335~338日目【コロンビア】Popayán (ポパヤン)への3日間 

2015年5月10日~13日
独りで散策するな。今旅で一番ヤバそうな町で一泊。延々と繰り返す、上れば下り、下れば上る道。アンデス流道の造り方。

白い街、ポパヤンを目指す

【10日: ブガ】
 この日は私の誕生日。だから無走行日にしたのではなく、疲労回復の総仕上げを体にやらせるためです。疲れた体を完全に癒やすには2日間の無走行日を作ること。あまり長く休んでも逆にいけない。

 あっという間に日は暮れて晩飯を自炊して食べていると、バックパッカーのメヒカーナ (メキシコ人女性)が話しかけてきました。彼女は三島由紀夫の「Sed de amor」を愛読。日本語も少し知っていました。スペイン語のコレを日本語では何と言うかなどレクチャーしつつ楽しく話せました。


【11日: プエルト・テハダまで】


 この日の目標は60km先の町まで。カリには寄らずに南下します。平地をスイスイ進んで昼頃には着いてしまいました。まだホテルへチェックインするには早いのでもう少し先へ行くことにして、着いた町の名はPuerto Tejada。この町、ヤバイそうです。

 町へ入った時は別に普通の町ですし、ホテルを探してセントロへ行ったりウロウロしていました。気が付いたことは「黒人だらけ」「警官がいない」という2点。

 セントロ周辺にホテルが見当たらず少し離れた所を走っていると自転車のオジサンに話しかけられました。ホテルを探しているというと案内され、そこで「Mucho cuidado. (気を付けろよ)」と何度も何度も念押しされ、ホテルのスタッフも重々しい雰囲気。扉はもちろん窓にまで鉄格子&錠前。

 何か食うかと聞かれたので晩飯にレストランへ行きましたが、先ほどの自転車のオジサンが同行。オジサンはクリスチャンで、俺は安全だが他の連中には気を付けろよ、町中を独りで絶対に歩くな、明日の朝まで夜絶対出歩くな等、「この町ヤバイ」という印象を植え付けられました。

 黒人が全員悪いわけではないのですが、残念ながら黒人の多く住む所は治安が悪い傾向にあります。ベリーズシティも雰囲気が良くありませんでした。人種の歴史を見れば卑屈になるのも仕方ありませんし、これは時間が解決するという問題でも無く、未だに白人と黒人の微妙なギクシャクした光景は見られます。先日もアメリカのボルティモアで黒人が警察に拘留中に死亡したことへの大規模なデモがありましたし、その前は黒人少年が白人警官に射殺されたなどありました。

 日本人からすれば「面倒くさい」の一言が全てですが、人種偏見は根が深いので無視してはいけないのですよ。特に日本人はのほほんとしているので、こちらでニュースを見ていると「日本人の意識って大丈夫かな」と心配になります。日本人の多くは「世界の潮流」を理解してないし、理解しようという意志も弱い。

 潮流はテレビ・ネットのニュースや新聞だけじゃ分かりませんよ。専門家の見解なんて、大抵彼らはかつて居たとしても、現在「要職に居ない」のですから、何も知らないのと同じです。政治的世界情勢は特に一年ないし数ヶ月以下で「かつての情報」になりますからね。同じことはネットの「レビュー」掲載にも言えますね。同じお店のレビューでも、何年も前のものなんて役に立ちません。実際にその場に居て、見て得た情報は潮流をリアルタイムで理解するのに重要です。

 クリスチャンのオジサンは私の町での用の間ずっと行動を共にしてくれました。こういうのを「功徳を積む」と言うのでしょうね。素晴らしい。

 プエルト・テハダへは寄らないことを強くオススメします。

走行距離: 87km
積算走行距離: 12039km


【12日: ピエンダモまで】


 危ない町をサッと脱出。今日で平地区間は終わり、サンタンデールという町から先は山道になります。

 大抵のチャリダーはMondomo (モンドモ)という町で走行を終えるので、私も例に習ってここで終えるつもりでしたが、到着時刻は12時で、体力もまだそんなに消費していないという事、さらに次の大きな町のピエンダモまで30km程度という事でピエンダモを目標にしました。ただ、山道で30kmは結構キツいよなぁとも思いました。

 下げた分上がって、上がった分下げるという行程で精神的にキツイ。ピエンダモはモンドモから標高300m上にあるので、上ったら下げないで欲しい。

 モンドモからピエンダモまでの30kmを4時間かけて走り切りました。ホテルの部屋で「今日はよく走ったなぁ」と自分で自分を褒めたのでした。

MSRドラゴンフライのメンテナンスで一番大事なところ。火力調整棒にはススがこびり付くので削り落としておかないと故障する

走行距離: 78km
積算走行距離: 12117km


【13日: ポパヤンまで】


 ピエンダモからポパヤンまでは距離23km。これは街の入り口までの距離で、セントロにある目当てのホステルまではもう少し走ることになりました。

チャリダーの間ではベタなネタ。「トトロ」という町がある。日本人ならみんな気になる

 化膿している足は治りつつありますが、1箇所治れば別の所がというように「負のサイクル」にあります。治りが遅いのはバイ菌の繁殖と白血球の退治速度がほぼ同じだからでしょう。消毒と膿用の軟膏を塗ってはいますが効き目が無いようです。抗生物質の入った軟膏を買って試してみましょう。

 スペイン語圏で傷や虫さされが膿んで痛くなったという人は薬局 (Farmacia 又は Droguería)で以下を求めましょう。
  • Pomada de antibíotico (抗生物質軟膏)
  • Solucíon antiséptica (消毒液)
  • Gasa (ガーゼ)
  • Esparadrapo (テープ)

走行距離: 32km
積算走行距離: 12149km

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