462~463日目【ボリビア】La Paz (ラパス)へ 首都に到着 世界有数の街並みを眺める

2015年9月14日~15日
ホテル無い、水も無い。そういう時は川に張ればいいじゃない。遂にラパス到着!

チチカカ湖の青さ

 コパカバーナで泊まったホテルはボロで、WiFiはありましたが激遅であてにならず何ひとつ情報収集ができませんでした。でも行った先でどうにかすればいいと、道の先についてあれこれ心配していては自転車旅行なんてできません。ただしこれから行くことになる宝石の道のような超難関は別として。

【14日: ラパスまで50kmにある川原で野宿】

 快適ではない宿にいつまでいてもしょうが無い。「Ya se va? (もう行くの?)」と言うスタッフ。"もう"と言う程のゆったりできる快適さはこのホテルに無いのです。1泊30ボリなのでソル換算だと15くらいなので安い。まだお金の価値の意識がソルで働いています。

逆光で見えにくいが、ラパスまで151km。でも距離表示は当てにならない

 コパカバーナを出ると標高400mアップ。大きな登坂では500m〜2kmずつ進んで休むのが私流登坂ノウハウ。あまり頑張らず、坂道は時間をかける。時間がかかった分は下りで取り戻せるから慌てなくていい。この登坂では時折エクアドルを思い出す懐かしい急傾斜が現れました。

コパカバーナを上から眺める

「コパカバーナの周辺地域は小さな半島なのに、こうも標高の高い山があるのは不思議なもんだ」

 山肌を見ると噴火というよりは隆起によって形成されているようです。そう考えると、普通は山岳エリアになるものですが、ほぼ平原のアルティプラーノ全体が奇跡的なものです。ウユニ塩湖は確か、海水が閉じ込められて、干上がってできたものとか。あれだけの塩ができるのですから、太古の海の塩分濃度と言ったら死海並みだったのではと思うほどです。チチカカ湖も隆起の際に閉じ込められたのでしょうか?だとしたら干上がって塩湖にならなかったのは、川からの新しい水の流入が常にあったからでしょう。



 4238mまで上ったあとは多少のアップダウンと平地と下りで、Tiquina (ティキナ)という町まで楽です。

ティキナ展望台より


「船で対岸まで渡る必要ありか。その前に昼飯でも食うか」

 海のような錯覚をするほど広いチチカカ湖を、海ではないと認めるには第一には匂いでしょう。潮臭さが無いのです。湖ですから当然ですね。



 渡し場近くのComedor (食事処)で一服して対岸まで船で渡りました。船は2種類ありますが、自動車を運ぶ船であって、チケットを買う方ではありません。私は10ボリで渡りましたが、金額は渡し守次第でしょう。ちなみにこういう値切り交渉の習慣の無い所で値切ったって小さい人間と苦笑されるだけで、渡し守には迷惑なものです。

 対岸の町からたぶん150mアップと思いますが上ります。最近上りに関してある種の感覚を得まして、筋肉疲労の起こらない感覚ですね、これを得たわけです。だからと言って登坂が楽なわけでもなくエナジーの消費もされるわけですが、ただ、何というか、エナジーの補給さえされていれば延々に上っていれそうではあります。でもいわゆるペダリングハイ状態ではないと思います。

ボリビアが誇る雪山連峰。6000m級が連なる

ボリビアの舗装工事のやり方。穴の空いたところに手頃な石を敷き詰めて固める。アスファルトを使わない節約法か?

 この日はHuarina (ワリナ)という町で終えるつもりでした。ちょうど道の分岐のある町ですし、ホテルがあるだろうという予想でした。ホテル泊を選択したのは持ち水が少なかったからと、ボリビアという国の雰囲気をまだよく分かっていない状態で野宿するのはリスクがあると考えたから。でもワリナは予想以上に寂れていてホテルが無かった。

「町外れにAlojamientoというのがあるな。たしかこれも宿泊施設の意味だったと思うけれど、ホテル・ホスタルではないイレギュラーな名前の宿泊施設はラブホだったりするからな。この先15kmにBatallas (バタージャス)という大きめの町があるし、そっちに行けばまともなのがあるだろう」

 ところがバタージャスに着いて町中をくまなく走ってみるもホテル無し。

 犬が吠え立ててきました。私は犬に対しては逃げるより戦うことを選ぶ人です。だから遠慮無しに、自分に接近してきた頃合いを図って蹴りを見舞います。また翻して逆にこちらから追い立ててやるのです。ビビらせてやらないと後続のチャリダーのためになりません。言葉の通じない相手には体で教えてやるのです。

