477~479日目【ボリビア】Salinas (サリーナス)へ ウユニ塩湖へ向けてラストスパート

2015年9月29日~10月1日
暇な地平線走行、忍耐の向かい風、深砂転倒の未舗装路、痔の恐れコルゲーション、とにかく怖い竜巻。

オルロから出発

【29日: 橋の下で野宿】

 ホテルから北へ1ブロック先を右折すれば、あとは真っ直ぐ進めばいいので脱出するのは簡単でした。いよいよウユニ塩湖へ向けた走行です。

「ウユニ塩湖が近いけれども、ひとまずは今日の目標を達成することを目指すことの繰り返し。さてどこまで行こうかな?野宿と決めているから行けるとこまで行った先で探せばいい。でも一応はここかなという目星はある」


 情報によるとオルロから104kmさらに112km先に川があって、そこがWild Camping (野宿)の機会とのこと。取り敢えずそこを目指してみようか。

こういう景色は初め見た時は感動したものだった。どこまで続いているのだろうかと興味があった。今ではいつまで続くねん!としか思えない。フレッシュさがもう無いが、腐っても鯛を目指したい (?)

遠くに湖があるように見えるが実際は無い。こういう現象を…何て言うか忘れた

 今日も相変わらずの地平線走行で、30km走ると気持ちが萎えてきました。アルティプラーノと言ってもそれはマクロ的視野に立って見た時に平原なのであって、自転車で走るミクロ的視野においては上ったり下りたりをひたすら繰り返しているのです。

パンクした。この辺りの道路には車のタイヤの残骸が散らばっていて、それから発生した細かなワイヤー片でパンクする。大抵のパンク原因はそれであって、ガラス片ではない

何をどうしたら車のタイヤがこうも崩壊するのか意味が分からない。シュワルベは自動車用タイヤもマラソンシリーズで造るべきだと思う。パンクしない・壊れないタイヤ。ミシュランを超えられるのではないか

「午後2時の時点で60kmか。100km走れるもんかな?怪しい…」

 私はチャリダーの中ではゆっくり走る方です。無風で時速15kmくらいです。午後5時には走行を終えたいのであと3時間。3✕15kmという計算が成り立つなら間に合いますが、こういう計算で距離を予想するのはトーシロ。時速15kmで3時間も継続して走れませんよ。私の速度だと1時間で11kmくらいです。休憩と風がありますからね。

この橋の下が良さそう。ただ、このキャンプ地には地面を蜘蛛がウロウロしている。数は多くないから問題ない

 結局情報上104km先の川には106km走って到着。時刻は6時。この前にも野宿できそうなエリアがありましたが、川のほうが飲水の確保上気になったのです。

翌朝撮影。歩いて対岸に渡れるほど水量が少ない

 ただ、乾季のためか水量が少なくて淀んだ感じ。こういう水は余程のことでもないと飲水にしたくない。MIOX浄水器は水中の微小なゴミというか物質を除去するわけではないので、ガーゼで漉したりするのだけれども、重金属類や微生物となるとフィルター付き浄水器が必要なのでしょう。でもそこまで気を使う必要あるかな?

 さてボリビアに入国してから野宿の危険をあまり感じません。慣れてきたからなのか、国民性が大人しいからか。ラパス滞在中も至って良い治安にしか思えなかったし、カナダ・アメリカに匹敵する安心感を感じる。

走行距離: 106km
積算走行距離: 17328km


【30日: 砂漠で野宿】

 この日はウユニとサリーナス方面の分岐までは調子良かったのですが、サリーナスへ向かうと向かい風が強くて3km単位で進み、しかもあちこちで竜巻発生で車道横断してくるわで大変でした。

 自転車旅行に慣れてくると今の生活が普通になって、この生活自体が凄いことであるという実感が無くなります。我々の旅行形態を見て普通の人は凄いと言いますが、我々にはどうもその実感が無い。旅を終えると湧いてくるものなのでしょう。西日本一周自転車旅行をやり終えた後がそうでしたから。

