をやりたいもんだ」

 未舗装路でありえない傾斜となると押して歩くしかありません。道の先を見て、まだ続くまだ続くと思い始めると心が折れかかっている証拠。

「200mずつ進もう。息が切れる。もう少し傾斜が緩ければ、自転車に乗って500mずつ進めるのになぁ」

ダウンヒル開始。アルゼンチンが見えた!

アルゼンチン綺麗だな。黄金色の草とピンク色の土、青空

 今日最後の4400mの峠を越えるとダウンヒル。国境までスイスイ進んで遂にアルゼンチンへ。国境から13km先に国境事務所がありますが、国境を跨いだ途端、路面状況が悪化。

サルタまであと300km近くあるのか、果てしない。最初のまともな町はサンアントニオ、135km先

これをくぐった途端、路面悪化

「チリ側は土の押し固め路面でスムースだったのに、アルゼンチン入りしたらまたコルゲーションが出てきた。果てしない…」

立派な建物が見えた。あれがアルゼンチンの国境事務所か

 とは言えアルゼンチン国境事務所まで基本下り。事務所内に入るとイミグレのブースには誰もいない。係員を見つけて呼ぶと、

「今日は泊まっていけ。宿泊施設があるから。その方がいい。スタンプは明日お前が出発するときにやるから」

なかなか綺麗だな

キッチンも使えるのか。ただし調理器具や食器は無いから自分のを使う

私の他にもうひとりバイカーがいた。彼はウシュアイアへ行って来たという。パタゴニアはヤバいくらい綺麗だったと言う。期待膨らませるのぉ〜

 ということでドミトリーですが無料で宿泊できました。キッチン・シャワーもある。シャワーは水ですが夏場のプールくらいの水温で、どうにか浴びれないこともない。しかも事務所近くにはパスワード不要のフリーWIFIまで飛んでいる。

アルゼンチンのコンセントの形状。これはチリのプラグ (丸い部分)にも対応している形で、丸い部分の無いタイプもある。何にせよ日本でお馴染みのプラグは使えないので、アダプター (Adaptador)を買う必要がある

 キッチンの水は飲み水には適さないようなので、事務所に行ってAgua Pura (浄水)を貰いました。「もっと欲しかったらまた来い」とサービス精神が素晴らしい。しかもこの時「腹減ってるか?」とも聞かれ、日曜日は肉の日だということでアルゼンチン名物のCarne Asada (焼き肉)とパン、サラダ代わりにトマトをたらふく食わされたのでした。幸せ。

「何ていうか、体中の血管にタンパク質が流れ込んでいく感覚があるな。サンペドロでは野菜と炭水化物ばかりだったからなぁ」

 腹膨れてシャワーも浴びれて、寒くない部屋で眠れて、毛布まで貸してくれた。アルゼンチン最高だな。アルゼンチンが俺を呼んでいる、歓迎している。

チリ編終了

走行距離: 53km
積算走行距離: 18382km

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