「…しかし参ったなこりゃ。首都に近い町ってのは大抵ホテルがあるもんだけど。期待を込めてもう少し先へ走ってみるか。でももう疲れた。早く休みたい」

 ホテルがないか探しながら走りますが期待できそうにありません。農家の家々が延々続くだけで、宿泊施設は皆無。そんな時に川を見つけました。

「透明度の高い綺麗な川だな。雪山の方から流れてきている。これなら飲水になるかもしれない。なら今日は野宿できるかも」

青い線が川。幹線を横切っているということは橋がある。川原は私有地でないことが多く、野宿しやすい。ただし増水に注意するということと、身を隠せないため車道から遠く離れること

 初めに見つけた川は洗濯などがされていたので、その川の水を飲水にしたくない。グーグルマップを見るともう2km先に川の表示があったので期待して走って行きました。

 手頃な川原を見つけて野宿。車道からできる限り離れた先で。川の水を汲んで夕飯と明日の朝飯用にする。

「どうにかなった。どうにかなるもんだ。ホテルをあてにした走行というのは結構ストレスになりつつある。野宿に慣れてきた証拠かもしれない」

走行距離: 104km
積算走行距離: 16928km


【15日: 首都ラパスへ】

 重大ミスはこの川原でのテント泊写真を撮り忘れたということ。一応グーグルマップのGPSで場所のスクリーンショットは撮っておきました。

この辺りの川原で野宿した

道路工事が増えてきた

 ラパス市街へ入るには一旦エルアルトという町 (4000m)まで上ってから下る。だからこの日は当然ながら緩く長く上って行きました。

「(;´Д`)。デスビオった道がキツい」

 道路工事区間は舗装路からDesvio (迂回)するのですが、そこはガタガタの未舗装でかつ、砂埃防止のために散水車で水を撒いているため泥道になっていました。時速8kmで2km程度走ることを何度か繰り返し、疲労困憊とサイドバック泥汚れでエルアルト地区進入。

「エルアルトは貧民が多くて治安が悪いらしい。ボリビア人も注意する町。早く通過したいところだが、またデスビオってるな…」

こういう道走るのホントうんざり…

 エルアルト町内でも幹線道路の工事。迂回先は未舗装で、交通量と砂埃の地獄でした。

 この時点で既にラパスが嫌いになっていました。もう行かなくていいのでは?そう思いながらラパス市街への下り道に入ると街を一望。

これがラパスか。凄いな…

パノラマで

ロープウェイがあるのか

 途端、ラパスが好きになりました。盆地の斜面にまで築かれた街並みは圧巻。自転車から降りて立ち尽くして眺める。

「苦労してきたかいがあったな。なぜこんな盆地ができたのか。こんな所に街を造ったのか。アルティプラーノなのだから平地に造ればいいものを。わざわざ盆地に造ったら斜面がキツくて歩きにくいだろうに」

 エルアルト地区とラパス市街セントロの標高差は400m弱。これほどの標高差を都市内に持つのはラパスだけでしょう。エクアドルのアンバトも標高差のある坂の街ですが、確か300mくらいだったかと。

 幹線を進んで下っていくとAuto Pista (高速道路)となり料金所がありますが、そのまま通過で大丈夫。路側帯は広くて自動車と距離をとれるし停止して市街写真を撮ることも容易ですが、少々でこぼこした路面のため走りにくい。

写真をよく見れば、急傾斜にあることが分かる

2階にあります

 向かった先は幹線から急坂を上った先にあるHostal Austria。日本人他、旅行者から定評のある宿です。宿泊者が少なかったためドミトリーを個室として利用することになりました。料金はドミトリーが1泊40ボリ、個室が45ボリです。たった5ボリ追加で個室にできるなら、個室にした方が良い。部屋の鍵も貰えるし、セキュリティを確保でき、プライバシーもあるし快適です。ガス式のお湯シャワー、WiFi良好、キッチンあり、スタッフ優しい、セントロ立地。唯一の不満は、WiFiの届かない部屋になったこと。フロント前の共有スペースでネットを使います。

 到着時刻が13時半くらいだったので、昼飯がてら街中をぶらつきました。セントロを歩いただけですが治安良好に思えました。通常の注意をしていれば何ら問題無くうろつけそうです。夜間も21時くらいでもわんさか人通りがあります。

走行距離: 57km
積算走行距離: 16985km

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