 本来空の世間において、この旅が自分にとって何になるのかということを常に自問自答していかないと、凄いことが無駄になる。何せ本来空であり何もかも無駄なことだから。けれども人は無駄な中で生きはしないのだから、宇宙の空という本来性を意識しつつ、そこに生きる意味を見出そうとする自問自答の仮観を繰り返すことでバランスのある生き方ができる。



この街で飲み物とお菓子、果物、ガソリンを補給していく

ガススタンド (ガソリネラ)。英語ではガソリンはガス、スペイン語ではガソリーナ


ワリでも水と食べ物を得られる


ウユニ方面は絶賛道路工事中。来年前期には開通しそうな気がする。後続のチャリダーにとっては良いニュース

竜巻が発生

星空が綺麗だった。オリオン座が逆さまに見えたため、シリウスを見つけるのに苦労した。星空を撮れるカメラがあればなぁ

走行距離: 92km
積算走行距離: 17420km


【1日: サリーナス到着】

 風の強い日に砂漠で野宿すると良いこと無しです。細かい砂がフロアに入り込んできて床が砂だらけです。幸い深夜には止んでくれましたけど。ボートに穴が空いたので沈まないように水を掻き出すように砂を掻き出していました。床を手で掃いて、集めた砂を摘んで外へ出す。


一部、敷かれたばかりなのかベトベトして走れなかった

 8ヶ月前、サリーナス方面へ向かったチャリダーのブログでは80km地点 (たぶんHuariという町から)からは未舗装路になっていたのですが、現在はサリーナス手前20km地点まで舗装路となっています。開通はしていませんが、自転車で走っても怒られませんので問題なしです。中南米人ってこういうとこ、とてもおおらかです。

深砂。自転車を引きずる

コルゲーション。通るたび跳ねるのでおしりが痛い。ボリビアで初めて見た気がする。他の国には無かったような…

 キツかったのはサリーナスまでの残り20km。コルゲーションという自動車の通行によってできる路面の波打ちがあって、これのおかげで自転車が跳ねる跳ねる。速度が出ないので脇のコルゲーションの無い所へ逃げますがそこは深砂で走れない。

昼食。パンとクッキー、リンゴ、コーラ

Goal Zeroに直接接続でスマホに給電しています。満充電まで晴天下でコンセントの2倍は時間掛かります

砂山で自動車の通行をできなくしてありますが、自転車は越えてしまいましょう。怒られたらそんときゃそん時です

「こりゃ長い戦いになりそうだ。登坂と一緒と考えて、音楽聴きながら2km単位くらいでジリジリ進むしかないなぁ…」

今日も竜巻発生。これは中でもとりわけ綺麗だった


深砂にはまる

自動車の通行のたびに砂埃に塗れる

道が険しくなる

 サリーナスまで記憶が無いのは、キツイ道を走る時と一緒。石ゴロゴロのところにはまってコケる。

「アホじゃねえのか?世界の観光名所ウユニ塩湖に近いところで2015年まで未舗装って、今まで何してたのよ」

 こういう道走ってるとイライラしてくる。修養が足りないんですよ。慈悲だっていつも意識していてもなかなか難しいもんです。南米の国は一極集中で、首都で大半の工事が行われます。例えばラパスにはロープウェイなんてものがあります。そこに金かけるくらいなら先ず全線舗装化だろうと思うのですが、物の優先順位の考え方が違うんですね。

サリーナスが見えてきた

外見は寂れていますが、セントロへ行くと賑わっています

靴が砂埃塗れです

 サリーナスではホテルを2件あたりましたがスタッフ不在。エクアドルにもあったResidencialという格安宿をエンパナーダ売りのオバちゃんに教えてもらって泊まることに。このホテルにはレストラン付属で夕食はここで。で、このレストランのスープが美味かった。場所はここです。1泊30ボリです。

Residencial兼レストランの場所。サリーナスは航空写真じゃないと町の形が分からない

「さて、明日は今旅最大の目標ウユニ塩湖か。野宿予定だし、ウユニの町まで3日かける予定でもあるし、明日はゆっくり目で出発するか」

走行距離: 73km
積算走行距離: 17493km

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