434~436日目【ペルー】Puquio (プキオ)へ 南米屈指の難関が始まる 上り合計120kmのふざけたコース

2015年8月17日~19日
ナスカ - プキオ間156km中、120km上り。最大標高4250mへ。

世界最大の砂丘、セロ・ブランコを遠方に望む

 ナスカからクスコまでは獲得標高や標高変化、補給、気温、高山病、野宿などの要素を総合すると、南米屈指の難関、プロフェッショナルコース。しかし、食べ物と高山病に注意していれば、必ず越えられるはず。

【17日: レストラン・パラダイスで野宿】

 ナスカの標高が500mくらい。自転車旅行者の1日の獲得標高は平常時1500m、頑張ると2000m、自転車旅行のエリートクラスの人だと2500mなんていう半端ない数字を叩き出す人もいます。私はエリートクラスではないので、今日は行けても2500mまでか。

緩く延々と上っていく。空気が乾燥している

 脚の本調子は20kmくらい走らないと出てこないという事実。オッサンになってきたんだなぁと、20代前半の時と明らかに違う感覚。確実に歳をとっている。嫌なもんです。特に定年後にユーラシアとアフリカを走ろうとしている人にとっては。

 ナスカを出て走っているといつの間にやらアレキパ方面の道を進んでいました。3kmほど体力をロスしました。上りを控えている身でこれは痛い。精神的にも。

グニャ道は楽しい

標高2000m。岩のはげ山に薄っすらと草が生えだした

 しかし九十九折だな。こういう道は横を向くと自分の通ってきた道が見えるため、上ったなぁという実感があって楽しい。長らく海岸線の道を進んでいたためか、山道が楽しい。


賽の河原の様だ

レストラン裏にテント泊

 特別イベント無く、Restaurante Paraisoで飲み物を買って、オーナーに「Puedo parar por aqui? Por carpa. この辺で泊まれますか?テントで」と聞くと、「もちろん、裏に張りなよ。静かだから」と。

 ナスカ・クスコ間はチャリダーの定番コース化しているらしく、道中の人々はチャリダーに理解があるとの話。だから野にテント張ろうが、レストランに交渉しようが大抵成功します。

走行距離: 48km
積算走行距離: 15638km


【18日: 標高3900mで野宿】

 行けるところまで行って野宿という計画。町から町を目指すスタイルでないため、この点気持ちが楽でいいです。しかしこれから先は標高が3000m超えする場所です。高山病の危険と、息切れによる運動力低下と、気温の低下というリスクが揃っている世界です。気を引き締めて走って行きます。

晴れるのはいいが、標高が上がると紫外線量も増える。肌が荒れる


個人的には、ナスカの地上絵の「手」はサボテンではないかと思っている

3500mを超えるとビクーニャが出てくる

 標高3600mを超えると明らかな息切れを感じ始めました。苦しくて、500m走っては休憩という繰り返しで時間を掛けて進みました。

標高4000m。何も無い草原

風向きを考えてテントを張る。ドマドームでは背面を風に向ける

ペグダウンできないため、自転車を重しとして張り縄をする。自転車の防犯にもなり、張り縄を外す手間を作る目的も。もちろん重しとして石を積んでも良い

 3900m地点で限界。息切れ全力でテントを張っている最中に小粒の雹がパラついてくるなど、エクスペディション感を体感しました。低地走行が長かったので、高地順応がされていないのでしょうね。いきなり2日間でこんな高い所に来たので、呼吸が苦しい。

走行距離: 47km
積算走行距離: 15685km


【19日: Puquio (プキオ)でホテル泊】

 深夜は雹がパラつくし、氷点下であろう気温で寒すぎて、1時間も継続して眠れませんでした。朝も当然寒いので、完全防寒装備で挑みました。先ずは朝飯を作ることから…とにかく火を起こそう。


 どうにか出発準備を整えて出発できましたが、4100m、4200mと標高を更に上げていきます。1kmも継続して走行できないくらい息切れします。これだけ高地の影響を受けていて高山病の症状が激しい息切れだけとは幸運でしょう。

 一説では高山病にはコーラが効くとか。医学的根拠無しですので、心配な方は薬局で薬を買いましょう。ちなみに私はコーラで挑んだのです…

ナスカから100km続く上りの終わり

 4250mの峠を越えると3100mまで下っていきまして、その後3500mまで25kmかけて上り、3200mの町、プキオに到着しました。

プキオのイグレシア。右側の塔の頂にある十字架が傾いている


 適当なホテルに入って、ミカン (Mandarina)と青リンゴ (Manzana verde)を購入しました。普通の赤いリンゴはアメリカ以降不味くなったので敬遠してます。対して青リンゴはどこの国でも甘酸っぱくて美味しい。ペルーに出回っているのはチリ産のようで、リンゴは寒い国で作られたものが美味しい。健康効果も、赤と青で違いは無いようですし。

 ミカンも標高が高くて寒い所で買ったほうが、より甘い。ミカンは肌の老化防止等の健康効果。また、皮を剥くだけですぐ食べられるので、毎日忙しいチャリダーに好評。

走行距離: 70km
積算走行距離: 15755km

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