491~493日目【ボリビア】宝石の道 Day4~Day6 標高4800mまで

2015年10月13日~15日
宝石の道中盤、耐えて進む日々。


 Hotel tayka el desiertoで有り難い無料宿泊をさせて頂きました。ゆっくり休めたものの標高の高さから体力の回復が遅く、4日目の朝には既に若干の疲労を感じ始めました。

【13日: Arbol de Piedra付近の奇岩地帯で野宿】


 HotelからArbol de Piedraまでは30km以上あります。今日のうちにどうにか着ける見込み…ではありますが、悪路はともかく、西風次第かなと言ったところでもあります。

こうも何もない砂漠を走っているとは

 朝6時50分に出発。気温が低く、手先が冷えて痛い。でも寒いうちは風が弱くて走り時。コルゲーションの振動で痺れも起きてきましたが、耐えて走っていきました。

こういった廃墟も風除けに使える

「手先が痛いけれども、肘あたりも痺れて、こういうのは何か怖いな。両腕動かなくなるんじゃないか?回復してもらいたいな」



結構寒くて着増していて、怪しいチャリダーになっています。これは俺なのか?ダンディズムの欠片も無いな。ダサい

 風が強い中でArbol de Piedraに到着しました。直訳して「石の木」と言いますが、強い風で砂が打ち付けられて削れたものでしょうか?砂に埋まっている部分が計り知れませんが、この根本の細さで上部の巨大部を支えるには足りないでしょうから、地下は大きな塊になっているでしょう。

「特別、感動するとかは無いのだな。どこ見渡してもすでに凄いから。特殊な形ではあるけれど、まぁそれだけという感じか」

 ちなみに、宝石の道を自転車で走っているとヒーロー扱いされます。握手と、よく写真を撮られます。Arbol de Piedraにも観光客はいましたが、気さくに話しかけてくれて、Piedraとのツーショットを撮ってもらえました。ただ、チャリダーなんてこの道を大勢走っているだろうに疑問でもありますが、まぁ悪い気はしません。それに無碍に断っても、彼らの観光気分を害すだけで良くないですしね。

斬鉄剣でスパッと切られたような割れが見られる奇岩が多かった



 ひと通り奇岩観光を終えて、時刻は13時。ここから18kmくらい先にLaguna Coloradaというところがあって、そこには安宿もあります。時間的に行けなくはなさそう。でもこの奇岩群を前にして、ここで野宿しないのは勿体無い。ということで、凶悪になってきた西風を避けられる岩場の陰にテントを張りました。

「風を受け止めるものが散在しているということは、一方的な風だけではあるまい。物にあたって方向を変えた風がテントに吹き付けるということもあるから、張り縄は全方向対応で」

 昼寝をしていると時折テントに砂が降ってきてパラパラと騒ぎます。砂嵐が起きているようです。

 また、この辺りは砂と石ばかりで薪が全く落ちていません。調子の悪いガソリンストーブに頼った夕飯作りをするのはなかなか緊張しますね。

「全く時間が掛かるな。ジェットが怪しいのだけど、固着して外れなくなっているもんな。どうしようもない」

走行距離: 32km
積算走行距離: 17967km


【14日: Laguna Coloradaでホテル泊】
 昨晩見た星空は一級品でしたね。標高が高いと星空はよりクリアに見えて、故郷横浜にない美しさを感じたのでした。ただ個人的にはヘラクルス座が逆さまというのが気に入らないのですが。

 今日はLaguna Coloradaまでの20kmくらいで終了。標高を落としていく行程ではありますが、深砂とコルゲーションの地獄で、それに今日は朝から風が強い。

「普段、辛い時は1km単位で意識してジリジリ目標まで詰めて行くけれど、今日は100m単位だな。こりゃ長い」

 Laguna入り口前には国立公園事務所がありまして、ここから先へ行くには、この事務所で入場料150ボリを支払い、チケットの半券を貰わねばなりません。半券は公園から出るときに提出します。また、チケットの有効期限は4日間です。つまりLaguna Coloradaから公園終わりのLaguna Blancaまで、チケット購入初日を含めて4日間で走り切る必要があります。ただし、たとえ期限を超えても滞在超過分を支払うかすればいいのでしょうから、プレッシャーに思う必要はありません。むしろ、ここに来るまでにお金を持っていないという方がプレッシャーでしょう。

 事務所から数百m先にカンパメントがあって、ここに安宿が数件あります。ホテルの看板が出ていないので迷いますが、土壁みたいな長屋がホテルです。私は事務所から一番遠い所に入りました。1泊20ボリで、トイレ共同。ただし部屋にコンセントが無いなど、まぁ安いので仕方ありません。

 このカンパメントにはストアがあります。宿代を安く上げた分、ストアで缶詰やスープの素、コーラ、お菓子を買いました。ツアー客がホテルに来る夕方頃に開店するようです。昼間は人が居らず買えませんでした。

 以降は電気の点かない部屋で、風の轟音を聴きながら寛いで終えました。

「明日止むだろうか?経験的には日没で止んだら翌朝も静か。と言うか、今日は一枚も写真撮らなかったな」

走行距離: 19km
積算走行距離: 17986km


【15日: 標高4800mで野宿】
 この日はLagunaColoradaのサイドを通過し、標高を一気に上げていく行程。宝石の道の走行で一番辛い日となりました。

 先ずLaguna Coloradaの周囲は深砂とコルゲーションの地獄で、朝はツアージープ数十台が砂埃を上げて行く道です。風向きによっては砂埃を何十回も浴びねばなりません。

 次に標高を上げる行程では、地面に石が埋まったゴツゴツした路面でかつ、砂利のおかげで踏ん張る足が滑る急傾斜登坂です。

 この急傾斜登坂のほとんどを自転車を押して上り、頂上まで約3時間かかりました。

「疲れたし、風も強い。もう終えたいけれども風除け一切無しなのね。石ころあれば、自分で風除け作れるんだが」

 頂上以降はアップダウンしており、西風に向かって走る場面では自転車を押す。ハードワークでしたね。連日の走行の疲労もありますし、かなり辛かった。


 石ゴロゴロの良さそうなエリアを発見したので、風除けを作ってテントを張りました。重たい石を何度も持ち上げて重ねていく。しゃがみこんで立ち上がると目眩がする。ここは標高4800m。ハードな運動は禁止ですね。ゆっくり時間をかけて作業することに改善。

「車道から20mくらいしか離れてないとか笑えてくる場所になっちゃったけど、まぁいい。どうせこんな所には強盗はいない。ツアーのジープから丸見えだけど、お客さんは楽しいだろうな。笑 あんな所に野宿?みたいな…」

 今日も写真1枚だけという…辛い走行の時や、似たような景色が続く時というのは写真撮る気にならない。

走行距離: 31km
積算走行距離: 18017km

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