51日目【アメリカ】キャメロンへ 激走120㎞ 全力をかけろ!

2014年7月30日

 夜明けと共に起き、昨晩用意しておいた朝飯の鍋を火に掛けました。米とジャガイモ、ブイヨン、水を鍋に入れておいたものです。米を炊く要領で火にかければ、ジャガイモにも火が通って、ブイヨンで味付けまで完了しているというズボラ飯です。出発時間を少しでも早くすべく、朝の準備と片付けのうち、昨晩のうちにできることは全てやっておきました。万全です。

 今日はここマーブルキャニオンから89号線を南へ向かい、120㎞先にあるキャメロンを目指します。快晴、風無し。気温の上がる昼までに距離を稼ぎたい。

ナバホブリッジからの眺め。コロラド川が見える

 マーブルキャニオンにはナバホブリッジという橋がありますが、ここが本日の最低点、3540フィートです。これ以降走行距離50㎞弱ひたすら登りで、5950フィートまで登ります。標高差2400フィートは720mに相当します。登坂のキツさは獲得標高が基準です。旅行車の獲得標高720mはキツい方です。

 この間2回パンクしました。原因は植物のトゲ。路側帯にマキビシのように転がっており、タイヤにエグく突き刺さってきます。コンパウンドが傷付きます。パンクチャープロテクションの無いタイヤだと冷や冷やします。

 朝早く出ても暑い。緩やかに延々登る真っ直ぐな道というのは、精神に来ますね。気が滅入ってくる。

 道の途中ではナバホ族のショップがあります。伝統工芸品やジュエリーを売っています。彼らの家は荒野にありますが、畑があるでもなし、家畜がいるでもなし、どうやって生計を立てているのか気になっていましたが、なるほど、ショップですね。

 5950フィートの峠を越えると下りメインの高速コース。これは意外でした。「あれ?下りが続いていく。全力をかけると意気込んでここまで来たのに」

 Road Work登場。しかも10マイルというとんでもない長さの道路工事。一気に10マイルもやるかね。さすがアメリカ。

 相変わらず暑く、陽射しが凶器です。Road Workを早く抜けてしまおうと思うものの、工事スタッフに止められました。呼ばれたので付いていくと、クーラーボックスから冷えた水を頂きました。「10マイルは長いぞ。水持ってけ」「おおっ、サンキュ~!」こういう気遣いが人間を決めるのでしょうね。見習うべき人と出会えて良かった。

 キャメロンまでの120㎞は結局、後半の高速コースのおかげで案外イージーで、疲労も少なく、予約しておいたモーテルにもチェックイン開始時間 (16時)ちょうどに着いてしまいました。

 キャメロンのモーテルは価格は少し高いのですが、グランドキャニオンへの拠点としては最高です。ストア、ギフトショップは賑わいがあって充実しています。部屋も綺麗でいいですね。唯一の欠点は水が不味いということ。この水は生で飲まないほうがいいです。私はこの水でお腹の調子がおかしくなりました。まぁ海外のホテルではよくあることです。

 このキャメロンまでの道のり。全力をかけると意気込んでいたものの思いのほか楽でした。しかしアメリカはだまっちゃいません。ちゃんと全力をかける場面を用意してくるんです。それは翌日のこと。

積算走行距離: 3898㎞

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