437~438日目【ペルー】名も無き平原へ 4000m級の極寒走行と峠越え3回

2015年8月20日~21日
標高変化3200 - 4400 - 4500 - 4200 - 4500 - 4100m。極寒野宿2回。

Puquio (プキオ)の町並み

 ナスカから156km先にある町プキオ。高山病少なく辿りつけたのは幸運でしょう。これから先も野宿主体となるため、果物 (ミカンと青リンゴ)を買い溜めしておきました。でもタンパク質を持ち運びできると便利だと思います。卵が一番手軽ですが、割れへの対処として卵ケースがあるといいでしょう。持ってないと持ち運びは難しい。

 ただ、高地では沸点が下がるため上手く茹で上がってくれるか分かりません。標高が300m上がると、沸点は1℃下がるという目安があるようです。標高4000mの沸点は約87℃です。卵のタンパク質は加熱したほうが効率的に吸収されるとのことです。茹でたり、スクランブルエッグにすると良いでしょう。


【20日: イスラコチャ湖手前で野宿】


 プキオの標高は3200m、これから向かう先の湖エリアの標高は4400mで、標高差は1200m。普通に考えれば楽勝なのですが、空気が薄いので運動能力が低下します。したがって、この行程は結構キツイです。加えて工事区間となっておりました。

緩い。呼吸も辛くない

 プキオを出て暫くは緩めの上り。九十九折でスイスイ上っていきました。3700mまで上るとキツくなってきて、息切れでペダリングを継続できなくなってきました。体力十分でも呼吸が苦しいと筋肉の疲労も早まる感じがありますね。十分な酸素供給がされていないと、そんな感じです。

標高3700m。岩の世界に

 日本では酸素不足下のペダリング運動というのはまず経験できません。自転車を富士山の頂まで担いで行くしかないですが、それでも3776m程度ですから、4000m越えにおけるペダリング運動というのを経験してみてもらいたい。それが一番手っ取り早い。文章だと「酸素が薄い」と言っても、普通の日本人は知らないから伝わりにくいのです。

ムッ!

YOKOHAMAタイヤのポスター。良いね!

 4200m地点にはレストランがあります。私は疲れたのでたまらず入店したのですが、このレストランがまたセクシー系のポスターばかり。工事野郎共の憩いの場となっている模様。私はこのレストランで初めてコカ茶を飲みました。別になんてことなく、麻薬作用は無い普通のお茶でした。高山病に効くということで有名なお茶ですね。

 コカで思い出しましたが、ボリビアの現大統領はなんでも、ウユニ塩湖をとっとと売り払ってあの辺一帯をコカ畑にしたい模様。あの人はマフィアですからね。ウユニ塩湖は近い将来、掘削のため立ち入り禁止になり、その後はコカ畑になるでしょうから、観光するなら今の内かも。ちなみにペルーの大統領もマフィア出身です。金をばら撒いて当選しています。中南米は基本、マフィア・金ばら撒き・欧米の傀儡と、まともな国はひとつもありません。

標高4300m。牛はまだまだ元気

 話は戻って、標高4300mに達しまして以降、あと100m上げればゴールというところが最も苦労しました。もう自転車から降りて押して歩くしかありませんでした。空気薄いのに加えて傾斜が急すぎます。100m歩くと肩を上下に呼吸するくらいです。

ヤウリウィリ湖

 標高4400mの峠を越えて寝床を探していると、どうもこの辺に住んでいる人達の視線を感じる。少し先へ進んでイスラコチャ湖手前まで行っても、バス待ちか何かのおじさんが遠くからこちらを見ている。これはカメラの望遠で確認しました。

「たぶん、怪しい格好の怪しい奴がいると怪しんでいるんだろうね」


 仕方ないので、視線から逃れるべくもう少し走った先でテントを張りました。結構疲れているのですが、怪しまれる視線は痛い。この厳しい標高で強盗する奴はいないと思うけれども、人の視線からは逃れたい。

 しかし平原ばかりで死角なし。車道から遠く離れた場所まで自転車を押して歩いた先にテントを張り、私の存在がなるべく小さく見えるようにはしました。

走行距離: 57km
積算走行距離: 15812km


【21日: 名も無き平原で野宿】

 風が無かったことが幸いし、居住空間の暖かい空気の損失は免れ、ガタつかずには眠れました。最大3時間は継続睡眠ができました。呼吸も標高に慣れてきたからか落ち着いてきましたが、上り坂では相変わらず肩を上下にしてゼーゼー言わせていました。


 先ず4500mの峠越え。寝場所から標高100mしか違いませんが、その間までアップダウンしているので獲得標高は400m程度になっているでしょう。この峠を越えると谷底まで300mダウン。後、300mアップします。これで本日2つ目の峠越え。

谷底まで下る

 谷底には町があるのでレストランには必ず寄ることです。ここは飲み物やスイーツも扱っているので、2つ目の峠越えに備えて買っておいて損はないでしょうと、買わなかった者が記しておきます。

辛い…100mずつ歩いては休み進む

峠に来ると雪を被った山が

 2つ目の峠越えがキツいのなんのって。行程の半分は歩きでした。低地では300mアップなんて大したことないのに、高地になるとこうもキツいものか。

ふぅ疲れた。甘ったるいコーヒーを飲みたい

 どうにか越えて下っていく。大きめの上り坂を挟んでさらに先へ行くと野宿ポイント発見。疲れた、今日はここでいいだろう。全力でテント張る。

走行距離: 81km
積算走行距離: 15893km

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